【感想・ネタバレ】武士の流儀(五)のレビュー

あらすじ

夫婦そろってお節介!? 若隠居が庶民を助ける!

酒問屋に嫁いだおはまは、姑や夫からの辛い仕打ちに耐える日々を過ごしていた。
ある日、憔悴してふらふらと大川に近づいたところに桜木清兵衛が通りかかる。
身投げしそうな様子を案じて声をかけた清兵衛は、おはまを送り届けるのだが……。

町奉行所で風烈廻りの与力だった若隠居・清兵衛が庶民を助ける人気シリーズ第5弾!

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Posted by ブクログ

武士の流儀というよりは、より広く、人生の流儀というテーマになってきた。

家庭内不和、まさかの貧困。

[この世に楽なことなどない。
みんな苦しみもがきながら生きているのだ。自分だけが不幸だと思うのは身勝手なことだ。

そんな幸せな人はいない。ほとんどの人は、苦しんだり、辛い思いにたえて、ほんの少しの幸福を得ることができると思うの。]

夫婦で価値観が合っているところが、面白い。

妻に先立たれて支えがなくなって男の再出発や、孤独から立ち直る料理人の話。

孤独な男の話は、身につまされる。

[人の命には限りがある。これからはその恨み辛みを水に流し、人のいうことを受け入れ、そして褒めてやれ。]

有限性を意識しつつ、如何に生きるか。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

私が、コレクションしているシリーズ物。
北町奉行所与力を労咳で引退し息子に譲った若き隠居。
桜木清兵衛は、遺書の見立て違いで気管支炎で完治。暇だらけの隠居時代を妻安江と二人暮らしで散歩ばかりをして、暮らしている。

元々敏腕の与力、ついつい市井の人々を観察しては、通りかかった災いに手を貸してしまう。妻からはもはやおせっかい病といわれている。

こんかいも、与力をしている息子の憂鬱や、昔馴染みの元岡っ引き、腕はいいのだが生来実家でも冷たくされ、人付き合いのできない板前などを救うことに。

このシリーズ、全編悲惨な情景もなし、殺し合いや、剣撃も少なく、大きな事件を解決するでもなく淡々とすうんで行くのだが、それがじんわり心に響いて気持ちの良いシリーズなのだ。

時代小説というジャンルではあるが、もしかしたら精神衛生上の癒しを与える読み物でもあると思う。

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2021年05月23日

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