あらすじ
黒瀬令児(くろせれいじ)は、町や家族に縛られながら“ただ”生きていた。アイドルとの心中未遂。町を出ると約束した幼馴染。息子にすがる母親。そして、令児に固執し続ける教師。“アビス”は令児の周囲を巻き込み大きく深くなっていく――。少年の生きることに希望はあるのか。この先に光はあるのか。“今”を映し出すワールドエンド・ボーイミーツガール、第四章――。
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田舎の閉鎖的な町で暮らす少年・黒瀬令児。
彼は、家族に縛られ、町から出ることを許されません…。
一体彼の人生は誰のものなのか。
閉塞感やノスタルジーが漂う作品です。
令児には、認知症の祖母とそれを介護する母、引きこもりの兄がいます。
母は現在の状況に疲れ果て、自分が楽になるため、令児に大学進学ではなく地元に就職することを強います。
しかも就職先は、令児をパシりとして使ってくる幼なじみの会社でした。
令児の人生は令児のものであるはずなのに、家族や町に縛られ、自分の人生を生きることがままなりません。
そんなとき出会ったコンビニ店員の女性が、令児が好きなアイドルグループのメンバー・ナギであることに気付きます。
舞い上がる令児ですが、ナギもワケアリのようで…。
「この町からいなくなる人」だからと自分の置かれた状況を話す令児に対し、ナギは「心中しようか」と提案するのです。
戸惑う令児となし崩し的に肉体関係をもつナギですが、なんと彼女には夫がいることが発覚します!!
令児が住む町は「春の棺」という劇中小説に登場する情死ヶ淵伝説の舞台となった町。
情死ヶ淵伝説とは、その小説の中で書かれている江戸時代に起きたとされる心中の話です。
この物語は、その情死ヶ淵伝説をキーに展開していきます。
登場するのはそれぞれワケアリで深い闇を抱えている人たちばかりです。
しかし、描かれている地方特有の閉塞感やしがらみに縛られた状況への諦め、自分の将来への絶望は、物語の中だけではなく、現実に生きる我々にも身近なことではないでしょうか。
それらを『ヒメゴトー十九歳の制服ー』の作者である峰浪りょう先生が圧倒的な描写力で描くため、読んでいるこちらも息が詰まるような閉塞感を感じるのです。
終盤、狭い世界で生きる令児に対しナギは
「全部捨てて町を出ていけば?」
という言葉をかけます。
そこではじめて令児は逃げても良いということに気付くのですが…。
明るい展開は今のところ見えませんが、彼らに今後救いは訪れるのか、複雑に絡み合った人間関係が「心中」というテーマからどう進んでいくのか…。
ハッピーな物語に飽きた方、是非この閉塞感に浸ってみてはいかがでしょうか。
感情タグBEST3
もう
もう…勘弁してあげて…。不幸すぎて、みんながみんな病んでて読んでいて辛い…。主人公が救われることが、現実で同じような問題で苦しんでいる人たちにも救いになるかもしれないから、どうか幸せになって欲しい。
れいじくんやばい人たちから
愛されすぎててもうなんか怖いです。
個人的にはチャコちゃんがダントツで
気持ち悪くてどんどん無理な方向に
落ちていってて嫌でした。
面白かった。
やばい奴しか出てこない。玲児君からは
なんかフェロモンでも出てるのかってぐらいヤバい奴が集まってくるな。
全員がそれぞれの闇を抱えてる。
先生の執着が怖すぎて...。でもどこかリアル感があって、言葉ひとつひとつも小説を読んでるかのようです。
ヤバい
レイジくん自身も大概なんだけど周りの人間のアビスがやばい
どんどん深みにハマって抜け出せなくなる
暗いし、怖いんだけどよむのが止められない!
闇
一人一人の闇がエグいくらいにかかれています。読んでいくとみんな闇が深いなと思うけど、誰もが少しは持っている闇なんじゃないかな、とも思いました。早く続きが読みたい、、
登場人物全員やべーやつな漫画
登場人物全員やべーやつな漫画
雑誌でもざっと斜め読みしてたけどコミックスでまとめて読むとストーリーのやばさが加速しますね…
玄君はいままで買わせたたばこを大事にコレクションしてるし
正常者がどこにもいません。読んでると心臓に悪い漫画(誉め言葉)
Posted by ブクログ
チャコの「当事者になりたい」は刺さった。
やめた方が良いとも思うのだが、
それを聞いてしまうと止めるのもどうかと思ってしまう。
どっちを向いてもどろ沼で、令児が頼れる大人がどこにもいない。
先生は嫌がらせのつもりなのだろうか。
本人に確認もせず親を呼ぶのは最悪だし、
女の顔してたとか一緒に死のうと親に言われるのは萎える。
チャコがネカフェに誘ってそういう行動に出るのは嫌だったが、
ストーカー化している先生がそれ以上に気持ち悪い。
自分が逃げられないから令児も逃したくない人、
自分が逃げられないから令児は逃したい人、
令児の気持ちは蔑ろな分結局どっちも迷惑過ぎる。