あらすじ
2025年までに世界700兆円に達すると言われる超巨大市場「フードテック」――。
あなたの食体験はどう変わり、どんなビジネスチャンスが生まれているのか?
本物の肉のような「植物性代替肉」「培養肉」、
食領域のGAFAとも言われる「キッチンOS」、
店舗を持たないレストラン「ゴーストキッチン」、
Amazon Goに代表される「次世代コンビニ」。
With&アフターコロナ時代の「食」在り方を探索し、
世界最先端のフードビジネスを徹底解説する日本初のビジネス書が、ついに刊行!
食品メーカーから外食、小売り、家電、IT、不動産まで、
あらゆる業界を巻き込み、「食×テクノロジー」を起点とした新ビジネスが勃興する。
この世界で、日本のプレーヤーが、再び輝きを取り戻すための秘策とは――。
グローバルの変化を深く理解しながら、日本の現状とよりよい食の近未来を考える、
「次のアクション」につながるビジネスのヒントが満載!
<本書のポイント>
●初公開!アフターコロナ時代の羅針盤「Food Innovation Map 2.0」
あなたの会社が目指すのはどこだ?
●業界を代表するキーパーソンが語る「食の未来」
・味の素 代表取締役社長 西井孝明氏、代表取締役副社長/CDO 福士博司氏、専務執行役員/CIO 児島宏之氏
・ロイヤルホールディングス 会長 菊地唯夫氏
・インポッシブルフーズ SVP International ニック・ハラ氏
・不二製油グループ本社 代表取締役社長 清水洋史氏
・ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス 代表取締役社長 藤田元宏氏
・予防医学研究者 石川善樹氏
・HAJIME オーナーシェフ 米田肇氏
・Mr.CHEESECAKE 田村浩二氏 (順不同)
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Posted by ブクログ
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義
著:田中宏隆 , 岡田亜希子、瀬川明秀
監:外村仁
世界各地のフードテックカンファレンスに参加した著者達が強く感じているのは、このグローバルで起きているフードイノベーションを、日本流で「正しい方向」に導くことが必要だということである。今こそ、日本人が大切にしてきた食の価値観や考え方(おいしさ、健康そして環境配慮のバランス、多様性を重視する食風土、「もったいない」という精神、安全・安心なものをつくるマインドなど)で、このトレンドを牽引していく存在になるべきである。
本書の目的は、2つある。1つは、フードテックの全体像が起こってきた背景と注目される個別トレンドの徹底解説を通し、フードテックのトレンドを理解することである。もう1つは事業創造のトレンドを知ることである。食に関わる、あるいは今後関係し得る企業、研究者、投資家、あらゆる分野の専門家の方々が
どのうように新産業を共創していくか、その道筋を示すことである。
構成は以下の10章から成る。
①今、なぜ「フードテック」なのか
②世界で巻き起こるフードイノベーションの全体像
③With&アフターコロナ時代のフードテック
④代替プロテインの衝撃
⑤食領域のGAFAが生み出す新たな食体験
⑥超パーソナライゼーションが創る食の未来
⑦フードテックによる外食産業のアップデート
⑧フードテックを活用した食品リテールの進化
⑨食のイノベーション社会実装への道
⑩新産業「日本版フードテック市場」の創出に向けて
人類の生活で大切な3つの要素である
「衣・食・住」優先順位はつけられないものの、
人類は食べないと生きていけない。
世界700兆円の市場に世界のプレイヤーが名乗り出ている。
食については、上記の通り、食べないと生きていけないという「生きるための食事」だけではなく、「食事を通しての幸福感や楽しみ」という、「食」がもたらす影響は計り知れない。
そして、その生きるための食と幸福のための食を本書のフードイノベーションではどちらも同時に満たすことができる。フードテックといっても明確な区切りがあるわけでもなく、気づけば多くの業界を巻き込んでようやくひとつのエコシステムを作っており、曖昧ではなく、その不確定な要素のつながりが新しいイノベーションをもたらすことにもなる。
