【感想・ネタバレ】サターンリターン 1のレビュー

あらすじ

『先生の白い嘘』鳥飼茜、衝撃最新作。

書けない小説家・加治理津子(かじりつこ)。
ある日、かつて最も心を許した男友達・アオイが夢に現れ、理津子に問いかけた。

「それ ほんとうに お前の人生?」

電話の着信で目が覚めた理津子は、アオイが自殺したことを知らされる。

昔輝いていた夢、現在の夫婦生活、大切な人の死…
目を背けていた“喪失”の人生が動き始める――


【サターンリターン/土星回帰】

意味…土星の公転周期が約30年であること。そのことから占星術では、約30年に一度、人生での大きな転機が訪れると言われる。土星は「凶」の象徴であり、この時期に人は自殺しやすいとも言われる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

土星の公転周期は約30年。
人生での大きな転機が訪れ、土星は禍事の象徴という
占星術の土星回帰がタイトルにつけられた作品。

どこか不穏でざらざらとした手触りの続くストーリーで
気怠い感じにはまっていく、喪失の物語だ。

「それ ほんとうに お前の人生?」
から始まり、彼の為に物語を書いて小説家になったのに
その彼は宣言通り30歳になる前に自殺をする
という導入から引き込まれるが、
更に小説家・加治理津子にも色々とあって
編集の小出も清廉潔白な良い人では無さそうだし
肝心の”アオイ”も同様で。

音楽を聴きながら「他人の中にはいってくるものが作れるって作ってる方も自覚があるのか」
と言っていた理津子が、作る側である作家になり
でもそれで救えるかといったら救えなくて
という歪な感じが苦しい。

確かに、失恋や病それ自体ではなくて、
喪失で人は死ぬのかもしれない。

1
2021年06月12日

ネタバレ 無料版購入済み

書けない小説家でも

理津子さん、5年前の作品がそれなりに売れた後はパッとしていないっぽいです。
その元交際相手が死去したという連絡から何かが動き出しています。
彼女も自死を企図して今の夫に救われたっぽいんですが、その夫が欲しがる子どもはいやらしく、低用量ピルを服用しています。
担当編集者が若がえりし、2人で大阪に向かい、過去と現在が交錯しています。
この方の作品はいつも心してかかっています。今回もそうなりそうです。

#深い

0
2025年12月05日

ネタバレ 無料版購入済み

ドロドロ

作家の加治理津子は5年前に『午睡(ひるね)の国』でデビューした。
しかしそれから新作が書けず半ばリタイア状態で元担当編集者の野田一史と結婚し専業主婦状態になっていた。
そんな中地元の知り合いから一本の電話がかかってきた。
内容は友人の中島淳が亡くなったというものだった。
その知らせに思わず笑いが止まらないのだった。
何故ならかつて中島に30歳になる前に死ぬからと予告されていたからである。
そしてその時に俺が生きていた証拠みたいなきれいな物語を書いてほしいと言われた事がきっかけで午睡の国が出来上がったのだった。
主人公アオイも中島がモデルである。
葬儀のために地元大阪に戻ろうとするが気が乗らない理津子はそのまま渋谷のビジネスホテルに宿泊。
その後理新しい担当となった編集者の小出とばったり出会した理津子は小説のモデルの知り合いが亡くなった事、手紙が送られてきたのに無視した事などを話した。
そして小出と中島の死の真相を探るため大阪に行くのだった。

理津子から感じられる破壊的な人生を相手が送ってしまうような粘度が作中ずっとジワジワくる作品だった。
続きがどうなるのか気になる終わりだった。

0
2021年12月02日

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