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  • 美貌のシャペロン【ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版】
    4.5
    あか抜けない姿の彼女に美を透かし見た、不埒な伯爵―― 付き添い人をして生計を立てているアニスは、年頃の令嬢のいる貴族から縁結びの依頼をたびたび受けている。そんな彼女には、ある悩みがあった──美しすぎるのだ。令嬢に引き合わせた相手男性から関心を向けられないよう、アニスは古ぼけた服をまとい、豊かな金髪を帽子に押し込んで、決して目立たぬよう、つねに地味に振る舞っていた。ところが、偶然知り合った悪名高き放蕩伯爵アダムが、彼女の慎重に隠された美貌に目ざとく気づき、誘惑を開始した。その場面を社交界のうるさがたに見咎められてしまい、もはや失業同然のアニスに、伯爵はやむなく求婚するが……。 ■軽妙洒脱な作風が魅力のニコラ・コーニックの名作をリバイバル!野暮ったい婦人に身をやつし、日陰暮らしをするアニス。なのに、百戦錬磨のアダムがそんな彼女に恋の照準を定め……。ゆえあって、幸せな結婚なんて自分には望めないとあきらめるアニスの運命は!? *本書は、ハーレクイン・ヒストリカルから既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
  • 愛の足かせ 三人の求婚者 III
    -
    アントニアは幼いころからフィリップとの結婚を夢みていた。それなのに、のほほんと年月を重ね、気がつくと二十四歳になっていた。大変!ぐずぐずしてはいられないわ。幸い、フィリップにはまだ結婚を約束した相手はいないらしい。ここで私が彼の花嫁にふさわしいレディで、男爵の妻としても立派にやっていけると証明できたなら、求婚してくれるかもしれない。かくして二人は八年ぶりに再会したのだが、彼はアントニアのことをなかなか思い出してくれず……。★ステファニー・ローレンスの三部作〈三人の求婚者〉の最終話をお届けします。放蕩者を気どっていたフィリップもついに年貢の納めどきのようです。ヒロインのアントニアが仕掛けた愛らしい罠とは? 恋人たちがついばむ協奏曲をお楽しみください。★
  • 愛のソネット【mirabooks版】
    -
    社交界一の放蕩公爵が目をつけたのは、冴えない壁の花――19世紀社交界絵巻、不朽の名作! 放蕩の限りを尽くしてきたエヴァースリー公爵ジェイソンは、跡継ぎを作るはずの弟が急逝し、直ちに結婚する必要に迫られていた。公爵夫人になる女性は貞淑で家柄がよく、屋敷や催しを切り盛りする能力がなければならない。そこで目をつけたのがレスター家の令嬢レノーア――昔から影が薄く、流行遅れのドレスをまとう野暮ったい娘だが、ジェイソンはなぜか、冴えない仮面の下に本当の彼女が隠れている気がして……。 *本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のmirabooks版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
  • 愛のソネット
    3.8
    放蕩の限りを尽くしてきたエヴァースリー公爵五世は、跡継ぎを作るはずの弟が急逝し、直ちに結婚する必要に迫られた。公爵夫人になる女性は、貞淑で家柄と容貌がよく、広大な屋敷や盛大な催しを切り盛りする能力がなければならない。唯一条件を満たしそうな女性に会うため、あるパーティに赴くと、彼女は冴えないドレスをまとい、やぼったく振る舞っている。だが彼には、意図的に魅力を隠しているように見えた。ドレスの下に隠された、本当の姿を自分だけのものにしたい──湧きあがる支配欲のままに、公爵は狙いを定めた。
  • 美しき標的 危険な恋のゆくえ II
    4.0
    アラベラは結婚直後に夫を亡くし、美しき寡婦として名をはせていた。多くの男性から求婚されているものの、二度と結婚するつもりはない。亡き夫をあまりに愛していたせいで、私の心は彼の死とともに閉ざされてしまったのだから。ある日旅先へと馬車を走らせていたアラベラは道の真ん中に行き倒れていた男性を見つける。追いはぎに襲われたらしいが、ほうっておくわけにはいかない。アラベラは急遽近くに宿を取ることにして、徹夜の看病を続けるが、そのときには想像もしなかった――彼がやがて、アラベラの人生を根底からくつがえすことになるとは。★失意のどん底にいたチャールズ・ハンターがヒーローです。彼は再び自信を取り戻せるのでしょうか?★
  • 奪われた乙女
    4.0
