あらすじ
グランプリレース・宝塚記念。有馬記念以来の直接対決となるオグリキャップvsイナリワン。上半期の最強決定戦の幕が上がる…!
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「芦毛の馬は走らない」
そんな既成概念をぶっ壊した最愛の怪物“オグリキャップ”の物語。
本作は実際の競走馬たちを【ウマ娘】として擬人化させたシリーズのスピンオフ作品です。
私はこれまで競馬=ギャンブルというイメージが強く、嫌悪はしていないもののどこか避けて生きてきました。
しかし、私は【ウマ娘】のアニメやゲームアプリを通して、競馬の奥深さや面白さを知り、
これまでのイメージがガラッと変わりました。
実際、ウマたちが懸命に走る姿に何度心震わせ、涙を流したか分かりません。
そんな競馬界の中で最も愛された名馬“オグリキャップ”。
その物語が面白くないわけがない!!!!
血統は微妙で、初めてのレースは寂れた地方競馬場。
そこから中央のエリート達をなぎ倒し、“芦毛の怪物”となっていくストーリー…。
100点中1億点の作品ですので、是非ともお読みください。
感情タグBEST3
激烈に面白い
アニメが面白いからまた19巻まで読み返してしまった
ミルワカバが注目されない苛立ちを抱えたまま挑戦する姿勢や
オグリが落ち込みながらもベルノライトと共に立ち上がろうとするチームとしての良さ
勝ちたい、勝てない、加熱する注目
繰り返し読み返して寝不足にさせてくれるドラマが詰まっている漫画だなぁと思う
Posted by ブクログ
冒頭のウマ娘入場のシーンは現状における人気差を如実に表していたね。バンブーもヤエノもワカバもあの舞台に立っているのだから、不人気という訳では無い。けれど、永世三強と呼ばれるイナリの前では一段劣る。そしてその四人を他所に圧倒的歓声で出迎えられるのがオグリと⋯
本当にここまで人気格差が生まれてしまうなんて異常事態と表現して良い状態
ここで面白いのは歓声の割に意気込み的にはオグリが最もぼんやりした印象を受ける点か。元々オグリは周囲の期待にそれほど呑まれないタイプとはいえ、ここまで周囲と本人とにギャップが存在するのは不気味に思える。特に此処最近のオグリに不調にも似た奇妙な描写が多発していることを考えれば尚の事
そうした緊張を孕んで始まった宝塚記念はセオリーとセオリー破りが交差する別の緊張感が満ちたレースに
それだけにシリアスなフリを受けての「出遅れたっス⋯」は大笑してしまったよ!バンブーってどうにも格好が付かないシーンが多いなぁ(笑)
兎にも角にも、ワカバはセオリーに従った堅実なレース運びで先頭近くを位置取る。ならば、セオリーに則って走る彼女を打ち破る為にはセオリー破りが必要で
北原が授けたオグリの策はリスクが有りつつも、勝利を現実のものとする為の必勝策。期待の目が集まるそれはオグリをマークしているウマ娘達とてセオリー破りを始める契機となるわけだ
ただ、奈瀬英人が言及するようにセオリーこそ勝利への定石である筈。セオリー破りで勝つなんてそれこそ定石ハズレも良いところで
だからこそ、ワカバの慟哭が活きてくるね。前巻にて明かされたように彼女は世間を驚かせる輝石とは成れなかった。常識の中でしか活躍できない。それだけにセオリー破りによって猛進する強者達をセオリーによって引き離そうとする姿には格好良さを感じてしまったな
けど、そうしてオグリを強く意識して気を吐くワカバの姿を見る事で察してしまうのは、彼女とてオグリの姿に夢を見ていたのではないかという点
だとしたら、ゴール手前で勢いが消えて“自分程度”に追いつけなかったオグリの姿はショック以外の何物でもなく。勝者なのに勝者として誇れないワカバの姿には悲壮感が詰まっている。だからって「こんなの芦毛の怪物じゃない!!!」は言い過ぎだよ……
受け入れ難い敗北、脚部の故障、そして失意のオグリや北原
そんな状況から切り替えるのは難しい。鬱陶しい取材まで有るなら尚の事。いわば空気の入れ替えが求められる事態。そこでベルノの持ち出したアイディアが凄まじかった…。なんなの、今年は使わない別荘って……
オグリにとっては久しぶりに気の休まる時間となりそうなこの休養。それを他所に六平が思案する敗因がグサッと来る代物でしたよ
そうか、終わりが近づいているってこういう事なんだ……
オグリの失速が目に付いたレースだったけど、もう一点気になるのはイナリの落ち込みか⋯
元々ムラッ気の強いタイプでは有ったけど、それは爆発が訪れないとかそうした意味のムラッ気の筈で、今回みたいな後ろに控えたまま上がって来れないという意味ではなかった
クリークが言及したように、この状況はオグリの夢を走る時間が終わりに近づくだけでなく永世三強そのものの終わりすら近いのかもしれないと予感させる……
宝塚記念でオグリキャップが負けてまさかの暗黒の時代に突入していきますね。天皇賞(秋)とジャパンカップの敗戦の仕方をどのように描かれるのか、そして感動の有馬記念の復活劇がどのように描かれるのか、楽しみでなりません。