Bonzoさんのレビュー一覧

いや、面白い

応仁の乱から足利幕府の衰退、そして戦国時代へ至る日本全国、とりわけ近畿や関東・東海の情勢は、将軍家、三管家、鎌倉・堀越・古河の公方家、さらに周辺の領地をもつ豪族が複雑に絡み過ぎて、ハッキリ言って分かりにくいのでずっと敬遠していたが、新九郎（早雲）の視点で描くこの作品は、まるで見てきたかのような展開の面白さで、まさに作者の真骨頂である。
各キャラクター、とりわけ主人公周辺の人物たちのボケとツッコミは勿論、現代人に分かりやすいテンポで進み、みなもと太郎氏「風雲児たち」のように歴史が大好きになる可能性大の秀作だ。

手塚漫画の真髄である代表作

様々な時代における人類の利己的事情と何度も繰り返される愚行を題材に、非常に人間くさい多くの登場人物を通して描かれる、人類普遍の壮大なテーマ「生とは死とは？」。
歴史好きで圧倒的な画力をもつ医学博士ならではの切り口、展開、構成、演出は見事という他はない。
人類は愚かで虚しい歴史を再び繰り返さないためにも、この「火の鳥」、そして「ブッダ」「アドルフに告ぐ」は必ず熟読しなければならないのだ。

いや面白い

こういう歴史物の「たられば」シミュレーション物語はいくつかあるが、有名過ぎるもの以外の戦国大名も、それぞれの侍大将達もいっぱい出て来るし、女性達も含めてそれぞれキャラも立っているし、この作品は戦国時代マニアでなくても面白く読めるはずだ。
様々な立ち位置にいる大名達の戦略・戦術から農業や武器兵器、文化習慣、生態系に至るまで幅広く調べ上げた原作が非常に良い。
次刊が待ち遠しくてしようがない作品の一つ。

次が気になる展開

数あるタイムスリップ系歴史物の中で一番面白いかも。
主人公の影響でその後の歴史が変わってしまうのは仕方がないけど、
それはそれで見てみたい。戦国時代は特に好きなので期待が大きい。
主人公だけでなく、信長や濃姫などもいいキャラ立ってます。
あんまり有名じゃない武将なんかも出てくるし、歴史や農業の勉強にもなる。
どこまで行くのか分かりませんが、天下を動かした陰の女性として
ぜひ西暦１６００年くらいまで描いて欲しい。（ムリかぁ！）

一線を越えてしまった中学生たち

やるせない……実に居た堪れない。
人間の闇、家族の闇のオンパレードだったし、そんな登場人物たちが集まれば、目を背けたくなる凄惨な展開は避けられない。
どこかで見たような流れもあったが、それらを一つ一つ丁寧に心情描写させ、彼らの行動や情景を伴って収束させたのは、作者の冷静で俯瞰的な構成力が物語を支えていたからだと感じた。(最後のボーガンでの逆襲はやや都合良過ぎの感あり)
それにしても、よくぞここまで描写できましたねー。

ヘタレ男とヤンキー娘

面白かった。何ていう事ない日常的なストーリーだが、社会人になったサトシとチーコがどうなって行くのか？
紆余曲折があって、いつも不安定な二人（ってかサトシ）から目が離せない。
何かその場に一緒にいるような絵柄がとても良い。

システムコンポと洋楽の毎日

作者さんはほぼ同世代(私がちょい上か)のようで、1ページ1ページに懐かしさを感じながら読んでいました。
タイムスリップ型のストーリーは、映画でも小説・こういう漫画はラストがイマイチ(死語！)なものが多い中、現在に戻ってからラストへ至る過程がとても丁寧に描かれていて、深く、切ないような嬉しいような、どちらかと言えばいい気分で感慨深く読み終える事ができました。冴えない父親の視点が共感を呼びます。
私は断然小沢さつき派ですが、現実的にはやっぱ司幸子になっちまうんだろうな……って、勝手に頷いてしまいました。(笑)
久々にいい漫画に出会えました。ありがとう。