    長年敵対関係にあるラ・ヴァロン家の次男バードに娘を傷物にされることを恐れたサー・ギランは、イゾルデを知人宅に預けることにした。そして、あろうことか、バードの妹フェリシアを誘拐した。一方、イゾルデは、居心地の悪い知人宅をこっそり逃げだした。タイミングよく現れたバードに続き、彼の兄サイラスもやってきた。自信たっぷりで傲慢なサイラスに反発しつつも、イゾルデは屋敷まで船で送ってもらうことにする。ところが、連れていかれたのは見知らぬ異国の地。なんとイゾルデもまた、誘拐されてしまった!★歴史上の人物たちが大勢登場し、美しく絵画的なシーンの数々はため息が出るほどです。まるで中世の宮廷にタイムスリップしたかのような華やいだ雰囲気を、どうぞご堪能ください。★
  • 奪われた福音書
    5.0
    憎むべき騎士に亡父の領地ごと売られた私の運命は… ローズは亡父からイングランドの領地と貴重な福音書を受け継いだ。この地を守り、福音書を尼僧院に届けなくては。しかしその決意むなしく、ローズは侵略者であるノルマンの王に土地を取り上げられ、騎士ジュードとの結婚を強いられてしまう。傷ついた心を凍りつかせ結婚生活に耐えるローズをジュードはやさしく扱い、情熱的なキスをしてきた。あなたは私の土地と財産目当てのはずなのに…なぜ? 心まで奪われるわけにはいかない。けれど胸はざわめいて――。
  • 奪われた福音書
    -
    ノルマンの王に土地を取り上げられ、意にそまぬ結婚を強いられたローズ。すべてを失った彼女に残されたのは美しく貴重な福音書だけだった。一度はイングランドの地から奪われ、亡き父が苦労の末に捜し出したその書は、ノルマン人の夫に抱かれながら、なお冷たく心を閉ざす彼女にとって、わが身より大切なものだった。これだけは渡せない!ローズは自分の運命を呪いつつ、夫への復讐を誓うのだった。★時は11世紀、ノルマン・コンケストの嵐が吹き荒れるイングランドのヨーク地方が舞台です。女地主ローズは、ノルマン人の騎士ジュードに土地ごと売られてしまいます。復讐に燃える彼女が選んだ道とは……?ロマンティック・タイムズ誌で好評を博した作品です。★
  • うぶな愛人
    -
    レティシアは母親の庇護から逃れ、自立して暮らしてきた。女性は結婚がすべてと考える母親への反発心から、恋愛の経験はない。だが実は、レティシアには秘密の顔――大胆な男女の描写で知られる恋愛小説家という顔があった。ある日、友人の城を訪ねたレティシアは中で迷ってしまい、偶然通りかかったシートン・レイン卿に助けてもらう。レイン卿は、レティシアの妹の花婿候補と噂される次期侯爵で、いつもなにかと彼女にあざけりの目を向けてくる男性だ。まるで、男性を知らないレティシアをからかうかのように。しかし次の瞬間、相変わらず皮肉の笑みを浮かべた彼に唇を奪われ、レティシアは思いもかけなかったほど恍惚となった。■いつも読みごたえのあるストーリーを届けてくれるジュリエット・ランドン。今月は、純粋でいながらもちょっと大胆なヒロインが登場します。ロンドンの街のさまざまな描写も盛り込まれています。
  • 裏切られた愛情
    3.0
    ピッパは双子の兄が戦死したという知らせを受け愕然とした。だがどうしても本当のことだと信じられず、自ら兄を捜すため、男装をして軍医の助手となり手がかりを探すことにする。あるときひどい怪我をした男性の手当てを手伝うことになり、その苦痛にゆがんだ顔を見たとき、彼女は思わず息をのんだ。見たこともないぐらいハンサムな男性――そのうえ、鍛え上げられた裸身が、まばゆいほど美しい。状態がひどく、命も危うい彼は病院に運ばれることになるが、それを知ったピッパの口を思いがけない言葉がついてでた。「僕の宿に運んでください」★ジョージーナ・デボンが描く情熱的なラブストーリーです。ピッパは男装をした姿である男性と出会いますが、献身的に世話をするうちどんどん引かれはじめ……。自分が本当は女性だと打ち明けられないピッパのもどかしい恋の行方は?★
  • 裏切られた愛情【ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版】
    5.0
    男装の乙女は、愛のめざめに頬を染めた。やがてその愛に裏切られるとも知らず。 ピッパは双子の兄が遠方で息を引き取ったと聞き、愕然とした。にわかには信じられず、生きていてほしいと切に願う彼女は、男装して軍医の助手をしながら、兄を捜すことにする。ある日、深手を負った男性デヴェレルの治療を手伝ったとき、その顔を見て、ピッパは思わず息をのんだ。なんてハンサムな方……。鍛え上げられた筋肉質の体も、まばゆいくらいに美しい。状態がひどく、命も危うい彼は病院に運ばれることになるが、それを知った瞬間、ピッパは思いがけない言葉を口走っていた。「僕の宿に運んでください」 ■名作家G・デボンが描く、情熱的なリージェンシー・ロマンスを初リバイバルいたします。美しき手負いの貴公子への恋心が募るも、自分が本当は女性だと打ち明けられないピッパ。もどかしくて切ない恋は、最愛の兄の消息とともに、思わぬ展開を見せます。 *本書は、ハーレクイン・ヒストリカルから既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
