【感想・ネタバレ】海が走るエンドロール 7のレビュー

あらすじ

海の映画が映画祭のグランプリに選ばれ、その結果にショックを受けるうみ子。さらに海の映画がカナダで上映されることになり、うみ子もカナダへ誘われたが……!? 「このマンガがすごい!2023」オンナ編6位、「マンガ大賞2022」9位、手塚治虫文化賞マンガ大賞ノミネート、NHKほかTVなどでも紹介された超話題作の最新刊。

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夫と死別したうみ子。
ぽっかり空いた心を持て余す日々を過ごしていましたが、ある日訪れた映画館で映像専攻の美大生・海(カイ)と運命的な出会いをします。
海から「映画を作りたい側の人間ではないのか」と言われ、ハっとするうみ子。
更に、興味本位で訪れた美大のオープンキャンパスで海の映像作品を見たことで、制作意欲が沸き上がります。
戸惑いながらも新しい一歩を踏み出したうみ子の先に待ち受けているものとは…。

誰しも新しい環境に踏み出すには勇気がいります。
若気の至りで踏み出せることもあるかもしれませんが、年齢を重ねれば重ねるほど多角的に物事を考えリスクを回避したくなり、踏み出すことを躊躇してしまう人も多くなるのではないでしょうか。
それなのに65歳を過ぎ美大生になったうみ子の行動力は、読む人に勇気を与えてくれます。

作中のセリフで
「作る人と作らない人の境界線てなんだろう
船を出すかどうか…だと思う
その船が最初からクルーザーの人もイカダの人もいて
誰でも船は出せる」
というのがあります。

作中、タイミングが訪れた表現として、うみ子の足元に波が押し寄せる描写があるのですが、“船を出す”というセリフに結び付く重要なキーとなっています。
瞬間的意欲というのは誰しも感じることがありますが、そこから先に進むかどうかはとても難しい。
セリフの通り船を出せる状況でも、天候が悪いから、海図が読めないから、船の性能に不安があるから…など、色々な理由をつくりがち。
それでも漕ぎ出しさえすれば海に出ることができるのだと、うみ子さんが体現してくれています。
どのタイミングで波が現れるのか、是非注目してください。

また、晴れて大学生となったうみ子ですが、若者からの悪意ない高齢者扱いに気が引けてしまい自信を持つことができません。
うみ子は、映画を撮ろうとする姿勢を学生から「老後の趣味の自由時間」と言われてしまい、モヤりつつもついつい自分のことを茶化してしまいます。
ですがその後、海との会話で何気ない一言が取り返せない後悔になることを思い出すのです。
真剣に取り組むのが何故か気恥ずかしくなり、自分を茶化してしまうことは年齢を問わずあるのではないでしょうか。
そういった少しずつ摩耗していく日常にうみ子はどう立ち向かっていくのか、うみ子がどういった映画を撮るのか…続きが楽しみです!

うみ子を見ていると、自分もまだ何かできるような気になります。
新しい環境に踏み出す勇気をくれる作品です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

みんなの前で嫉妬していると言えるのも、
電話に出ないのは違うと思ってちゃんと出るのも偉い。
ちょっと言い直していいですか、とどうですかから楽しそうだと思ってに言い換える海くんも良い。
流されてるだけ、といううみ子さんに
その流れに乗ろうって決めたのはお母さんでしょ
という娘さんの言葉もとても温かい。

大きな波に身を任せるなら削れるものがある
ははっとさせられる言葉だ。

主演女優なのだからおまけだなんて思わなくて良いのにな。
エンドロールが流れるとグラデーションのように現実に帰してくれるという表現が素敵だ。
気持ちを持ち直して海くんを撮ったり
映画を撮ろうと思ってくれて良かった。

波がどんどん伝わっていくのもわかるし、
うみ子さんは大波とクラスメイトが言ってくれるのも可愛い。

病院からの着信が不安になる。

0
2024年12月12日

ネタバレ 購入済み

落ち込んだうみ子さん

コンペティションでは落選、海はグランプリ

落ち込んだ時はどうするのか?
うみ子さんは落ち込んだまま、それでも動き出しました。海に誘われ、カナダの映画祭に同行します。
毎回、うみ子さんには驚かされます。
もちろん作者が動かしているわけですが。

同行先のカナダでも色々ありますが、だんだん落ち込みから回復していきます。

やっぱ、落ち込んでも動き回らんとなー

巻末の2編の短編には、うみ子さんを取り巻くキャラクターたちのあんな話とこんな話が掲載されています

こういう細かい設定が、登場人物たちの動きに厚みが出て面白いドラマになっていくのだなー

でも読んでいる間は、そんなこと考えずにこのドラマにどっぷりはまっているのですが

#カッコいい #タメになる #憧れる

0
2024年11月24日

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