人物評伝 - 筑摩書房 - 筑摩選書の検索結果
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長州ファイブ 山尾庸三の明治
日本の「工学の父」にして 障害者教育の先駆者 知られざる傑物の生涯をたどる 幕末に藩命でイギリスに密航した「長州ファイブ」の一人で、日本の「工学の父」と称される山尾庸三(1837-1917)の初めての一般向け評伝。攘夷志士として活動後、ロンドンとグラスゴーで五年間、化学と造船学を学び、帰国してからは殖産興業を担う工部省の創設に尽力し、日本初の高等工業技術学校である工部大学校を開設。一方で盲唖学校設立にも関与し、障害者教育の先駆者ともなった。地位や名誉に拘泥せず、控えめで博愛心に満ちた明治の傑物の生涯を描き出す。 【目次】 はじめに 第1章 横浜同窓会 第2章 萩から江戸へ 第3章 過激志士から密航へ 第4章 イギリス留学 第5章 工部省時代――帰国、鉄道、鉱山 第6章 続工部省――灯台、電信 第7章 釜石製鉄所の挫折と西陣の近代化 第8章 工部大学校創設 第9章 盲唖学校開設と伊沢修二 第10章 なぜ盲唖教育に献身したのか 第11章 三人の大立者――木戸、伊藤、渋沢 第12章 工部卿から臨時建築局総裁へ 終章 晩年と近年の再評価 あとがき 参考文献 年譜 人名索引 -
エラスムス 闘う人文主義者
中世の大ベストセラー『痴愚神礼讃』の名を知る人は多いだろう。ヨーロッパ文化への貢献者に与えられる栄えある賞に今もその名を残す、西洋知性の粋、デジデリウス・エラスムス。宗教改革をはじめ、世俗権力と教会の対立が顕在化し、争いが絶えなかった狂乱の時代を生きた彼は、つねに学問に打ち込み、「何者にもその道を譲らない」という自らの信条が揺るぐことはなかった。派閥に属さない知性的な態度や人間味あふれる魅力的な人柄、「世界市民」としての生き方を、西欧文化を知悉する著者が憧憬をこめて描き出す傑作評伝。 【目次】まえがき/第1章 我、何者にも譲らず/第2章 不信の時代/第3章 変革への底流/第4章 古代へのめざめ/第5章 ふたつの友情/第6章 イタリアへの旅/第7章 ヴェネツィアの印刷業者/第8章 ゆっくり急げ/第9章 『痴愚神礼讃』/第10章 宗教改革の嵐/第11章 嵐のなかの生涯/第12章 自由意志論争/第13章 栄光ある孤立/はしがき -
地方豪族の世界 ――古代日本をつくった30人
古代の地方の人びとはどのように暮らしていたのだろうか。史料の残っている豪族クラスの人物の活動に光を当てれば、彼らがいかに躍動していたかかがわかる。郡・郡司、国衙機構や在庁官人の研究により地方支配の歴史的変遷をたどり、立体的な地域史を復元してきた著者が、神話・伝承の時代から奈良時代末まで、そこから平安時代末までに活躍したそれぞれ15人の人物を選出。一般読者向け古代史書ではあまり扱われない人物30人を紹介し、地方の動向や中央との関係を通時的に描き出す。 【目次】はじめに/I 古代国家の形成と展開/1 八束水臣津野命──国引きから国造りへ/2 野見宿禰──相撲と埴輪のはじまり/3 上毛野君の祖荒田別──海外への雄飛/4 上道臣田狭──吉備氏の力/5 筑紫君磐井──中央集権化への画期/6 箭括氏麻多智──神々との交渉と開発の推進/7 笠原直使主──国造制の施行/8 朴市秦造田来津──白村江戦での奮闘/9 尾治宿禰大隅──壬申の乱を勝利に導いた力/10 他田神護──中央出仕と郡司就任/11 壬生直小家主──後宮を支えた女性官僚/12 高麗朝臣福信──天皇への近侍と地域への貢献/13 生江臣東人──東大寺領の開発/14 