あらすじ
ケニアのホテルで恋に落ちた英国皇太子ジェイムスとニュース記者のベン。一族の前ではじめて本当の自分を明かしたジェイムスは、国民に向けてカミングアウトする。連日のメディアの報道に戸惑いながらもベンはジェイムスとの信頼感を深めてゆくが――!? 世界一秘密の恋、「ロイヤル・シークレット」続篇。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
二巻ともあっという間に読破しました。この巻はベンとジェームスの仲が公になるに従ってメディアがどれだけプライバシーを侵害してくることに、言葉の暴力がすさまじい。恐ろしくもあり、ベンは上司に裏切られて会社を辞めてしまうことに。この異常な世界で入れるか、別離を選ぶギリギリまで葛藤して。インディゴもまた自分が兄が王位継承を放棄することになったら自分が女王になる恐怖があり自傷行為も増えていき、生まれも育ちも王室に慣れてる彼女でも恐れおののくことは、ベンにとっても苦悩だったでしょう。ただ愛が優ったです。インディゴは治療も受け好きな人と結婚、ベンも将来王室の一員となるところで話が終わりましたが、この作品はすごくリアルで面白かった。
Posted by ブクログ
前作はドラマチックな出会いから愛を確かめ合う初々しさが魅力的な物語だったが
今作は二人の関係を障壁と成長を盛り込みながら丁寧に描いているお話だった。
日本人はジェイムス(保守的)の方に共感する人も多いかと思うが、ベンの柔軟な言動には新鮮な驚きと発見があって面白く読み進めることができた。
印象的なのはタフにふるまってきたベンが両親の訃報の記事に内心では大変なショックをうけていたことをジェイムスが気づく場面。人は表面だけではわからない。恋人なら尚更パートナーの内面をきちんと知り、心に寄り添う努力を怠っては良い関係を築けないのだと感じさせられる。
また、ジェイムスが玉座の間にベンと訪れる決断の場面は非常に心が揺さぶられる。
ベンも聡明だがジェイムスの愛を理解しきれておらず、彼の愛の深さを知り驚く様子が印象的だった。
そしてワーナーの甘い罠に揺らぐも、逆に彼のおかげで自身の悩みを打ち破ることができる展開ははらはらした。
ラストシーンは歓声が届いている音が聞こえてくるようでとても気持ちよく読み切ることが出来た。
人間関係を絶妙なバランスで上手に描く作者さん。
他の作品もぜひ読んでみたいと思った。