【感想・ネタバレ】新装版 阿片戦争 (四)のレビュー

あらすじ

道光帝の命により、戦闘が再開されるが、腐敗した清国軍は各地で連戦連敗。怒れる民衆たちも「平英団」を組織して英国軍に立ち向かうものの、上陸した英兵により国土は阿鼻叫喚の地獄と化す。林則徐は敗戦に慟哭の想いを噛み締めるが、新時代への変化に希望も感じつつ新たな任地・新疆へと旅立つ。(全4巻)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

★★★2017年7月レビュー★★★


長い長い物語が終わった。連維材、林則徐、王挙止・・・多くの魅力的な人物によって彩られた物語、史伝だった。もっとも心の残ったのは深刻な政府、官僚組織の腐敗だ。皇帝への報告は虚偽に満ちたものであり、だれもが責任回避しか頭にない。
本当に責任感をもった、誠実な人間は左遷されるという恐ろしい事態。「過去の中国のこと」と切り捨ててはいけないと思う。現在の会社などの身近な組織でも起こりうることだと感じた。


次に、英軍による残虐行為。1840年時点においても、兵隊による残虐行為が横行していたのか。坂本龍馬が感銘を受けたという「万国公法」たるものは機能していなかったのか。そもそも阿片戦争自体が大義のない戦争であるが。


最終巻では、多くの人物が戦火に倒れた。
カン・ギタンの最期は非常に残念だ。あんなに活発だった若者が、わけも分からず死んでしまったのは悔しい気がする。

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2017年07月28日

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