【感想・ネタバレ】源氏物語 巻七のレビュー

あらすじ

不義の子を産んだ女三の宮が出家し、柏木は病死。夕霧は柏木の未亡人・女二の宮への恋に迷う。最愛の紫の上に先立たれた光源氏は悲嘆の末、ついに出家を決意する。光源氏亡き後、出生の秘密に悩む女三の宮の子・薫と明石の中宮の子・匂宮を中心に、新たな物語が始まる。第7巻は、柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法・幻・雲隠・匂宮・紅梅を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ついに源氏の院が亡くなる。有名だけど、彼が死ぬところは明確に描写されない。ただ、雲隠というなにも書かれていない帖があるだけ。このシンプルで潔い形に、紫式部すげえ!と思う。そしてこの巻の最後に、今までちらとも出て来なかった、宇治の姫君に匂宮が想いを寄せているということがたった一文書かれているのもぐっとくる。これで読者をひきつけ、次へ次へと急がせる。現代の小説家にもこんな潔くてドラマティックな小説を書いてほしい…これを読んでしまうと現代文に魅力を感じなくなる。

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2012年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

恐らく源氏物語のクライマックスだろう。光源氏御寵愛の紫の上が亡くなり、それを追うように源氏も息を引きとる。こんなにエキサイティングで、ページをめくる手が早くなる巻は今までになかった。

一番印象的な巻は、「雲隠」。この巻は題名こそあるものの、文章はない。開くと真っ白で、一瞬印刷ミスかと思ってしまうほど。次をめくると、新しい物語が展開している。どうやら源氏は亡くなったらしいと悟る。なんとインパクトのある巻だろうか。

源氏物語ではどんなに主役級の人の死でも、読み飛ばしてしまうくらい、呆気なく語られていることが多い。随分進んでから、「あれ?死んでる?」と思って読み返すこともしばしばだった。なので、光源氏の一巻を使った最期の演出はとても感動的だ。

主人公がいなくなったのに、まだ源氏物語はあと3巻も続くらしい。何が語られているのか、そちらも楽しみだ。

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2012年03月02日

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