あらすじ
薬剤師の毒島さんは、薬にまつわる不思議な出来事をまるで名探偵かのように鮮やかに解決する。アルコール依存症の男性が急に「酒がまずくなった」と言い出したのはなぜ? 赤ん坊のための様々な薬を、あまりにも頻繁に薬局に取りに来る若い母親。彼女の真の目的は? いつものように鮮やかな推理を見せる毒島さんだったが、しかし彼女のもとにも新型コロナウイルスの影が忍び寄っていた。毒島さんに憧れるホテルマン・爽太が、仕事中高熱を出した同僚と濃厚接触したとして、ホテルに隔離されたのである。そして、それを機にホテル従業員が相次いで高熱を出し……。
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Posted by ブクログ
薬剤師毒島花織の名推理第三弾。これが書かれた頃はワクチンも治療薬もなくウイルスも強力で大変だった。PCR検査も受けることができず、濃厚接触者も隔離してアセトアミノフェンを投与するだけ。爽太は誰が発熱してるか調べ、毒島さんとオンラインで繋ぎ相談することで原因を突き止めることができた。この時期は病院にもかかることができず大変だった。笑い話にもならない。細菌は細胞をもっていて自分で増殖できる。それに対してウイルスは細胞をもたずに、動物や植物の細胞に潜り込むことで自己複製をする。勉強になった。
Posted by ブクログ
三話構成。内一話はコロナ関連のお話。
「ノッポちゃんとアルコール依存症」
アルコール依存症を治す魔法は実在するのか,という話。
「毒親と呼ばないで」
幼い娘を持つ若い母親が異常なほど頻繁にどうめき薬局にやってくるという。一番の目的はその母親が毒島さんと話がしたいということのようだが,それ以外にもちょっと懸念があって...。
「見えない毒を制する」
ホテル・ミネルヴァのフロント係の同僚,馬場が発熱した。時期的にコロナ発症が疑われるため,総支配人判断で,宿泊客のいない最上階の一室に隔離することに。水尾もちょっとした不注意から馬場からの感染を疑う事態となり,馬場と同じフロアで自主隔離しながら,馬場の世話をすることに。しかし,特に症状も発熱もしないまま自主隔離期間の最終日を迎えたのだが...。
Posted by ブクログ
新型コロナに日本中が振り回された初年度、ミネルヴァ
ホテルスタッフに発熱者が、保健所相談も曖昧で手探り
行動自粛の二週間の最後、一気に他のスタッフも感染?
結果はオウム病だったのですが、毒島さんの行動力が無
ければ営業停止だったかも(´・ω・`)
Posted by ブクログ
シリーズ三作目。
コロナ過でのホテル業務や薬剤師の方々の
当時の苦労が分かる話からアルコール依存症、
発達障害の母等々ちょっと思いテーマも
あったけど、ほんとに毎回勉強になる話
ばかりで楽しく読めました。
ホテル内で起こったコロナ騒ぎは
意外な原因でコロナと違った感染症。
これはどこでも起こりうることではないかと
ちょっと怖かった。経費削減や敷地内及び
建物内の禁煙・・・いいことなのだけれど
それが原因でこんなことになるなんて
思わなかったし、毒島さんの知識と
考察からの推理には恐れ入った・・・
Posted by ブクログ
「ノッポちゃんとアルコール依存症」
展開的にはなんとなく想像できるけれども、少し強引かなぁと思った。
水尾は、偽薬を飲ませたかもしれないと言っていたけど、一般人がそんな簡単に手に入れられるものなのかしら。いまいち、めでたしめでたしとはいかないストーリーだった。
「毒親と呼ばないで」
免疫の仕組みやワクチンの働きなどの説明は、今こそ読んでほしいな。
でも、いくら仮名で話してる設定とはいえ、医療職でもない赤の他人に何の病気で罹ったかべらべら話す薬剤師は嫌だなぁ。最後に他言しないように釘は刺していたけれど。
「見えない毒を制する」
これは面白かったし、とても緊張感のあるストーリーだった。鳩に関係あるのかなとは思ったけど、オウム病というのは初めて知れて興味深かった。
馬場さんが改心して本当によかった。