  • 買われた令嬢
    完結
    -
    社交界の歌姫と称されるカテリーナの前に名門貴族チェイス・ボストンが現れる。放蕩者のプレイボーイ、そしてどんな賭けにも勝つ強運の持ち主と評判の彼は、カテリーナの弟が賭けに負け、2万ギニーもの借金を負ったことを告げに来たのだった。館を手放しても払いきれない莫大な額を要求する彼にカテリーナは怒りを隠せない。そんな彼女の燃える金茶色の瞳がチェイスの心に火をつけた。彼はカテリーナの父に願い出る。借金を帳消しにする代わりに娘さんが欲しい、と。
  • 買われた令嬢
    -
    その日、放蕩者で鳴らすチェイス・ボストンが訪ねてきて息子が彼に莫大な借金を負った顛末を淡々と説明するのを聞き、スティーブン・チェスターは顔面蒼白になった。娘のカテリーナは十七歳で歌姫として華々しくデビューし求婚が殺到したものの、二度も土壇場で婚約を破棄。結婚はしたくないと言う。おまけに息子までこのていたらくとは。頭を抱えるスティーブンに、チェイスは話を持ちかけた。「娘さんを妻に迎えたい。代わりに借金は帳消しにしましょう」チェイスが優しくカテリーナに結婚したくない理由を尋ねると、彼女は突然、絶望の嗚咽をもらして走り去った。結婚恐怖症の歌姫か。おもしろいことになってきたぞ。★HS~316『放蕩貴族の愛人』で美しい歌声を披露し観客を沸かせたカテリーナ。その奔放なる情熱を受け止めるには、放蕩者で有名なチェイスなら不足はなさそうですが……。★
  • 完全なる騎士
    -
    12世紀、フランスはエレオノール女王の宮廷。ここでは日々、廷臣たちが貴婦人に詩と花を捧げ、恋の駆け引きに興じている。その噂はヨーロッパ全土に轟き、“愛の宮廷”と呼ばれるほどだ。女官アレインも女王の庇護を求めて、この宮廷に身を寄せた。しかし彼女は男女の愛の戯れになど興味はなく、むしろ、どんな男性も愛せない秘密がある。そこへイングランドから折り目正しい騎士がやってきた。聞けば、ヘンリー~世の使いだという。彼の放つ磁力にアレインはたちまち吸い寄せられ……。★本書に出てくる吟遊詩人は、ヨーロッパの宮廷において、おもに恋愛を主題とした詩を楽器の伴奏に合わせて吟じました。詩には見目麗しく颯爽とした騎士が登場し、乙女の胸を焦がしたと言われています。★
  • 消えた乙女
    4.0
    名家の生まれながら話し相手(コンパニオン)として働くサラは、亡き兄に隠し子がおり、自分の助けを求めていることを知る。姪がいるはずの館は、毎夜堕落した宴が開かれることで悪名高い。足を踏み入れれば、私の評判は地に落ちてしまうだろう。それでも姪を救わなければ!サラは内密に館に赴くことにする。だが噂は瞬く間に広まり、大切な幼なじみのレンショー卿でさえ、軽蔑もあらわにサラを侮辱した──彼女の純潔まで疑って。淡い恋心を打ち砕かれ、サラは頬を涙に濡らして館へと旅立った。やがて、レンショー卿と苦い再会を果たすとは夢にも思わずに。
  • 騎士への贈り物
    -
    ★もう騎士には近づかない。彼を呪いの犠牲者にしないために。★エロイーズに近づく騎士は呪われる。そう噂されていた。彼女はこれまで二度婚約したが、二度とも婚約者が亡くなり、義兄に強いられて結婚すると、その夫までが馬上槍試合で命を落とした。彼女は夫の死に、騎士のサー・オーウェンが関係しているのではないかと疑っていた。かつてエロイーズに求婚しながら、何も言わずに姿を消した男性だ。城で再会した彼には、相変わらず魅惑的な雰囲気があった。でも、呪いをこれ以上広めないため、わたしはもう、騎士に近づいてはいけないわ。
  • 貴婦人の素顔 リージェンシー・ブライド II
    -
    アッシュ家の末娘メグはいつも美しい姉たちと比較され、母親にもないがしろにされて窮屈な日々を送っていた。だから幼なじみのサイモンが求婚しにやってきたとき、メグはロマンチックな告白を期待して胸をときめかせた。ところが――「わたしたちの友情がより親密なものになることを望んでいます」それは、とある国の王子と恋に落ち、お姫様になる夢を見ていた少女にとって、あまりに味気ないプロポーズだった。メグはがっかりして申し出を断り、パリに渡った。一方、サイモンも自堕落な放蕩者に変貌し、ついに二人が再会する時がやってきた!