日本版食のイノベーションは世界の後追いではない、追随ではなく、世界のそれを踏まえた独自性でさらに世界を牽引するものである。日本の「食」文化については、出汁文化やモッタイナイ等の概念等世界的にも気づいていない日本の当たり前がまだまだ活躍する。
数年先には多くの日本のスタートアップがさらに世界で活躍していることを期待し、盛り上げていきたい。
Posted by ブクログ
フードテックの海外の事例も含めた最先端の情報が詰まった内容。
ものすごい情報量だが、日本人の目線で語り尽くしてくれるので、大変理解しやすく、読後は今すぐ動かないとという危機感も感じる。
こういう海外の情報は得てして海外の本の訳本で日本語化するのが遅くなったりちょっとニュアンスとか例示がわかりにくくなりやすいが、こちらはアメリカにいる日本人や海外に飛び回って調査をしている日本人が書いているため、大変旬な情報を日本人向けに書いているので、とても著者の方々への感謝の気持ちも溢れてきた。
Posted by ブクログ
・スマートキッチン家電、キッチンOSにより、食を通じた自己実現が容易に、更に料理が楽しくなる
・代替プロテイン食や完全食の発展により、機能食とコミュニケーション型食が分離していく
・エシカル食の発展により、環境に良い食事が好まれる様になる
・昆虫食が飼料や食料危機までさまざまな課題の解決糸口になりうる
・最新自動販売機により出来立ての温かいご飯が食べられる
700兆円のフードビジネスは広がりは無限大であり、面白いスタートアップも多い
Posted by ブクログ
食の分野でどんどんテクノロジーが進んでいることに驚いた。ホットクックを持っているのでテクノロジーには少しはついていけると思っているが、培養肉など新しい色のある形については目を見張るものがある。生産者との顔の見える関係もどんどん進んできている私は今この分野で起業したいと思っているがどのようなことができるのか自分の頭をもっとアップデートしていきたい。
Posted by ブクログ
食の世界にも変化が起きている。
素材が変わる
加工が変わる
買い方が変わる
料理人が変わる
素材
代替肉、培養肉は、とても期待したい。
食用にされる動物のこともそうだし、
それらを育てるための環境負荷も課題と
なっている。
加工
料理はこれまで、人の感覚によるところが
多かったが、そこに科学とテクノロジーが
入ってきた。
つまり、様々なデータをもとに、
おいしさ、健康を考えた食が作られる
家庭では、キッチンOS、
つまり、誰がどんな料理を誰と食べたか、
というデータをとる戦いがおきている。
レシピを起点に、IoT家電と連携するだけでなく、
素材も連携されるようになる。
レストランでは、
それがさらに加速して、ロボットが
データをもとにおいしいものを作る。
また、デリバリーの増加により、
ゴーストキッチンなど、あらたな
ビジネスも生まれてきている。
買い方。
これまでは、スーパーなどで、
自分が選んでいるつもりでも、
スーパーの策略で、ついつい買ってしまう
不健康な食べ物。
ウェアラブル端末が、アラートを
だし、個人にあったものを推奨してくる。
すると、スーパー側も、変わらざるをえなくなる。
料理人が変わる。
自ら情報を発信するシェフ。
科学とテクノロジーを活用するシェフ。
そうした、シェフを育てる専門大学。
これは、面白い。
Posted by ブクログ
非常に興味深く読むことができた本だった。
ビジネス書というカテゴリーではなく、ドキュメンタリーとしても、今後の「食」の考え方の在り方としても非常に考えさせられる本である。
本書は、インポッシブルミート等を始めとした次世代の「お肉」のことから、昆虫食、パーソナライズされた食事、人口激増後の食の在り方、そしてウィズコロナ、アフターコロナを見据えた新しい食事の風景など、その内容が非常に多岐にわたっており、それぞれ興味深い。
2050年には人間の人口は100億人を超えると言われているが、その多くの人のお腹を満たすには、いまの食糧事情では無理である。特に畜産業は将来的にその規模を2倍3倍にすることは現実的ではない。
それではどうするか?
