【感想・ネタバレ】ここから先はどうするの―禁断のエロス―（新潮文庫）のレビュー

澤村伊智 / 彩瀬まる / 木原音瀬 / 樋口毅宏 / 窪美澄

官能小説の依頼に難航していた女性ホラー作家は、女性同士のカップルの後をつけ漫画喫茶へ。隣の壁に耳を澄ませ聞こえてきたのは、衣擦れ、溜息、潤みの音で……（「壁の向こうで誰かが」）。医師の寺沢は急患の老女の足に驚く。爪先に向かって細く、指は折り畳まれ、足裏は窪んでいた。纏足だ。それは、性具だった――（「Lotus」）。歪んだ欲望が導く絶頂、また絶頂。五人の作家の官能アンソロジー。

[ブクログ · ★★★★☆]

＊官能小説の依頼に難航していた女性ホラー作家は、女性同士のカップルの後をつけ漫画喫茶へ。隣の壁に耳を澄ませ聞こえてきたのは、衣擦れ、溜息、潤みの音で…(「壁の向こうで誰かが」)。医師の寺沢は急患の老女の足に驚く。爪先に向かって細く、指は折り畳まれ、足裏は窪んでいた。纏足だ。それは、性具だった―(「Lotus」)。歪んだ欲望が導く絶頂、また絶頂。五人の作家の官能アンソロジー＊

こ、濃ゆいです･･･!!ぬったりもったり、まとわりつくような濃度の読後感。禁断のエロス、と言うか、禁断の闇、と言うか。一風変わった感触の1冊。

[ブクログ · ★★★☆☆]

官能小説アンソロジー。
木原音瀬を目当てに読む。フェチのお話。纏足が題材になっていて、さすがの独特の雰囲気が、とても面白かった。最後の「清々した」という一言がまた良い。
窪美澄さんのも良かった。義父と娘との恋のお話。ドロドロになりそうな題材なのに、人を愛することへの前向きな感じに仕上がっていて良かった。
その他の作品も、なかなか興味深いお話で、面白い。
残念だったのは装丁のデザインの悪さ。この色合いで本屋に並んでいたとして、まぁ、まず買わない。「官能」がテーマなら、もう少しセンスの良い装丁にしてほしかった。ので、☆は3つで。