老いた未来にこんな渋い生き方ができるなら、年齢を重ねるのも悪くないと思わせてくれる作品。
10代20代だけが主人公じゃない。60近い渋メン爺さんバルド・ローエンが主役のファンタジー冒険(グルメ?)活劇。
全盛期を過ぎた英雄騎士が、名誉も地位も財産も捨てて、身一つで残りの余生の本懐を探しにでる生き様が渋くカッコよく描かれています。
もう体はうまく動かないけど、年齢を重ねて得た重厚な経験と知恵で危機困難を乗り切るバルド・ローエンのスマートさに、年上好きの女性もメロメロになっちゃうかも?!
時折挟む、食事シーンも味わい深く表現されていて、居酒屋で一杯やりながら読みたくなっちゃいます。
年取ったなーと感じちゃう年頃のセンチメンタルな中年男性諸君!必読です!
感情タグBEST3
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匿名
転生じゃない異世界
漫画で読み初め、なろう転生系かと思いきや大違い!
流行りのオジサングルメ?いやいや、グルメもありきのお話です!
絵は凄く綺麗だし、バルド殿を代表にキャラも魅力的で買って損は無いかと!
アニメ化されないのが不思議なくらい最高です!!
成熟した威風堂々
主人公のバルド・ローエンは、老いを避けがちな自分とは対照的な、成熟した真の大人としての理想像だ。
引退しているとはいえ、かつて正道を歩んだその生き様は変わらず、弱者を助けずにはいられない。その堂々たる風格は、他の誰でもない、まさに騎士と呼ぶにふさわしい存在だ。
修羅場での落ち着きは、その実力と経験に基づくものであり、護るべき者がいる状況では破格の強さを誇る。その力強さの裏には、無理がたたって寝込むほどの老体があり、その限界も垣間見せる。だが、その矛盾こそが一番の魅力なのだ。
関わるもの全てが、騎士なのに気さくで飾り気のない彼に惹かれ、敵すら敬意を持って接する存在だ。登場する仲間も、個性が強くて存在感のあるキャラクターばかり。彼らとバルドとの絆も、この作品の魅力を高めている。
のんびりと食を楽しみながら旅するバルド一向と出逢う人々との交流を、じっくり描いているのがこの作品の持ち味だ。しかし、現代コミックのジェットコースターのような展開に慣れた読者には、この緩やかなペースが逆に物足りなさを感じさせるようで、作品の評価は賛否両論あるようだ。
また、このコミックを友人から薦められた時、まだまだ若く現役でありたいと願う自分には、「老騎士」というテーマが、相容れないかもしれないと思ったのも事実だ。
だが、バルドがふと漏らす『やるべきことはやってきた、あとは生きて死ぬだけだ...』は、老いや死の概念を避けがちな自分にとって、衝撃だった。この死生観は成熟した大人特有のものであり、懸命に生きるには、そのリアリティと向き合う勇気が必要なのだと痛感させられた。
この成熟と衰えを共存させるバルドは、自分が避けてきた「老い」に対するネガティブな見方を塗り替えた。たとえ肉体は衰えてもそれはそれとして受け入れ、終わりが無い頭脳と心の磨き上げに精進する姿勢が、大人としての老いなのだ。
読み進めるうち、「出逢いに感謝し、知ることを楽しみ、様々な試練にも動じることなく、常に矜持を持って挑む老練な騎士」の真摯な生き様に惚れ込んでしまった。
この姿こそが最も価値のある「学び」だ。仕事も趣味も精進を続け、多様な経験からの洞察を得ながら、最期の日まで誇り高く生き抜くーーそれが、この作品とバルドが自分たちに訴えかけるメッセージなのだ。
深みのある物語
最近では珍しい深みのある騎士の物語。
転生でも転移でもなく、異世界でもなく、チートでもない。
一人の騎士の生涯の現在と過去を交えながら物語が綴られていく。
魔女の話は感慨深かった。
食事のシーンもシンプルで、食器などの小物も味わいがあって物語を盛り上げる。
Posted by ブクログ
原作既読。なろう産だけどなろう系ではない。
原作の話の流れと全く違うように作られているので少し驚いた。
老騎士が主人公。渋い。格好いい。歩んできた人生の重みがある。
最近の「老人が主人公!でも転生して若返って無双!」とかいうのにげんなりする人におすすめ。
旅の途中でちょくちょく美味しそうなものを食べていくはずなので今後も楽しみ。1巻ではお魚美味しそうでした。
巻末の書き下ろし小説がアツかった。若さっていいなあ……。