それがこの本では書かれている。
僕なんかはお肉は大好きであるが、この本に書かれているような「代替肉」については
味や触感が同じで、今のお肉と同じ値段かそれ以下
であれば、まったく躊躇なく選択枝に入ってくるし、それどころか、食べるために殺される動物がこれ以上増えないということなのであれば大歓迎だ。
ただ、昆虫食はちょっと精神的なハードルが高いな。
いくらエビと同じ味と言われてもコオロギと聞いてしまうとちょっと戸惑う。
でも、
エビやカニやシャコは普通に食べられて、コオロギやバッタはなぜダメなのか?
と聞かれたら、確かに
なぜ、なのだろう
と疑問には思う。まさに精神的な問題なのだろう。
また、この本で述べられてる将来の食料生産の在り方も興味深い。
今までの大量生産で低価格の食品ではなく、個別に、つまり自分自身に合った(DNAレベルで)食品が簡単にカスタマイズされて作られる技術は目を見張る。
まさにこれが未来の食事なのだろう。
コロナ禍を経験して、
食事
の在り方も激減している。
本書は、コロナ禍を経験した各食品会社のトップたちのインタビューなども掲載されており、今後の飲食産業の進むべき道なども覗き見ることができる。
飲食産業だけでなく、食事はすべての人に関係している。本書は、将来の食卓の風景を垣間見ることができる非常に有益な本なので、是非興味がある人は手に取ってみてもらいたい。
Posted by ブクログ
フードテックという大きなトレンドを概観でき、面白かった。発行が2020年という時期のせいか、コロナ禍に絡めた話題も多い。
ここしばらくの新しいサービスや商品を思い起こすと、フードテックにカテゴリできるものが沢山ある。そういう、気付いたら当たり前になっていたものも含めてトレンドとして捉え、その背景を理解し、未来を感じることができた。
フードテックに類すると思うサービスを思いつくままに書き出してみる。他にも沢山あると思う。
完全栄養食(ベースフードとか)、植物性代替肉(大豆ミート)、デリバリーサービス(UberEatsとか)、配膳ロボット(すかいらーくのBellaBot)、コカコーラの高機能自販機、生搾りオレンジジュースの自販機、お弁当サブスク(ナッシュとか)。飲食店ではタブレットで注文するのは当たり前になっている。プロテインを売りにした新商品は沢山見かけるようになった。コオロギを使った食品(昆虫食)なんてのもあった。回転寿司もエンタメ施設のようになっている。
フードテックというトレンドが起こっている背景として、以下のような社会課題が挙げられている。世界で取り組まなければならない社会課題と食との関連。
- フードロスやフードウェイスト
- 世界の人口増に伴って、たんぱく質が枯渇する問題(プロテインクライシス)。※現状の畜産業は持続可能ではない。
- 栄養素の過剰摂取がもたらす生活習慣病(マル・ニュートリション)
- 格差に起因する食のアクセス問題(フードデザート)
- プラスチックによる環境破壊
最近開幕した大阪万博でも、フードテックにあたる展示を見ることができると思う。日本だけでなく世界の最新トレンドはどのようなものか、これからどうなって行くのか、アンテナを張ってみたい。豊かな未来を先取りして見られるかも。
フードテックの流れに影響を与えたものとして、科学的調理法のバイブルだという『MODERNIST CUISINE』という本が挙げられている。著者はMicrosoftの元CTOであり、IT分野のエンジニアたちに強い影響を与えた、とある。今は何をするにもITが絡むものだと改めて感じる。それほど著名な本なら、一度読んでみたい。
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以下、気になったキーワードをメモ。
・料理のレシピがプログラム化され、IoT技術で調理家電をコントロールする、「キッチンOS」の考え方。
・植物肉ハンバーガー「Impossible Burger」。
