【感想・ネタバレ】九条の大罪 7のレビュー

『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平最新作は、ワケアリ者を弁護する悪徳弁護士の物語!!

「ウシジマくん」は闇金を通じて半グレやヤクザなどアウトローを描いた物語でしたが、今作もアウトローな人間が多数出てくる物語です。

主人公・九条間人(くじょう たいざ)は、腕利きの弁護士。
ですが作中の「いい弁護士は性格が悪い。」という言葉とおり、弁護士の姿勢としては受け入れがたい部分があります。
何故なら、思想信条がなく、法律と道徳は分けて考えることをポリシーとしており、道徳上許しがたいことでも依頼者を擁護するのです。

最初のエピソードは、飲酒運転に加えスマホゲームによるよそ見運転で父親と5歳の子供を車で跳ねてしまった事件。
父親は死亡、息子は片足切断という事態に…。
それに対し九条は犯人の男にアルコールを抜いてから出頭し何もしゃべるなと指示を出します。
犯人は指示通り20日間黙秘を貫き証拠不十分で釈放され、裁判でも執行猶予付きで実刑なしという判決を勝ち取るのです。
被害者の立場を考えると胸糞悪いと言える結末です。

弁護士としては加害者よりも被害者を擁護した方がお金になるのに、悪評が付いて回るのも気にせず加害者側を擁護する九条。
お金のためではなく別の信条があることが窺えます。
九条はある意味ダークヒーローと言えるのではないでしょうか。

世の中の話題性のあるテーマを取り上げたり、後味がザリっとするような物語はさすがの一言。
九条の淡々と話しを進める様は、ウシジマくんに通じるところがあります。

連載当初ウシジマくんは客観的視点を持ったキャラクターで事件の中心ではなかったですが、次第に物語の中心となっていきました。
九条も現在は客観的なポジションで事件と関わっていますが、今後その立場がどう変化していくのか気になるところです。

個人的に注目しているのが、烏丸真司(からすま しんじ)という九条の下で働くイソベンと呼ばれる「居候弁護士」です。
烏丸はエリートであり、もっと好条件な環境で働けるにも関わらず、面白いからという理由で九条の下にいるのです。
九条は代わりものですが、烏丸も相当変わり者と言えます。

今後、九条と烏丸がどう物語の主軸になっていくのか楽しみです。
また昨今起きている事件が、この物語で取り扱われるかもしれない…!!という部分でも注目です。

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Posted by ブクログ 2023年01月04日

主人公である九条が何を考えているのかさっぱり判らない。そりゃいそ弁の烏丸くんも辞めるわなという感じ。一応、何らからの線引きというか矜恃のようなものはありそうではあるが。
このまま型にはめられて破滅するという展開もありかもしれん。

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Posted by ブクログ 2022年12月31日

犬飼との直接対決になるかと思っていたら、全く相手にもしていないのが良かったです。いつの間にか壬生が主人公に思えてきました。
九条と烏丸が水飲むシーン好き。

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購入済み

裏社会事情多く滅入る

2022年12月12日

あんまり弁護士っぽい話はなく、裏社会の抗争や騙し合いがメイン。若干分かりやすくはあったし、九条の孤立がどうなるか気になるので、ここ数巻よりは読みやすかったかな。

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購入済み

転機の予感?

2022年12月11日

九条弁護士がヤクザの伏見組に取り込まれるのでは?と前巻の終わりで煽られていましたが、内容的には前巻から引き続く数馬、千歌を中心に据えつつ、壬生、犬飼のバチバチが見どころです!
これまで登場した半グレたちがこれからどうなっていくのか、グッと引き込まれる展開です。

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Posted by ブクログ 2022年11月30日

登場人物のほとんどは何かが欠乏しているので、それを埋めるためにあがいているように見える。欠乏してるものが金銭的なモノであれば問題ないが、こうありたかった過去を補填するためにあがいているのであれば、一つの地獄といえるなぁ。資産があるかどうかというのは結局数ある要素の内の一つに過ぎないのかもなぁ。

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Posted by ブクログ 2023年02月08日

まぁまぁ…ですかね。やはり弁護士界隈のお話なので専門的な話が多いこと…。

にしても、この著者、現代の流行りものなどにもよく精通しているというか…きちんと取材して描かれているな、といった印象ですねぇ…仮想通貨の話とかね、草コイン(笑)とか。社畜死ね!!

ヽ(・ω・)/ズコー

九条先生、なんか烏...続きを読む丸先生に愛想つかされて去られている?? 次巻、どうなるのか気になりますねぇ…。

さようなら…。

ヽ(・ω・)/ズコー

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購入済み

話がシリアスに

2022年12月01日

話がゆっくりシリアスに進んでいって次刊が楽しみです

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