あらすじ
築七十年の古民家〈月光荘〉で住みこみの管理人となって数ヶ月。家の声が聞こえる大学院生・遠野守人は、月光荘の声に包まれて、穏やかな日々を過ごしている。知り合いや馴染みの店もでき、川越の町にも慣れてきた。そんなある日、お気に入りの古書店「浮草」の店主が入院中だと知る。バイトの女子大生・安西は店主から、自分が逝ったあともここで働いてほしいと言われているといい……。川越の町で、人と人とが結びついていく。何かと何かが繋がっていく。やさしさと温かさが心に沁みる、シリーズ第二作。
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Posted by ブクログ
物にも魂が宿る、というのは日本人らしい考えなのかな?家が話すというのは面白い
シリーズ二作目と知らず本作から読んでしまったので、一作目も読んでみようかな。そして三日月堂のスピンオフでもあるらしい!
次の一節が印象に残った
“冬の語源は「増ゆ」という説。
目には見えないけど、土のなかで生きものが増える時期、春になってその命が芽を出す。”
Posted by ブクログ
家の声が聞こえ主人公の話第2弾。
歌を覚えて歌っていた家が、言葉を覚えて会話が成立しだしていてびっくり。
正月にほかの家たちと人間の姿で会って話すということは、付喪神みたいなものなのかな。
家が喋ってくれたら一人暮らしでもさみしくないなぁ。
主人公は馴染んできていて孤独じゃなくなってほんとによかった。
あと、切り紙したくなりますね。
Posted by ブクログ
活版印刷の登場人物がたくさん出てきた。
ちょっと混乱したけど物語がより深くなった。
切り絵は楽しそう。
建物の声から会話に進化(?)したけど、
ファンタジーと思えばそんな感じもありかもとは思うが、ん~~~ビミョー。
Posted by ブクログ
菓子屋横丁 月光荘シリーズ2作目
川越の古民家で地図資料館を任された 大学院生の遠野守人
彼は(家の声が聞こえる)不思議な力を持っていた。
2作目となる今作品
登場する家は・古書を扱う浮草・和紙を扱う紙屋・昔は2軒並んでいた古民家
それぞれの家にはそれぞれの家族の歴史があり、そこで生業をする人々の記憶が刻まれている。そして 家にもそれぞれの想いがあった。
明治から昭和にかけての家や店 街の繁栄や衰退 川越らしい情緒があいまって
読者も登場人物たちと一緒に 街を歩き、歴史を学び、それぞれの家の想いに触れていく。
また
主人公 遠野の周囲の人々がとても優しいので、心がざらつくことなく 読み進められる。
日本人の(様々な自然万物のもの 現象にも神が宿る)という考え方
いいですよね。
Posted by ブクログ
『活版印刷三日月堂 雲の日記帳』を読んでそれほど日が経っていなかったので、「浮草の灯」が沁みた。
昔、両親がどこかに旅行した際に購入した和ろうそくが実家で飾られていて、とても綺麗な柄だったのを思い出した。これを読んで、私も欲しくなった。
「オイテカナイデ」という家の声が心痛い。だが、その後の展開に安堵。
「家」がお正月に人になって集まるという不思議。
ファンタジー色が強くなるも、違和感がなくなり、面白くなってきた。