・代替プロテイン市場の活況の理由→「今後、どうやって世界100億人の胃袋を満たすのか?」。現在の畜産は数多くの問題を抱えており、今のままでは人類の食糧を賄いきれない。動物に頼らないプロテイン供給が必要。
・代替プロテインの代表的なカテゴリーとして、「植物性プロテイン」、「マイコプロテイン」、「昆虫食」、「培養肉」、「微生物・発酵」の5つ。宗教上の理由で肉を食べられない人たちの新たな食材となる可能性。新たな市場の想定。
・フードデザート問題。
・エンタメとしての料理。それをサポートする調理家電。
・地方創生と食。
・食によって引き起こされる社会課題は、単独の企業が悪意を持つことにより引き起こされているわけではない。個別最適化を追求してきた結果が、合成の誤謬を起こしているケースが大半である。
Posted by ブクログ
フードテックと一口に表される中で、マニファクチュアリングにフォーカスが当たりがちだが、サプライチェーンや販売方法などのマーケティング視点も含め、トータルで知識を身につけるフロー(プログラム)があるのは驚いた。
確かにヒトのクチに安全を届けることが目的なので、視野を広くもって向かいたいと思った。
フードビジネスに限らず、スタートアップに必要な思考も散りばめられていて、いろいろ役に立つ1冊だった。
Posted by ブクログ
食に関わるテクノロジーや企業について知らなかったことをたくさん学べた。農学を専攻する身として、食の未来のミッションにパッションを持って取り組みたい。
Posted by ブクログ
業界のことを知るには良書。
400ページあり読み応えはすごいがさまざまな国と企業の今が記載されておりファクトを押さえるにはとても良い。
例えば海外の事例も多くて英語の翻訳本だととても読めないが、日本の書籍なので難しい内容も理解できるように噛み砕かれていた。
食の価値の再定義
昔は大量生産大量販売
今は欲しいもののない世界
生活必需品はみんな持ってる時代
1to1のコミュニケーションが必要
さらにコロナで食事を作ることでリラックスして生活が豊かになることを実感する人も
時短、時間をかける、両方の価値を求める人がいる
食あり方
食のユニクロ
代替え肉
レベル1-6
キッチンOS
調理に関する情報
人に関する情報
食材に含まれている情報
がそれぞれ独立していた
ロボット
IOT家電
見えるかされた食卓
量の大雑把さをなくし失敗のない再現性の確立
ゴーストキッチン
食とはコミニティー
ただ栄養補給のための食事はなくなり、味を極めた店か人間関係のコミニケーションがある店以外は厳しくなるのではないか、コロナで人は時間の価値を認識するようになった
データがなかった世界
人々が玉ねぎを買って帰ってもそれで何を作っているかはわからない
家電のレシピからそのデータが見えるように、、、
パーソナライズ
職場で極めて変動的
その日の気分や誰と食べるか、どんな場所でたべるかなどで途端に食べるメニューが変わる
カスタマイズよりもさらに上のパーソナライズ
食のネットフリックスは現れるか
調理レベル1-4
基本ニーズ
簡便性、おいしさ
経済性
機能性
情緒的価値、個別化された価値
コミニティーを意識したパーソナライゼーション
お母さんが誰かのために作ったもの
誰かの好きなものを一緒に食べること
作ったお母さんが満足していること
などの集積が幸福な料理や食事につながるとわかってきた(ニチレイ)
人を賢くするパーソナライゼーション
環境にいいもの
体にいいもの
遠い国の原料の使用
新しい楽しみ方
なぜそれを食べるのかの意義づけができる
レシピなら新しい調理法を学べる
使ったことのない食材に触れれる など
パッケージでは伝わらないことを伝える
など、時間がなくて飛ばし読みしたので部分的なメモ
Posted by ブクログ
いま食の世界にこんなにもテクノロジーが入ってきているのか!!と、知らない事だらけでした。
コロナ禍を経て、どういう食生活を送りたいか、どういう未来が欲しいのか、再考を求められている時期なのかもしれないなぁと思いました。
Posted by ブクログ
