あらすじ
『女中』。かつては日本女性の一大職業であり、日常の中にその姿はありました。これは、そんな女中さん達が活躍した昭和初期を舞台に14歳の女の子・野中ハナが、翻訳家の蓮見令子の女中として働く日々を描いた物語。
感情タグBEST3
匿名
ほのぼの&勉強になる
全体的なストーリーは大正時代の女主人(後家さん?)とちっちゃな女中さんの日常を扱ったほのぼのストーリーでホッとする感じ。各章ごとに作中で描写された大正期独特のあれこれを解説したコラムが有って勉強になります。
なんて可愛い女中さん。前にいた屋敷の主人や先輩の女中達も優しくて良かった。令子先生も優しいし、ハナはまだ幸せだ。意地悪な人間もいるから。
ハナが瓦斯をいたく気にいっている様子が可愛い。
いいですなぁ
―なんかいい。
なぜか小学生の時の友だちに(14才の中学でなく)きっと似てる子がいるような気がしてきます。
登場人物が極端に少ないのにちっとも飽きません。台詞がなくて動作だけでコマが進むところも暮らしの丁寧さが伝わるようでいいですね。
日常系
昭和初期とか大正レトロとかの時代物が好きです。ドンピシャです。今から考えると不便極まりないのですがこれが日常。淡々としているようでほのぼのとした雰囲気が大好きなので当てはまる人にはヒットだと思います。まだ一巻なのでこれから人物像とか背景とか明らかにされていくんだろうなと楽しみです。
Posted by ブクログ
かつて貧しさが当たり前だった時代。住み込みで奉公先の家事一般を受け持つ「女中」は女性の仕事として一般的で、少しゆとりのある家庭なら普通に女中を置いていたものでした。
これは、そんな時代に健気に生きた「ちいさな女中さん」の物語です。
シリーズ1作目。第1話〜第6話を収録。
◇
時は昭和9年、季節は初夏を迎えた頃のことでした。
蓮見令子はその日も朝から書斎にこもって執筆に追われています。南中にあった日が傾き始めた頃、原稿の完成にもようやく目処が立ちました。時間を見ると3時前です。
ひと息ついた令子は、そう言えば今日は女中さんが新しく来るのだったと思い出しました。
ひとり暮らしの令子は、翻訳の仕事が忙しくて家事にまでなかなか手が回りません。そこで山梨に住む叔父に頼んで、信頼できる女中さんを1人寄こしてもらうことにしたのでした。その女中さんは夕方頃に訪ねてくるはずです。
とにかく編集者が原稿を取りに来る3時半までに書き上げてしまおうと令子がペンを走らせていたところ、玄関の扉を叩く音がします。時計を見ると3時です。編集さんかと思って出てみると、衣装行李を背負った少女が立っていました。
用件を尋ねると、今日から女中としてお世話になる野中ハナと申しますと言うではありませんか。
叔父からの手紙によると、来ることになっている女中は佐竹フヨという22歳の娘のはずですが、目の前に立っているのはどう見てもまだ子どもです。
そのことを聞いてみると、理由あって自分が来ることに相成りました、それにつきましては改めて紹介状が届いていると存じますがと少女は言います。
ハッと気づいた令子が郵便受けを確認すると、かなりの郵便物が溜まっています。忙しさにかまけて郵便受けを見るのを忘れていたのでした。その中に叔父からの手紙があり、佐竹フヨに代えて野中ハナという14歳の娘をそちらに遣ることにしたと書かれています。
まもなく3時半です。とりあえずハナを応接間で待たせることにして、令子は急ぎ書斎に戻ったのでした。 ( 第1話「ちいさな女中さん」)
* * * * *
主人公のハナと令子の他、主要人物が何人か登場しますが、そのプロフィールはまだ明かされていません。
なのに、それをじれったくも不満にも感じることなく読み進めることができる。そんな空気感が本作にはあります。
例えば、ハナは幼い時分に両親を亡くし、親類に引き取られて育ちます。けれど10歳で女中奉公に出されて現在に至るということしかわかりません。付け加えるなら、その奉公先が令子の叔父宅であり、当初令子のもとにくるはずだったフヨもそこに住み込みで働いているようです。