  • 侯爵に恋の罠
    3.0
    ナポレオンが流刑となり、群衆の歓声でわき返るロンドンの街。レクシーは古ぼけたボンネットと質素な服を身につけ、レディにあるまじき行為ながら一人でパレードを見物していた。だが、ほどなく粗野な男たちがレクシーを取り囲み、襲いかかってきた。危ういところで救い出してくれた背の高い紳士の顔を見て、レクシーは思わず息をのんだ。ストーマストン卿――7年ぶりの再会となる、悪名高き放蕩者だ。彼は鮮やかなブルーの瞳を輝かせ、驚くべき謝礼を求めた。「キスがいい」呟いた彼は抗う間も与えず、レクシーの唇に唇を重ねた。
  • 拒まれた求婚
    3.0
    パーディタはうんざりした顔でホールを見まわした。いくら私がダンスが好きでも、こういう社交界のパーティに参加し、退屈な男性の相手ばかりしているのはごめんだわ。しかし、そのときうしろから聞こえてきた男性の皮肉な声に、そんな思いも忘れてパーディタは憤然とした。「小娘を押しつけようとする、おせっかいな婦人ばかりだな」次の瞬間、パーディタは一歩下がり、男性の足を思いきり踏みつけた。「ごめんなさい」作り笑顔で言う女性に、アダムは息をのんだ。つぶらな瞳に、滑らかで白い肌。こんな愛らしい娘は見たことがない。だが明らかにわざと足を踏んだ彼女に、今度は僕が恥をかかせてやる。
  • 強引な求婚者
    -
    ■好きなだけ逃げるがいい。ぼくは必ずきみを見つけ出す。■マリエッタは十八歳になっても結婚する気がなく、次々に現れる求婚者をことごとく断ってきた。継母のレディ・アリスは、そんなマリエッタにさじを投げ、十五歳になった実の娘エメリーンを先に結婚させようと考える。折しも、新しく獲得した荘園の隣に理想の結婚相手が……!ソースゲルド城の城主アラン卿の出現に、エメリーンとレディ・アリスは色めき立った。ところが、アラン卿が目をつけたのは、ほかならぬマリエッタだった。アラン卿は一目会ったそのときから、花嫁は彼女しかいないと直感したのだ。その直感に従って、彼は少々強引とも言えるやりかたで逃げるマリエッタに求婚しようとした。
  • 強引な求婚者【ハーレクイン文庫版】
    5.0
    マリエッタは十八歳になっても結婚する気がなく、次々に現れる求婚者をことごとく断ってきた。継母のレディ・アリスは、そんなマリエッタにさじを投げ、十五歳になる実の娘エメリーンを先に結婚させようと考える。折しも、新しく獲得した荘園の隣に理想の結婚相手が!ソースゲルド城の城主アラン卿の出現に、エメリーンとレディ・アリスは色めき立った。ところが、アラン卿が目をつけたのはマリエッタ。逃げるマリエッタに求婚しようと、彼は少々強引とも言える行動に出る。 *本書は、初版ハーレクイン・ヒストリカルから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
  • 幸せを運ぶ求婚者
    4.6
    シーアは婚約者の死後社交界を去り、ひっそりと暮らしていたが、突然、ロンドンの父に呼び戻された。伯父の莫大な遺産を相続することになった彼女を父は有力者と結婚させる腹づもりらしい。仕方なく社交界に戻るやいなや、求婚が殺到。だがシーアは、誰の求婚も受けないと固く心に決めていた。リチャードはシーアの変貌ぶりに目をみはった。結婚を促す叔母の計略により再会した彼女には可憐で屈託なかった少女の面影はまるでない。いったい、彼女の身に何が起きたのだ?★苦々しい過去の秘密。けれどその秘密こそが幸福な未来への扉を開ける鍵となり……。HS~299『誇り高き愛人』に登場した伯爵の弟リチャードの気高き決断に胸を打たれます。★
  • 子爵と恋の迷宮へ
    4.0
    短気で気まぐれ、放蕩者と評判の子爵が帰ってきた。隣の領地に暮らすとはいえ、貧しい医師の娘にすぎないイザベルには関係のないことだ。だが、当のブラックウッド子爵にとっては違うらしい。ある容疑をかけられた彼が9年ぶりに帰還できたのは、イザベルが発見した手記によって無実を証明できたからだと感謝し、ことあるごとに彼女の前に現れ、手を貸そうとするのだ。彼の厚意にとまどいながらも、子爵が時折見せるやわらかな笑みにイザベルの胸は高鳴った。でも勘違いしてはだめ。彼はただ恩返ししたいだけなのだから。■イザベルは、困っている人を放っておけない心優しい女性。彼女にとって子爵を助けるのは当然のことでしたが、その気高さに彼は惹かれ……。ユーモアに溢れるふたりの会話が魅力の作品です。
  • 解かれた封印 灼熱の冬 I
    3.5
    “ボウ”の愛称で知られるボウリュー伯爵は、どんな謎でも解いてしまう独身の伊達男だ。狩りで弟が大怪我を負ったと聞き、駆けつけたボウは、ぶかっこうな茶色のドレスに頭巾という姿の老婆が、弟の治療に当たっているのを見て激怒する。こんな田舎の薬草医にいったい何ができるというのか?ところが、無学な老婆を装っていたのは、若く美しい知性に富んだ未亡人、ローラ・マーティンだった。ローラのような女性が、なぜ身を隠すように暮らしているのだろう。身を隠す――そうだ! 彼女は何かを隠している。謎解きはボウの得意とするところ、彼はなんとしても彼女の正体を暴こうと決意した。
