あらすじ
サン・マロの塔の大爆発で死んだと思われていたロレンツォは生きていた! かつてロレンツォが殺したスペインの王太子アルフォンソの部下ロドリゴが同盟をイサックに持ちかけ、イサック、ゼッタ、ロドリゴの3名はロレンツォを追う! いよいよここが正念場! 最後の戦いが始まる! 万感の完結巻!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中世ヨーロッパ、30年戦争最中に二丁の抜群の性能を誇る火縄銃を巡って2人の日本人銃士が争う侍ファンタジー完結編。この作品の主人公イサックは元は銃を作る親方に師事していた職人だが、同じく師事していた武士のレンゾウが親方を殺して持ち去った銃を探す中で結果として渡欧。レンゾウを師匠の仇として追いつつ、二丁の最高の銃のうちの一丁を携えて、30年戦争最中の欧州で主にプロテスタントのオランダ方に味方について傭兵としても働く。誠実な人柄と抜群の腕を持つことで味方となる人物も得ながらついに仇と最後の戦いに挑むのがこの最終巻。なぜにヨーロッパに日本人?と思うかもしれないが、実は大坂の陣以降、徳川方に敗れた浪人武士たちは結構な人数がアジアやヨーロッパにたどり着き、傭兵として働いていたらしい。日本は当時戦国時代の動乱が残っていたという時代で、日本の火縄銃は戦乱の世を経て世界最高性能となり、それを操る武士たちの腕もまた世界的には一流であったのだ。そんなわけで、物語はもちろんフィクションだけど、全てが荒唐無稽というわけでもなく、また日本人が銃一丁で活躍する姿はなかなか胸踊る展開で楽しませてもらった。30年戦争についても、結局読み終わっても把握しきれてないけど、なんとなく知識を得られた。毎巻楽しみなここ数年だったので終わるのは寂しいが、とても読後感の良いこの作品に出会えたのは本当に良かった。コロナ禍も楽しみにさせてもらったので深く感謝。
完結
ロレンツォとの最後の戦い。
読者は少なくとも勝敗はどうなるかはわかって読んでたわけだが、
きっちり描かれた。
真刈作品は唐突に終わるものも少なくなく不安だったけど、
本作は無事完結。お疲れさまでした。