期待の新人が放つ本格SFマンガ!
ぶ厚い雲に覆われ陽が差さなくなった遥か未来の地球。ほとんどの植物が枯れ、人類は「酸素不足」と「貧困」といった二つの問題に直面していた。そんな時、人類は「転花技術」という「人を植物に変える技術」に希望を見出した。この手術を受けた者は、約2年間の歳月をかけて徐々に植物へと変化していくが、その代わりに国から一千万円の補助金が下りる制度となっている。生きる希望も見いだせぬような世界で、主人公の神谷十四郎(かみやとうしろう)は、自ら転花技術を受けることを望むが…。
読めば緻密に作りこまれた世界観と設定に感銘を受けること間違いなしです!この作品では、「貧困」と「酸素不足」といった現実味のある問題を軸に、国民と国の対立がリアルに描かれております。また、そこに「転花技術」と呼ばれる非現実的かつ斬新な設定が上手く絡められており、読んでいて「本当に将来こんな世界になってしまうのではないか?」と感じるほどのリアリティのある内容となっております。
こちらの『フールナイト』、SF好きの方は是非ご一読ください!
感情タグBEST3
2巻まで読んでの感想。
先の見えない世界でなおも小さな光を頼りに生きる人々と世界観がマッチしていて面白い。
1巻はまだ世界設定を描写していくプロローグ的要素が強かったけれど、2巻でストーリー展開が定まってグッと面白くなってきたので、2巻まで読んでみてください。
厚い雲に覆われた世界で酸素が足りなくなって人を植物にして…。世界設定からダーク&シリアスな感じが好き。
命の重さと軽さがいろんな人物の視点でしっかり描かれているのがいい。
少しずつ謎が浮かんだり謎がとけたり、どうなるか先が気になりすぎてどんどん読んでしまう!
最近多い気がするポストアポカリプス系(壊滅的なダメージ受けた後の文明が舞台)。
ゆらぎのある線が独特で、お話と合っていて魅力的。
最初の数ページだけ見て絵柄が少し苦手に感じて積読状態だったが、ちゃんと読んだら何これ面白い。苦手な絵柄も味に思えるくらい気に入った。主人公の特殊能力と人間らしいいい加減さ優しさが、今後どのようにストーリー展開に絡むのか楽しみ。
Posted by ブクログ 2023年05月11日
太陽の無い絶望の世界、遠く無い未来に本当にありそうな話。絶望的な展開なのに引き込まれていく、止められない疾走感と上手さ。うううこんなに苦しいのに。。
Posted by ブクログ 2022年12月09日
分厚い雲に覆われ夜と冬しか無くなった世界で、人は人間を植物にする技術で作り出した酸素で生きている。
こんな壮絶な社会でも人間として生きるか、植物となり苦しみ捨てて新しい生を送るか…“転花”したけど肉体もまだ残ってる身体からはグロテスクな美を感じます。
ヤングケアラーな主人公は、大怪我とかによって転花...続きを読む技術を受けたところそんな花の声が聞けるようになりました。会話も?
1巻はそんなトーシローの最初の依頼。小さい頃受けたトラウマってずっと離れなれないんだよね…相手がいなくなっても。
「霊花は人の感情に敏感」、霊花になって初めて相手の想いに気付ける…なのが皮肉で哀しい。人のままだったら気付けなかったということだから。。植物になってからだと、気付いても遅いけど。
Posted by ブクログ 2022年09月11日
後々通俗的なリベラルに毒されていく
一巻は最後の、ピアニストが父をピアノにするといふ展開に驚いた。だから次巻以降も人情物として描けばよかったと思ふのだが、さうはならず、デモやら貧困やらが出てくると単純で通俗的なリベラルに陥ってしまった。
Posted by ブクログ 2021年11月06日
終末世界でもがく人々を描くマンガという感じ。主人公のトーシローも、生活苦の末に2年後植物化することになってるし、世間も冷たくて、絶望感漂っている…こういう雰囲気は好き。トーシローがかなりかわいそうで、やきもきするけども。
子供が親のエゴをぶつけられてる姿が悲しい。大人に対する抗議の話なのかな…抗議す...続きを読むる方も大人になってるんだけどね、子供は耐えることしかできないもんね。どういう話になっていくのか楽しみ。
空を雲が覆って植物が育たなくなるとか、人が植物になるとか、SFチックなんだけど、科学的整合性はあんまなくて、あくまで舞台設定かな…メインは人情的な部分みたいだけど。
絵は少し独特の素朴な感じで味があって好き。バランスもいいし、背景は写実的で、全体的にしっかり描いてあってすごい。