あらすじ
広州の防備を固め英国海軍を迎え撃つ林則徐だったが、敵は守備の薄い定海まで北上、難なく占領する。北京では政敵の軍機大臣・穆彰阿が林の排除を道光帝に献策、これにより林は欽差大臣を罷免される。その後停戦が成立するが、香港割譲を含む諸要求を突きつけられ、皇帝は激怒、再び兵を起こす。(全4巻)
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Posted by ブクログ
★★★2017年7月レビュー★★★
組織が古びてくる、というのは恐ろしい事だ。優秀な人間が排除され、無能な人間が跋扈する。清国の末期もまさにその状態だったようだ。第3巻では、林則徐が左遷され、英国に対して媚びるだけ媚びて、何としても戦争を回避しようとするだけの琦善(チシャン)が赴任。
戦争は回避するに越したことはないのだが、相手の言い分を聞くだけでは、結局傷口を広げてしまうことになる。準備不足で戦争に挑むことになり、優秀な指揮官を失ってしまう。
英国側も、林則徐を好敵手として尊敬していたようだ。
下関戦争の際の高杉晋作を思わせる話だ。