田中真人広虫女──郡司妻の経営手腕/15 越優婆夷──仏教信奉の利益/II 古代国家の成熟と転換/16 伊治公呰麻呂──征夷三十八年戦争のはじまり/17 入間宿禰広成──征夷事業を支えた坂東の豪族/18 槻本公老──桓武天皇即位秘話/19 大墓公阿弖流為──坂上田村麻呂とも対峙した蝦夷の英雄/20 佐伯直真魚(空海)──真言宗の将来と布教/21 壬生吉志福正──国分寺塔の再建と子息涯分の租税前納/22 春澄朝臣善縄──祖父の学業支援と最優秀成績者の足跡/23 円仁──入唐求法の辛苦と天台密教の確立/24 於保臣(磐城臣) 雄公──地域を支配する郡司氏族の力/25 武蔵武芝──平将門の乱を誘発したもう一つの武士への道/26 真髪成村──膂力の相撲人/27 安倍頼時──源頼義・義家との対決/28 阿波民部大夫成良──神戸港の礎を築いた平清盛の家人/29 伴信明──島津庄の経営と薩摩平氏との対立/30 伊福部臣資経──流人源頼朝を支援した余慶/おわりに/人名索引 -
評伝 市川房枝 ――日本最大の女性政治家
市川房枝(1893~1981)は戦後政治で異端の存在ながら、党派に属さない無所属議員として他に類を見ない国民の支持を得た政治家だった。戦前・戦時期には社会運動家として婦選運動を牽引し、戦後は87歳で亡くなるまで参院議員を務めた市川が、常に男性政治家によって動かされてきたこの国の政治世界で、生涯をかけて追求した「女が望む政治」とはなんだったのか。その生い立ちから、最晩年までの軌跡を詳細にたどり、政治理念と政治手法を明らかにする決定版評伝。 【目次】はじめに──混迷する政治と市川房枝/Ⅰ 戦前──1893年5月~1931年8月/第1章 生い立ち──時代の流れと運動家の形成/第2章 平塚らいてうとの出会いと別れ、そして渡米/第3章 イエ社会で婦選運動を展開──特殊日本的な保守社会と市川の対応/Ⅱ 戦時期──1931年9月~1945年7月/第4章 準戦時期・抵抗の実相──反戦活動と切り拓いた市民的活動/第5章 戦時期・転向の軌跡──「婦選の灯」のともし方/Ⅲ 戦後──1945年8月~1981年2月/第6章 占領期・公職追放──時代の寵児から「格子なき牢獄」の日々まで/第7章 クリーン・ポリティックスの模索──婦選の経験はどう引き継がれたか/第8章 「ストップ・ザ・汚職議員」運動への道──婦選の経験の今一つの展開/第9章 平和と女性の人権──婦選の政治の行き着いた地平/あとがき/主要参考文献/市川房枝略年表 -
松本清張と水上勉
ほぼ同時代を生きた松本清張と水上勉には、意外にも共通点が多い。最大の共通性は雑食性。ともに社会派ミステリ作家として出発するもミステリ以外にも手をつけ、清張は小説・ノンフィクションの二刀流を展開し『昭和史発掘』『古代史疑』など歴史評論にも進出、水上勉も『寺泊』で川端康成文学賞を受賞した私小説路線と並行して、寂れゆく辺境や滅びゆく伝統工芸のルポルタージュ、一休や良寛といった高僧の評伝に新境地を切り開いた。好一対だった大作家の歩みと名作を読み解く。 【目次】序章 清張と勉――その軌跡/第1章 文壇作家時代の松本清張/第2章 初期水上勉は私小説家だったのか/第3章 清張の乱歩批判/第4章 『天城越え』は『伊豆の踊子』をどう超えたか/第5章 清張の江藤淳批判/第6章 映画「砂の器」は小説をどう補修したか/第7章 『点と線』から『日本の黒い霧』へ/第8章 推理小説家時代の水上勉/第9章 日本型私小説を究める――その後の水上勉/第10章 国民的文化人・松本清張――『読書世論調査』の結果から/第11章 言葉を超えた世界へ・水上勉――『才市』の奇跡/あとがき/松本清張・水上勉年譜/人名索引