自身が想像してた未来の「食」がすぐそこまできているのだと思い知った。話題の植物肉を一例に、キッチンのハイテク化(本書ではキッチンOSと呼んでいた)が当たり前になるのだ。いままで効率性を重視していた「食」が健康やコミュニティ、表現など様々な側面をもち、必ずしも効率性だけが必要ではないのである。そしてその重要性を知っているのが今も活躍しているシェフだったりする。そんな食のエキスパートであるシェフと食品会社、そして業界外の会社個人組織が合わさって食の本来のあり方を見つけるのだと理解した。自身もその一部に入れるよう、食への在り方を今一度考え直したい。
Posted by ブクログ
フードテックの最前線の実例が色々と紹介されていて興味深く読めた
レシピをダウンロードして調理法などが自動で設定されるスマート調理具や、DNAテスト結果をもとに個々の買い物客に対して最適な食材をすすめる店など。
スマート調理具の代表であるInstantPotは全米の家庭の2割に普及しているそうだが、これも好き好きか。最近のレトルト、特に冷凍食品は本当によくできたものが多くなっている反面、日本でもミールキットが流行ってはいる。たぶん、あまり自動化が進んでしまうと外食や宅配との区別がつきにくくなるし、作り手の罪悪感みたいなものも惹起されるので、ミールキットみたいに一手間かけるものがそれなりの人気を博しているんだろう。例えば本書ではInstantPotに対してHestanCueという一手間を要するスマート調理具も紹介されているが、これなどは全自動化の罪悪感を払拭するためのひと手間の好例かも。
Posted by ブクログ
食の最先端について学べた。
興味深かったのは「今まで人間はテクノロジーを時短を目的として活用してきたが、これからはエンリッチの時代」という主張。
ただシンプルに美味くて安全なものが安く手間なく食べられるというだけでなく、
・誰かと時間を共有しながら食べる時間
・食を通じた自己表現
・料理の工程を楽しむ
などなど、人生を豊かにするための食=体験の提供にテクノロジーを活用するんだ、という発想はあまり持ってなかったため、目から鱗だった。
Posted by ブクログ
◾️概要
フードテックの現状と、事業創造の機会を知るため、読みました。最も印象的だったのは、フードテックは手段にすぎず、あるべき目的は「食および調理を通じて、生活者と地球にとって明るい未来を創り出すこと」ということです。
◾️所感
食分野は身近な人々が必要としているもの、やりたいことが製品・サービスに直結することが多いため、「未来を自ら創る」という意思を持つことで無限のアイデアが生まれる、という箇所は納得感がありました。各社の具体的な取り組みも記載されており、一読の価値があると思います。
Posted by ブクログ
食の未来がテクノロジーでこんなに変わっていくのかとわくわくした(たしかに批評通り重複する話は多かったが)
食品関係の職についていることを誇らしく思ったと同時に、わたしたちのウェルビーイング、環境問題に対して自分たちができることを考えて実行していきたいと強く思わされた
・培養肉、培養シーフード
・パーソナライゼーション
・業界を問わない横のつながり
・家電から家庭内のデータ取得
・自分ゴト化して働ける食産業
Posted by ブクログ
現時点のフードテックに関する日本語文献で最も纏まった一冊である。本分野の国内主導権を握ろうとするシグマクシスの本気度が窺える。
700兆円(世界総GDPの10%弱!)と言われるフードテックの国内外の最新トレンドを押さえて概括して理解しやすい。一口にフードテックと言ってもその範囲は広く、食材・レシピ・調理器具・健康管理・物流・飲食店・コンベンションなどなど、衣食住の最大領域でありその範囲は厖大だ。料理をするといつも思うが調味料「少々」や「適量」がまかり通っている業界ゆえに、数量化・可視化するだけでもビジネスオポチュニティは相当ありそうに思う。そこにスタートアップのイノベーションが加わる、そりゃ莫大な市場可能性があるはずだ。Beyond Meatはバーガーキングでも食せるようなので興味がある。