  • 情熱は嵐のあとで
    -
    コンラッドと出会ったときから、エマの葛藤が始まった。■母親の女手ひとつで育てられたエマは、母が亡くなる直前、自分に大富豪の祖父がいることを知らされる。母の最期の願いは、その祖父とエマが一緒に暮らすこと。そこでまずは素性を隠し、エマは祖父に近づくことにした。首尾よくアシスタントとして採用され、祖父の家に向かうと、エマを出迎えたのは祖父の腹心のコンラッドという男性だった。人目を引かずにはおかないほどハンサムで魅力的。だが傲慢で見るからに遊び人の彼に、エマは一目で反発を覚えた。何も知らない祖父はエマを気に入り、徐々に心を開いてくれるが、ある日、持病が悪化して倒れる。コンラッドは祖父の体を案じ、エマにあるとんでもない計画を持ちかけた。
  • 水都の夜に
    5.0
    故あってイタリアで暮らすセシリーは怒りを覚えた。十七歳の継娘がイギリス人子爵に騙されていると聞かされたのだ。ふたりを引き離すために相手の館へ出かけたところ、そこにいたのは子爵のいとこにあたる公爵――ドメニコだった。彼もセシリーと同じ目的でヴェネツィアから戻ってきたという。ふたりをけしかけたとドメニコに疑われ、彼女はさらに憤慨する。その夜、音楽会で再会したセシリーに彼は意味ありげに言った。「明日あなたの館を訪ねる。お互いをよく知り合うために」あのふたりのことを話し合いに来るだけなのに、彼はどうしてわたしに気があるふりをするのかしら……。★英国摂政期(リージエンシー)のロマンスを得意とする作家アン・エリザベス・クリーが本作で日本デビューを飾ります。情熱の地イタリアを舞台に繰り広げられる上流階級の優雅な物語をお楽しみください。★
  • 旅立ちは風のように
    -
    「妹の純潔を奪ったからには、責任をとって結婚してもらおう」身分を偽ってメキシコ国境に潜入し、麻薬捜査をするコーディは、友人アルフォンソ・ラミレスの激しい口調におののいた。アルフォンソにはひどく可愛がっている20歳の妹がいる。そのカリーナがコーディの命が狙われていると偶然にも知り、夜中に知らせに来てくれたのを、アルフォンソが誤解したのだ。実際は指一本触れるどころか、敵に襲撃されて窮地にいたのに。世間知らずで純真無垢なカリーナはとても美しい娘だが、正体すら明かせないこの僕が、結婚などできるわけないだろう!
  • 男装のレディと秘密の恋
    -
    男装をして強がってみせたところで、きみはもう、大人の女性だ……。 今しがた求婚者を得意の剣術で負かしたレディ・ニコラは、次に手合わせを願い出てきた相手に驚いた――ファーガス!初めてファーガスと会ったのは、ニコラが11歳のとき。親が決めた許婚である年上の美少年の彼に憧れていたのに、彼は垢抜けない彼女に見向きもせず、幼い恋心を踏みにじったのだった。12年ぶりの再会。いかにも尊大なファーガスはたくましく、輪郭もシャープになり、片耳に耳飾りをして野性味にあふれている。余裕でニコラを負かした彼はしかし、誤って彼女の胸を傷つけてしまう。すると、すかさず彼女を抱き上げてベッドまで運び、宣言した!「傷も含め、何もかもすべて、きみはぼくのものとなる」 ■かつて純粋な想いを傷つけられたニコラは、ファーガスとは結婚しないと心に決めていました。一方、美しく成長したニコラを目にしたとたん、ファーガスは絶対に彼女と結婚することを心に誓うのでした。大きくすれ違う二人の思惑。さて、この恋の行方は何処へ?
  • 囚われた貴婦人
    -
    夜の闇のなか、馬車が急停止した。強盗に襲われたのだろうか?だが御者を脅す男の声を聞いて、リリスは賊の正体を悟った。パース伯爵。10年前に深く愛し合いながら結ばれなかった相手だ。当時は彼を捨て、別の人と結婚せざるをえない事情があった。夫の喪がちょうど明けたこのときに、彼がまた現れるなんて……。彼は昔から悪党だった。そしてそれが最大の魅力だった。今、馬上の伯爵は冷酷さをたたえ、復讐の念をみなぎらせている。「もう逃げられないぞ。わたしがきみに飽きるまで」彼はリリスを乱暴に抱えあげると、そのまま彼女を誘拐した。
  • 夏の夜の悪夢
    3.0
    フェリースは義父が新たに造った別荘の様子を見るため、都会を離れて郊外にやってきた。別荘の工事を仕切る建築家サー・レオンは傲慢な人物だというが、私は、一人でここでの夏を存分に楽しみたいだけだ。その夜、不審な男を見つけて追いかけたフェリースは、逆に相手に組み敷かれ、もみ合ううちに思わずキスをかわしてしまう。見ず知らずの人だけれど、こんなすてきなキスは生まれて初めて……。うっとりしたものの、正気に返ってその場を逃げ出した彼女は、翌朝、部屋に現れたサー・レオンを見て思わず息をのんだ。もう二度と会うことはないと思っていた昨夜の男性だわ!