令子は翻訳家として自立しており、さらに上品かつ思慮深いという、この時代の女性としてはかなり上流の出身であり、リベラルな知識階級であることがわかることと、結婚まもなく夫を亡くしていて、その傷心から完全には立ち直っていないことが終盤にほのめかされるぐらいです。
他には甲府で暮らす令子の叔父や奉公人のフヨたちが少しばかり登場しますが、令子やハナの事情をチラ見せする役割を担っているようです。
また、令子の事情をよく知ったうえで令子を気遣う役割で登場するのが、カフェ・ミチクサを1人で切り盛りするみっちゃんという女性です。
彼女は、令子とハナというそれぞれの「孤独」を抱える2人が、ともに暮らすことによって変わっていくさまを読者にそれとなく語ってくれるようです。
そんな事情が少しずつ明かされていく緩やかな展開なのですが、昭和初期のゆったりした時間が流れる時代によくマッチしていて、却って心地よさを感じます。
それから、物語6話中、ハナと令子の心の交流以外で印象に残ったのは、第3話「台所譚」と第5話「着物話」です。
「台所譚」では、当時としては先進的な調理器具だった瓦斯コンロが登場します。爆発するのでは ⁉とガスを恐れてしまうハナの気持ちが伝わってくるようで、微笑ましく思いました。
「着物話」は、令子から着なくなった着物をもらったハナが自分に合うように仕立て直す話なのですが、丁寧に手際よく洗い張りするシーンの描写がとても美しく、清々しい気持ちになりました。
* * * * *
以前から気になっていた作品でしたので、思いきって購入することにしました。
セリフはそれほど多くなく、絵で惹きつけるタイプのマンガです。読後、買ってよかったと思いました。さっそく続巻も買うつもりです。
かわいい!
タイトルの通り、14歳の小さなかわいい女中さんが独り暮らしの童話作家の女性のところで働き始めるお話です。
ストーリーも勿論いよいのですが、なんせ絵がきれいで、昭和初期の暮らしまで丁寧に描かれていて、そのことにも心惹かれます。
今は、雇い主の女性と小さな女中さんの日常が話の中心ですが、この先、雇い主の女性の過去や、女中さんの元居たおうちのエピソードなんかもあるのかな?
楽しみです。
14歳で女中さんとして働きに出るなんて昭和初期の頃は当たり前だったのかな?当時の人々の暮らしが知れて大変興味深かった。しかし、旦那さんというか、女主人さんがとてつもなくいい人。ほっこりくる
絵がとても綺麗で読みやすかった。ご飯や裁縫のシーンがとても丁寧でセリフはなくとも細かな作業の描写がありとても魅入りました。わかりにくい表情の中で可愛い姿が垣間見得て楽しい。
Posted by ブクログ
優しい空気感の漫画です。
書き込みが丁寧な絵柄に、昭和初期の日常を描くストーリー。
とても好みです。
ストーリーに大きな波は無いんですが、だからこそ穏やかに読めていいです。
Posted by ブクログ
絵柄があまり好みではないものの、話が日常生活もので好みのようだったので、何度か迷った末、手にしました。執筆家の女性が、親戚の紹介で雇った女中さんが14歳の若さ。仕事はしっかりできるが、新しい下着やガスコンロなど、新しいものはよく知らなかったり、と、日常の出来事を描いていきます。
女中さんが、どうやら執筆家の女性の作品のファンらしく、自分からこの仕事に名乗りを上げたらしいことが端々に描かれています。続きが楽しみ。
Posted by ブクログ
最近流行りの、今ではない時代や国のことをきちんと描くシリーズ(こちらは日本ですが)。
しかし、こういう本は読んでて気持ちが良い。
決して目新しくない設定、キャラの間柄、距離感。
けれども丁寧に描かれている漫画は、やはり読んでいて気持ちが良い。
続きも買います。
うーん
森薫さんの「シャーリー」の日本版という感じ…
なんとなくこういうのってダサいなぁと思ってしまう…
あまりにも安直すぎるというか。
話も浅いし。