【感想・ネタバレ】ライドンキング(3)のレビュー

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この世の乗れるようなもの(生き物・機械)全てを乗りこなし、国家すらも乗りこなす武術・格闘技の達人であり、プルジア国民から絶大な支持を受けるプルジア共和国終身大統領アレクサンドル・プルチノフ。 
彼は、とどまる所を知らない自身の騎乗欲を持て余す日々を送っていた。
ある日、愛虎テムルにまたがり政務に向かう途中、テロリストの襲撃を受けてしまう。
難なく、テロリストを撃退するも、その衝撃に耐えきれずそばにあったプルチノフの像の頭部が崩落し、彼に直撃する。
その衝撃で気を失った彼が、目を覚ますと、そこは人間とモンスターが跋扈する異世界だった!
ワイバーンを始め、魔熊、魔狼、ケンタウロスなど様々な、プルチノフが騎乗したことがない乗り物(?)と遭遇する中、自分の欲を律し、よき指導者として民とモンスターを導く姿に心打たれる一作だ。

異世界すらも彼は乗りこなしてしまうのか!?

ユーザーレビュー

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ジェラリエ……

プルチノフスキー 2021年01月08日

意外と伏線があったというか、驚愕の展開。ケンタウロスたちの複雑な歴史、そしてケンタウロスの子供を誘拐し王都に売り飛ばしていた貴族の女騎士、ジェラリエにも予想外の過去が……。
これは邪悪だと思っていた彼女への見た方が変わる。作者の掌の上で踊らされ、気持ちよく騙された。
あと大統領がライドンでなくフュー...続きを読むジョンしちゃった時の落胆ぶりには笑いました。

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Posted by ブクログ 2019年11月15日

相変わらず面白く読ませる。
今巻はスーツ姿で交渉に臨む大統領のかっこよさに痺れる。普段は上半身裸のオッサンなのに、見せ場じゃダンディな正装でキメるとは反則!!でもあのスーツどこから持ってきたの……登庁シーンで既に脱いでた気がするけど魔法で出したんだろうか。

今回は村での激闘が演じられるが、大統領率...続きを読むいる一派の活躍が痛快。ケンタウロスだって男気に惚れます。
合体シーンはまさかの……でしたが。
弱きを守り強きをくじき、悪には鉄拳制裁も辞さぬ生き様がかっこいい。

今巻は異世界の社会構造や差別も興味深かった。
人間に差別されるケンタウロスの中でもまた差別があり、罪人や奴隷は馬の脚を切り落とされる。
それがただ残酷な刑罰ではなく、食料事情から来る実際的な処置として描かれているのがすごい。
忘れがちだが被差別者の中でも差別があって、さらに弱い者が虐げられる。
鬼人や亜人の奴隷を孕ませるクズ領主といい、実際に亜人と人間が同居する世界があったらこういうことが起こりえるよな、という説得力がある。
頭の中だけで考え出され完結する虚構のファンタジーじゃない、現実世界とも類似するシビアな搾取の構造と種の違いや集団内の優劣に起因する根深い差別問題、それによって生み出された犠牲者たちの存在が、いちキャラクターとして描写されることで酷くリアルに迫ってくる。

女騎士はまだ何か目的がありそうだったのに退場してしまったが、本当にこれきりだろうか。
この世界ならネクロマンサーでも現れて復活させてくれるんじゃないかワンチャン期待してるのだが、それをしたらしたで緊迫感が薄れそうだし難しいところ。
冷酷非情だが信念に高潔な彼女なら、自分と同じ境遇で産み落とされた者どもがなんぴとにも脅かされず生きられる王国を築き上げようとしてもおかしくない。
これで終わりでは惜しすぎるキャラなので、今の彼女に至る経緯や生い立ちなど掘り下げてほしかった。

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