  • 伯爵と一輪の花
    -
    愛しの伯爵の愛が欲しかった。たとえ儚い夢だとしても……。 二十歳のバーナデットは今、野心家の父の道具になろうとしていた。上流志向の父は金に物言わせ、娘を没落貴族に嫁がせようと躍起なのだ。喘息持ちで体の弱い私が相手方に歓迎されるはずがないし、好きでもない人と生涯をともにするなんて、つらすぎる……。そんな窮地に陥ったバーナデットに突如結婚を申し出たのは、10年来の隣人であるスペインの伯爵エデュアルドだった。冷酷で悪名高い、16歳年上の彼とは会えば喧嘩する仲だけれど、本当は、彼を目にするだけで胸の高鳴りが止まらないほど好きなのだ。思いがけない求婚に舞いあがったバーナデットだったが、同時にエデュアルドは、うぶな彼女の心をかき乱す不埒な言葉を吐いた。「ぼくにとって愛とは、結婚指輪より、寝室にかかわることだ」 ■少女の頃からエデュアルドに恋い焦がれてきたバーナデット。彼の申し出は愛なき求婚といえども、思いがけない幸運でした。彼女はけなげにも、“彼は私を愛していないと言うけれど、私の愛だけでたっぷり二人分はある”と心に思い、彼の花嫁になりますが……。
  • 春を待つ騎士
    4.5
    ■長い冬のあいだ春を待ち続けた今、きみを可憐な桜草で飾ろう■十四世紀なかばのイングランド――二年前に老齢の領主であった夫を亡くしたアレッタは、忠実な使用人たちの協力のもと、女手一つで荘園を管理していた。十五歳で嫁いで以来七年間、暴虐な夫から虐待を受けた彼女にとって、大変ではあっても、夢のように平和な日々といえた。その平安を打ち破るかのように、春の嵐が巻き起こる。長く不在だったという隣の荘園の領主、ジェロントが帰ってきたのだ。彼は初めて顔を合わせた瞬間から、アレッタを嘲り、挑発した。最初はアレッタの土地に、次いで荘園邸にも侵入し、彼女の心の中にまで横暴に踏み込んでくる。ジェロントがささいな弱みを突いて偽りの婚約を迫ってきたとき、アレッタは動揺を隠すことができなかった。わたしが過去の結婚に感じていた恐怖は、彼にはわからない。なぜ、ほうっておいてくれないの!
  • 反抗的な花嫁
    -
    アイルランドの母の領地を訪れたレイヴンスフォード伯爵は、屋敷の誰かが盗みを企てているのを図書室で偶然耳にした。聞き覚えはないが、女のほうのかすれ声はひどく興味をそそる。猫が喉を鳴らすようなあの声音で誘惑されてみたいものだ……。一瞬あらぬ想像をした自分を戒め、声を頼りに女の正体を探ると、母の新しい話し相手、メアリー・マーガレットだとわかった。いっぱしのマナーを身につけているが、しょせんは身分の低い者。ふしだらに違いないあの女を、しっかり見張るべきではないか?使いでロンドンへ行くという彼女に、伯爵は同行することにした。
  • ハーレクインコミックス セット 2024年 vol.143
    完結
    -
    毎月厳選したタイトルをまとめてお得にお楽しみいただけるハーレクインコミックスのセットです。「誘惑者」「若き乙女の婚礼」「ウエディングに憧れて」「大人の問題」の4話をまとめて収録。
  • 薔薇の冠
    3.0
    ★修道院育ちのジネヴラは破産寸前の実家へ連れ戻された夜、若き領主に求婚された。運命は、世間知らずの彼女が想像もつかない方向へ動き出していた…。★十四世紀、ヨーロッパがペストや飢饉、戦争に苦しんでいたころ、イングランド王国のヨーク近隣にある、とある修道院では、預けられた多くの少女が清らかな毎日を送っていた。ジネヴラも、五歳のときから十二年間そこにいる。しかし、平和な日々はふいに終わりを告げた。身なりの立派な男性客を見かけたその日、院長から、ここを出て家に帰るようにと言われたのだ。やむなく兄の家に身を寄せてほどなく、その男性が訪ねてきた。彼は領主で、ジネヴラを妻に望んでいるという。横柄で失礼な人。だが領主の所望を拒むことは許されない。

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  • 秘密の恋
    3.0