フードテックを理解するには最適な一冊だが、章立てはされているものの体系的ではなく市場動向やスタートアップや事例紹介を積み上げた構成で、ボリュームも400ページもあるので、読んでいるうちにやや冗長的でダレてくる面は否めない。傍らにおいてIndexで活用するのが良さそうだ。
Posted by ブクログ
フードテックについてほとんど知識がなかったので、なるほど、なるほど、とひたすら頷きながら読み進めた。
イノベーションはあらゆる領域で起こっているけど、食に関してはまだまだ不便だと感じることも多い。全員が消費者の視点に立てるのでもっとイノベーションが起きていても不思議じゃないのに、業界の構造が個別最適に留めてしまっているのかもしれない。
「日本のフードテックはiPhone前夜」ということで、海外の流れに追いつけ追い越せの勢いを持っていけるか、過去の成功体験に囚われて外部から批判するだけになるのか…後者になってしまう日本は見たくないなぁ。
Posted by ブクログ
食関連のトレンドを広く押さえており、フードビジネスの全体像を掴むのにおすすめ。
最新のフードテック情報はもちろん、食に対する人間の行動や考え方がどのように変化するのかを考える上でヒントを提供してくれる良書。
事例も豊富でかなり勉強になり、食関連業界で働く人はもちろん、新規事業を考えてる人にもおすすめ。
Posted by ブクログ
昨年、一昨年ごろから一般的な商品にもなりつつある昆虫スナックや植物肉について興味があったため読み始めました。
世界のフードシステムの市場価値はなんと他の分野をはるかに凌駕する10兆ドル規模であり、その最新情報と国内業界のトップランナーへのインタビューが網羅されており、本書から得られる知識量はとても多く新鮮でした。
トップランナーといえる会社はやはり海外特にアメリカに多く、例えばキッチンOSではnnitやSidechefや韓国SAMSUNGに 大きく水をあけれているように感じました。
このコロナ禍でレストランが団体戦から個人戦に代わり、オーナーの発信力によって生き残れるかが変わってくるという田村浩二氏の話はどの仕事にも言えることではないかと思い、とても印象に残りました。
今のフードテック業界について理解を深めたいと思っている方や外食に生きずらい今だからこそ食の未来を考えるいい機会だと思う人にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。
Posted by ブクログ
フードテック=代替肉みたいにとらえてたけど、進化がすごい。
欧米の投資家がなぜ代替肉に注目しているのかという部分の疑問も解決できた。
またなぜ日本人である自分たちのまわりでは代替肉をさめてみている理由も…
Posted by ブクログ
2020/07出版。コロナ込みの世界観。とにかくすんごい情報量で圧倒されるし、先進的で格好良いけど、システム屋さん目線、いいとこ売る側目線。とても「日々ご飯作っているヒト」の肌感覚は感じられない。それとも実は「日常的に家族のご飯を作るヒト」って、もはや少数派なのかなあ。少なくても執筆陣に主婦はいないと見た。ま、想定されている読者層が違うのか。あと、「食の安全」問題(極度に工業化された製品を食べることへの懸念、長期的摂取の後に顕在化する可能性のある副作用とか)は全く蚊帳の外。
食にコンサバな私には、「代替肉」が衝撃的。
「植物性プロテイン」はともかく、糸状菌由来の「マイコプロテイン」「昆虫食」「培養ステーキ肉」…は聞かなきゃ良かったくらいな感じだし、バイオ3Dプリンターで牛のDNA 配列を組み込んだ酵母を発酵させてプロテイン組成したものを「食品」って言われても…偏見ですよ、ええ、偏見…え?カップヌードルに入ってる「謎肉」、あれが大豆ミート?やだ私、食べているんじゃん(笑)
