あらすじ
“オグリキャップ世代”でありながら並び立つことのなかった彼女たち。どれだけ追い縋っても届かない現状。“生まれた時代”のせいか。その答えは…。
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「芦毛の馬は走らない」
そんな既成概念をぶっ壊した最愛の怪物“オグリキャップ”の物語。
本作は実際の競走馬たちを【ウマ娘】として擬人化させたシリーズのスピンオフ作品です。
私はこれまで競馬=ギャンブルというイメージが強く、嫌悪はしていないもののどこか避けて生きてきました。
しかし、私は【ウマ娘】のアニメやゲームアプリを通して、競馬の奥深さや面白さを知り、
これまでのイメージがガラッと変わりました。
実際、ウマたちが懸命に走る姿に何度心震わせ、涙を流したか分かりません。
そんな競馬界の中で最も愛された名馬“オグリキャップ”。
その物語が面白くないわけがない!!!!
血統は微妙で、初めてのレースは寂れた地方競馬場。
そこから中央のエリート達をなぎ倒し、“芦毛の怪物”となっていくストーリー…。
100点中1億点の作品ですので、是非ともお読みください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大きなレースは描かれていないのに特大に面白く感じられるのはそれだけ作中の人間描写が豊かであり深みを伴って描かれているからか
世は正にオグリキャップを中心に回っている。彼女が休養していても、世はオグリキャップの動向から目を離してくれない。そうすれば誰も彼もオグリキャップを中核にした渦に振り回される形となってしまう
その代表格となったのがヤエノか…
彼女ってかなり好戦的な性格なのか、オグリの中央デビュー時からオグリを明確にライバル視してきた。けれど世間的にはタマモや永世三強がオグリのライバルに位置づけられてきた
ヤエノは幾ら奮闘してもオグリに敵いはしないし、好敵手と認められる事もない
ヤエノが努力しても返ってくるものはない。無反応に苛立ち身体を酷使する彼女を止める何かが必要だったのだろうが……。幾ら何でもあの言葉は無いんだけど、一方で若干の真実を含んでしまうのが遣り切れない……
師範代の言葉は時代をとある視点から切り取った真実では有る。ミルワカバを中心とした世代がオグリという巨星を前にどうなったかを考えれば自明の理
それだけにメジロ家という大き過ぎるバックボーンを持つアルダンが我流の向き合い方を示したのは良かったな
例えどのような時代であろうと、何を背負わされていようと己が己である事は変わりなく、そして変える必要もない。アルダンの矜持は行き詰まりかけていたヤエノを救うものだね
秋の天皇賞へ向けてオグリは復活し強者は揃い踏み…と思っていただけに凶報が2つも舞い込んでくるとは思わなんだ……
少し前から兆候は有ったし、そもそもオグリだってギリギリの状態で走っている。その意味では永世三強と謳われた者達が去る時期が重なってしまうのは仕方ないのかもしれないけれど…
でも、オグリだけが残ってしまう構図は本当に宜しくない。特に179話扉絵の重さが半端ない
思えば、タマモ相手の時、オグリは見送る側でタマモとのラストレースは走る楽しさを感じられるものだった
でも、クリークやイナリとは明確なラストランも出来ず、現状のオグリはメンタル的に不調
イナリやクリークは自分達が居なくなった後のオグリの走りに期待してくれているけれど、勝手に託された側のオグリにそのイメージは描けていない
ここで厄介なのはオグリに託しているのがライバルだけでない点か…
ここに来てオグリに熱狂していた世論が悪い方向に作用し始めている…
単純に走る事が好きだったオグリはカサマツや中央でレースに勝ちたい理由を貰ってきた。それは競り合うライバルだったり支えてくれる仲間だったり
なのに、今は誰とも知れぬ者の勝手な願いの為に走ろうとしている。それはとんでもない歪みだ
あの表情を見ると、オグリこそアルダンやヤエノが辿り着いた考え方が必要だと思うのだけれどな……