「できなかった自分にしか拾えない気持ちがある」
「できなかった自分だけが見つけられる才能がある」
夢に破れた重い経験を持つ者が放つ言葉に心打たれました。
子供の頃の夢はサッカー選手でした。文集でもそう書いていましたが、実際はそんなのなれるわけなんてないと小学生ながら分かっていましたし、自分の力量と才能の限界、現実の差にも気づいていました。
譲れないものを持たず、壁を見つけては避ける手段を考え、物事に抗うことをせずに生きてきました。自然と我慢する癖がついていた気がします。
この作品は、そんな自分とは正反対に誰よりも強い執念を持った少女・いのりが、夢に破れた青年・司とフィギュアスケートで世界を目指す物語です。秘めた才能と固い意志を武器にみるみる上達するいのりの成長っぷりには、この後の展開に胸躍る気持ちと、自分を正されるような感覚になり、悔しさが込み上げてきます。自分にもここまでの執念があったらと…。同時に司の心情に共感する部分も多くあります。
後悔と挫折を経験した自分だからこそ、コーチとして導ける世界がある。
2人の主人公が駆ける世界への道に目が離せません。
感情タグBEST3
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泣ける
4話でいつもべしょべしょに泣いてしまう。
家族ものに弱い人間は読んでほしい。
主人公だけでなく、たくさんの人の成長を感じられる漫画って素敵だな。
初めての大会となる名港杯で、いのりが見せた成長が大変印象的でした。母親と姉が観戦の中で一度は失敗を晒し二人の不安を募らせながらも、それを払拭する強い決意とパフォーマンスにいのりのフィギュアへの強い想いを感じましたね。演技後のいのりと母親との会話は大変心染み入りました。司もいのりの想いをより一層感じ取り、師弟の絆がさらに深まった事を感じてなりません。
匿名
初金メダル
唯束いのりは何をやらせても人並みにできない女の子。
その事もあって自信のない性格をしている彼女が夢中になっていることがフィギュアスケートだった。
ただ姉が頑張りすぎるのを見ていた母親はどんくさい妹であるいのりにできる訳がないと決めつけていたが、のちにコーチとなる明浦路司の説得により娘の熱意を信じてスケートを習うことを承諾した。
その後バッジテストに合格したいのりは名港杯に出場するために練習を頑張るがなかなか上手くいかない。
そしてジャンプで基礎点を重ねる方法より他の要素で点数を重ねる戦法を選択する。
スケーティングを伸ばす練習をした結果本番直前にフライングシットスピンで基礎点を上げることを選択肢に入れれるようになった。
そして迎えた本番当日。
直前練習でうまくいかず自信を喪失してしまういのり。
そんな娘を見ていられない母親は簡単な技のみで本番を乗り切らせてやってほしいと司に提案する。
しかし、いのり本人が自分の口からスケートで勝ち負けをやりたい、選手としてメダリストになりたいと告げるのだった……。
いのりをはじめとして色んな子供たちが出てくるが、みんな真っ直ぐで上をみて頑張っている姿に目が潤んでくる。
そしてその子たちの周りにいる一癖も二癖もある大人たちからも目が離せない。
Posted by ブクログ
何となく気になった『メダリスト』(つるまいかだ)の2巻。
この巻では私にとってなかなか興味深いテーマが詰まってて、
読み終えた後、「ほーっ……」という息を吐いてました。
以下その内容4点です。
❶ 親の2人目の子供に対する視点
今回は主人公の姉は「何でもバランス良くこなすタイプ」。対して妹である主人公は「一点特化タイプ」。
その特化した部分をなかなか見つける事ができずにいたお母さんが「周りの声」を聞いて「この子はこういう子なのだ。いろんな事に自信がないのだ。」と判断してしまっていたのが、
今回の場合フィギュアスケートで大会出場及び優勝という形を目の当たりにした時、
「あの子の事、全然知らなかった。出来ないって言い続けてきたのは子の為なんかじゃなく、自分が傷つくのが怖かったからだった」という答えに至る。
【周りの声より、その子の声】という事の大事さがすごくわかるシーンだったし、
親の複雑だけど嬉しい気持ちってこんな感じなんだなぁとしみじみ思ってました。
❷自身もやってるからこそわかる難易度
何の知識も経験もなく、1つのイベントを見ても「何かすごい」だけで終わるけど……
自分でやってると「クオリティの高い技術がどれだけ難易度の高いものなのか」が見えたりする。(今回のお話の場合、【光ちゃんの演技を見た主人公と同じクラブの子達の反応】でした。)
だから「何でもやって、新しい視点になる」っていう事は重要だし楽しいんだろうな。
いろんな事に対して深い所で「なぁにあれぇーーーーーーーーーー!!!」ってなりたいわ。
❸ 人生2巡目
真剣に人生を送っている人にこそハッキリ現れるこの境目。
選手からコーチとしての人生を送る司先生見てるとそう思っちゃいます。
私にゃそれが曖昧だから「すっごいなぁ…」ってめちゃくちゃ思っちゃう。
反省だわ……。
❹自信とは??
この巻の中で1番心に響いた言葉が↓↓
「自信は人に貰うものじゃない。俺が…何度も俺自身を信用しないと。何でもかんでも武器だ強みだと思い込め。勝利への糧に変えていけ」
私自身が何かの勝負をしているわけではないのですが……
「仕事に対する姿勢においてもこれは言える事だよね」と思いました。
誰かに許可もらって自信をつけるんじゃないのよ。
「自分でこうなんだ!」って思わな意味ないのよ。
……………と1人熱くなっていたのでした。
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……とまぁこんな感じでした。
今もなお「ほーー……」ってなってるわ。
初めての大会とか
一緒に出場するミケさん、ちゃんとそれっぽい髪にセットしていますね。
いのりさんのお姉さん、8つ上で、結構イイですね。巻末の4コマを見ても、幼少時から元気娘だったようです。
次女の頑張りをきちんと見て、お母様もちゃんと応援しなきゃとなったり、この辺はここの登場人物の心情等も丁寧に描かれていましたね。
選手と指導者としての能力って別物でしょうし、同世代で既にスターの素質十分な光さん絡みのエピソードも良かったです。
司先生
司先生のパートが本当に好きだw
めちゃくちゃ自信ありげに自信の無さを語る人ww
しかし他所のコーチにいのりのことそんなペラペラしゃべって大丈夫かw
加護親子に懐かれすぎの司先生にも笑ったw