あと、食材調達(買い物)とレシピと調理を連動させる「キッチンOS」。外食オンリーだった単身者とかには有効かもしれないけど、主婦的には(舐めんなよ)って感じ。近隣のスーパー情報一つとっても、パラメータが多くてかつ複雑なのよ。何曜日はどこの野菜が安い、毎月何日はどこが何%オフ、雨の日にクーポン出る店、値引き開始時刻と値引き率(2段階だったりもする)、ここの野菜は安いけどポーションが少ない、こっちの店は鶏肉国産だけど豚コマは輸入物…。更にレシピだって臨機応変にいける?小松菜とほうれん草はある方で代替とか、日保ちしない野菜を優先に使うとか。
今日は亭主と息子がいないから量を減らす…は可能だろうけど、味付けを薄めとか甘めにするとか、温め直して時間差で食べるのを考慮するとか、ホントにできるのかなあ。
あ、ユーハイムの「バウムハウス」、2021/3/4に名古屋の栄でオープンだそう。
Posted by ブクログ
飲食業界の未来にワクワクした。
時短よりも、その場で過ごす時間や料理をつくる時間が、人生を豊かにする大切なものとして価値を増していくのは、なんとなく体感としてわかる。
印象に残ったところ
いい商品を見つけたり、いい体験をできたりするだけで、顧客は毎日来店してくれるだろうか。おそらく、一時的には来てくれるだろう。
フードテックの活用も2、3年もするとどの事業者も導入する。そのときに選ばれ続ける理由は、人とのつながりをどれだけプロデュースできるかにかかっている。店員と顧客、顧客同士のつながり、地域のつながり。
そのときに従業員にどういう役割を担ってもらうか、あるいは顧客自身にどういう役割を担ってもらうかを考えることが、真の差別化につながる。
利益と廃棄率がトレードオフの関係になっており、短期的なロスをどこで許容するかという問題。
地球および人々にとってより優しい食体験を構築していこうと思い続け、実行していけるように、啓蒙・育成していく仕組みが必要。同時に、若い世代を巻き込むことも重要。
Posted by ブクログ
目的
フードテックにはどんなものがあるのか知る
感想
食に対する問題は、個人ごと、同じ人でもその時々に応じてニーズが変化する。
便利さがほしいときもあれば、あえて時間をかけて料理したいときもある。ラクをすることへの罪悪感もある。
技術のちからで便利にすればいいというわけではない。ウェルビーイングを目指すための技術
Posted by ブクログ
フードシステム市場価値10兆ドル
マイナス影響12兆ドル (FOLU 2019年)
肥満コスト2.7兆ドル 低栄養被害1.8兆ドル 農薬被害2.1兆ドル
アフターコロナのフードテック
1. 医療としての食事
2. ホームエンタメとしての調理
3. フードロス解決
4. 最前戦ワーカー支援
組織の原点とめざすべき未来を結ぶものがビジョン(石川善樹)
オリジン(原点)からオリジナルは作れる
ダイバーシティの時代にはスタンダード「ユニクロ」が価値を持つ
代用肉 肉と同じ調理と喫食体験 水、土地、温暖化ガスの90%前後削減
植物性プロテイン、マイコプロテイン、昆虫食、培養肉、微生物発酵
インポッシブルフーズ
肉好きが第一の顧客 ヘム化合物が食肉の本質 肉のリバースエンジニアリング
予測ではなく創りたい未来
Posted by ブクログ
フード×テクノロジーの略でフードテック。
○○革命という名の付く本は多いですが、本書は、そこまで煽り本ではなかったです。
米国を始め、テックギークたちが、食にまつわるスタートアップを立ち上げている現状などは、へーそうなんだという感じ。日本の携帯電話市場がiPhoneに席捲されたように、食品産業もGAFAのような、プラットフォーマーが現れ、市場が取られてしまうという危惧から書かれた、と述べています。
面白かったのはキッチンOSの話。OSはwindowsやMacのような、あのOSです。それがキッチンとどうつながる?というのは本書を参照のこと。
食品業界最新トレンドのリファレンスとしても使えると思います。
個人的には、発散しすぎてて、やや読みづらいと感じましたが、食のサイエンスについては引き続きウォッチしていこうと思いました。