    貴族の令嬢ニコラは、父の遺した別邸で自由を謳歌していた。求婚者にフェンシングを挑んでは負かすじゃじゃ馬ぶりだ。その日、十数年ぶりに突然現れ勝負を挑んできた男性にニコラはまったく歯が立たず、あっさり敗北した。ファーガス・メルローズ――彼とは浅からぬ因縁があった。互いの父親同士が、二人を将来結婚させる約束をしていたのだ。歳月はファーガスを日に焼けた精悍な男性へと変えていた。でも、ニコラはファーガスとは結婚しないと心に誓った。昔、私を無視した彼を許せない。仕返ししてやりましょう。深紅のドレスに身を包み、応接室へ現れたニコラが微笑んだ瞬間、ファーガスの心は決まった。彼女を必ずぼくの妻にする!★男まさりだった少女が胸に秘めた一途な憧れ。十二年後、誰もが振り返る妖艶な乙女に成長した彼女に婚約を迫ったのは、ほかならぬその初恋の男性でしたが……。ランドンの大胆なプロットと丁寧な心理描写は最後まで飽きさせません。★
  • 復讐を誓う花嫁
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    10歳の誕生日、生け贄を強いられたレイモンドは、命令した兄に対して殺意を抱く。あれから20年たった今も、兄への反逆心は日に日に強くなるばかりだった。そんな折、ウェールズのモーガン卿が協定を結ぶ交換条件として、娘と領地を提供すると言ってきた。兄に反旗を翻すならば、モーガン卿の戦力は心強い。レイモンドは協定を受け入れた。その娘がかつて戦で親友を殺されたことで、イングランドの騎士に強い復讐の念を抱いていることも知らずに。■12世紀のイングランドとウェールズの国境地帯で、心に傷を負った騎士と花嫁は情熱的な愛を誓い合い、育みます。
  • 富豪伯爵に解かれた封印
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    君はなぜ、隠していたんだ?これほどまでに美しいことを。 英国屈指の富豪で有力者でもあるボウリュー伯爵は、弟が田舎で銃の暴発事故に遭って瀕死と聞き、急いで駆けつけた。見ると、ベッドに力なく横たわる弟のそばに、不格好な茶色のドレスに頭巾といういでたちの老婆がいた。なんでも、この村に暮らしている薬草医だという。今は夜で、目深にかぶった頭巾の陰になって顔がよく見えないが、こんな老婆にだいじな弟の命をまかせられるものか!苛立ちを募らせるボウリュー伯爵はしかし、朝の訪れとともに、思いがけない光景を目にした――陽の光を浴びた“老婆”は、なんと若く美しい知性に富んだ顔の淑女だったのだ! ■ヒロイン、ローラが身をやつして、ひっそりと暮らしているのは、以前の不幸せな人生から逃げ出してきたからでした。それを誰にも知られないようにしてきたのに、“謎解き名人”としても知られるヒーローは、何やら秘密を抱えている様子の彼女に興味深々で……。【旧タイトル:解かれた封印】
  • 放蕩貴族と未練の乙女
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    かつて愛の道標だった彼が今、わたしを愛の迷い子にする―― 19人目の求婚者を断り、ポリーは憂鬱な気分に沈んでいた。 5年前、社交界で注目の的だったヘンリー卿に熱烈に求愛され、彼女自身も魅力的な彼への想いに胸を焦がしていた。 しかし放蕩者で通る彼は、ポリーの親からすれば“要注意人物”。 まだ若すぎた彼女は親の言いなりで逆らうこともできず、ヘンリー卿からの駆け落ちの誘いを泣く泣く拒んだのだった。 あのとき、もしも彼の胸に飛び込む勇気があったら……。 その後のヘンリー卿はといえば、さらに放蕩に拍車がかかった様子だ。 ある夜、舞踏会で誤って飲酒したポリーは酔った勢いのままにヘンリー卿との過去を清算しようとして、逆に彼にキスされてしまう! ■リージェンシーの旗手ニコラ・コーニックが19世紀初頭のロンドン社交界を生き生きと描いた名作をお贈りします。悪名高き貴族ヘンリー卿への恋心は色褪せることなく、ポリーは心密かに未練を募らせてきました。彼の不意のキスの意味とは?
