あらすじ
――潰しましょう、あなたのためならいくらでも。
亡き母が平民だったために、王女でありながら父や乳母たちから虐げられているブランシュ。
けれど、乳母の息子で侯爵家の嫡男アルマンだけは、いつもブランシュを助けてくれていた。
優しい彼に恋心を抱くブランシュだったが、乳母が火事で亡くなったすぐ後に、
アルマンはその死を悼む様子もなく、突然キスをしてきて……!?
真意がわからず混乱するブランシュをよそに、
アルマンは彼女をさらなる官能の深みへ堕とそうとするのだが……。
壊れた貴公子×薄幸の王女、凶悪な純愛に囚われて……。
【目次】
プロローグ
第一章 毒虫と花
第二章 花開く恋
第三章 祈り紐をなくした日
第四章 求め合う心
第五章 愛の時間
第六章 王女の目覚め
第七章 全てを赦した日
エピローグ
あとがき
感情タグBEST3
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胸にくるものがある
毒虫っていう独特な表現で、人の心の闇を表現されていて、読んでて胸がざわつきました。
誰しも根底に持っているドロドロした部分が絶妙。
もともとダークなヒーローが徐々に解放されていくのに対して、純真無垢なヒロインが徐々に毒が浸透していく様子は何とも言えないですね。
悪なんだけど、立場や状況では正義に見えたりするもんだから、胸が何とも言えない感じに落ち着かなかったです。でもでも、素敵な作品でした。
じわじわきてたものが、最後に普通なハッピーエンドだったんで、いいんだけど、なんか期待しすぎた感がありました。
全員狂っていて良い
通常の道徳観では、決して許されない話です。
ハッピーエンドとも言い切れないところも、暗い話なのだと思います。
けれども!ソーニャ文庫だからこそ!の歪んだ愛がとても美しく感じました。
作者様のあとがきにあったように、全員が狂っていて、壊れていて、なんともいえない背徳感にゾクゾクしながら、読むことができました。言い換えれば、どっぷり話にはまり、物語に引き込まれたように思います。ここまで、本の中に引っ張られるのも久しぶりでした。例えるなら、自分が物語の中にいるかのような、勝手に侍女の1人になって間近で主人公達を見ているかのような笑
ぜひ、現実から離れてどっぷり物語に浸りたいときに、おすすめな作品です。
確かに歪んでいるのかもしれない。
でも…そうせざるを得なかったヒーローの行動も、共に堕ちる事を望んだヒロインも、間違っているとは決して思わない。
互いに囚われ合う関係性なら尚のこと。
毒虫が多すぎる。
それなのに穏やかで爽快感すら感じる結末に少し戸惑い、大いに安堵。
誰もが二面性を持つ。それでいい。
合う合わないがあるかも
重ためのソーニャを読みたかったので、ストーリーは面白かったですが、ヒロインの生まれた経緯や、乳母親子の貞操感、国王の性癖とかにはちょっと引いちゃいました。
でも悪役はきっちり退場させられるし、ヒロインも強くなって、女王として良い国に立て直していけそうなので、読後感は悪くなかったです。
イラストも作風に合っていて良かった。
贄姫
すごい。まともな人がひとりもいない。
みんな狂ってて、狂気が読者の精神を蝕んでくる…そんなお話でした。
ラストのヒーローのセリフが皮肉に満ちてて、一見幸せいっぱいのシーンなのにどこか薄ら寒くて。
堪能しました。
読み手を選ぶ
ソーニャらしいと言えばこの上なくソーニャらしい本です。
ですが、胸糞悪くて読後感が最悪です。元気な時に読んでも凹みそうな話。
ダーク面はさほど感じなかったかな。猟奇的でもないし。
ただ登場人物全員壊れてる......
読み返す気にはなれません。
挿し絵に★付けました。