  • 放蕩貴族の愛人
    3.0
    二年前、アメリーは二十二歳の若さで未亡人となった。人々の心ない中傷から逃れたくてリッチモンドに越してきて早々、訪れた高級宝飾店で、ハンサムな兄弟に声をかけられる。地元では有名な放蕩貴族、エリオット卿とレイン卿だった。もう誘惑されるのはこりごりなのに……。数日後、亡父の賭博仲間が金を無心しに屋敷に現れた。困惑した彼女はとっさに嘘をついた。エリオット卿と婚約した、と。タイミングよくエリオット卿本人が現れ、窮地を救われたものの、彼は突然アメリーを抱きしめキスをする。そしてこう言ったのだ。「わたしが個人的に教えてさしあげましょうか?」亡き夫にキスもされたことがないと、見透かされてしまった?★誰もが思わず振り返る優美な若き未亡人、アメリー。その謎めいた境遇に放蕩貴族のエリオット卿も興味を引かれ……。★
  • 許されなかった二人
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    キリアは物心ついたころから、人里離れた場所に暮らしてきた。人の心を読む特殊な能力を、誰にも知られたくなかったからだ。だがあるとき、深く危険な湖を越えて侵入してきた男性を見て驚いた。子供のころから何度も夢で会っていた男性――私の運命の人だわ!その男性グラントは、キリアの能力が必要な事態に陥っていると言い、二人は、彼の国までの旅路をともにすることになる。もう二度と故郷の土を踏めないかもしれないけれど、グラントと一緒にいられるのならかまわない。キリアは胸をはずませ、意気揚々と出発するが、なぜかグラントの顔に浮かぶ暗い表情が気にかかってしかたなかった。◆美しき三姉妹それぞれの恋模様を描くルース・ランガンのラブストーリーをお届けいたします。憧れの男性との旅に出発したキリア。その先には何が待っているのでしょうか?◆
  • 容疑者
    3.0
    愛する夫が謎の凶弾に倒れ、何もかも完璧だったスペンサーの人生は狂い始めた。一向に進まない警察の捜査に業を煮やし、自ら事件の解明に乗り出した彼女に次々と魔の手が襲いかかる。もう誰も信じられない。猜疑心に苛まれる彼女を支えたのは、私立探偵デイヴィッド―かつて熱烈に愛し合った元恋人だった。危険な捜査が最後の容疑者をあぶり出したとき、二人の命運は既に尽きかけていた…。ベストセラー作家の筆が冴えるノンストップ・サスペンス。
  • レディ・アニカの謎
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    伯爵の血筋を引くアニカは、ロンドンの社交界でもとびきりの変わり者として知られていた。その美貌と知性は輝くばかりだというのに、どんな男性も彼女に指一本触れることはできない。ひと目でアニカに惹かれた貴族のトリスタンは、口実を設けて彼女に接近した。自立心旺盛なアニカは決して意のままにならないが、そんな彼女に、トリスタンは尊敬の気持ちすら抱く。だがアニカを知るにつれ、トリスタンは驚きを隠せなかった。わが妻にと望んだ女性が途方もない企てにかかわっていたとは!
  • 若き乙女の婚礼
    完結
    4.2
    「愛など必要ない。私の息子を産めば真犯人を捕まえてやろう」冷淡な領主ユーアンの提案を、若く無力なオリアンは受け入れるしかなかった。断れば叔父殺しの濡れ衣を着せられて、処刑されてしまうかもしれないのだ。しかし愛する人との結婚を夢みていた彼女は、せめて初めての相手は自分で選びたいと、ユーアンの友人に情事を請う。欲望は果たされても枯れることはなく、禁断の逢瀬を重ねてしまうオリアン。そこに領主の密かな罠が仕掛けられていると知らずに…。
  • 若き乙女の婚礼
    4.0
    愛なき“救世主”にめとられ、若き花嫁は冷たい情熱に震えた。 オリアンは18歳にして叔父から金細工の店を任されているしっかり者。けれども今、窮地に陥っていた――店にあったはずの貴重品が消え、帳簿の数字が何者かの手で書き換えられてしまったのだ。しかも、従兄がオリアンの仕業だと声高に訴えはじめた。かわいがってくれた叔父はならず者に襲われてこの世を去り、彼女をかばう者は誰もいないと思われたが、たった一人だけ、領主のサー・ユーアンが救いの手を差し伸べた。彼はオリアンを妻にする代わりに、従兄を黙らせると約束した。でも、これははたして救いなの? 彼は唇を奪い、こう言い放ったのだ。「両親が望んでいる孫を産んでくれれば、きみの愛など必要ない」 ■ひたむきな乙女を妻に迎えたいと言いながらも、そこに愛は介在しない、と冷淡な態度をとるユーアン。一度は女子修道院に逃げこむオリアンですが、ふたたび領主館に連れ戻されてしまいます。若妻が初夜に怯えている気配を察知した夫がとった行動とは――!
  • 私という名の他人
    3.0
    リーはわびしく、孤独で、不安だった。大けがをして記憶を失い、自宅の屋敷に連れてこられたものの、使用人は皆よそよそしく、夫ポールの目は憎しみに満ちている。だが、リーが以前の残酷な性格からは想像もつかないほど優しくなったことに、やがて周囲は気づき始める。ポールにも再び愛されるようになっていくリーだったが、ついにすべての記憶が戻ったとき、恐ろしい事実に愕然とする。記憶を失う前の私は、離婚を切り出したポールを憎むあまり彼に殺し屋を差し向けていたのだ……。

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