あらすじ
四十の賀を迎えた源氏のもとに兄朱雀院の愛娘・女三の宮が降嫁し、思わぬ波乱の幕が開く。紫の上は苦悩の末に発病、女三の宮を垣間見た柏木は恋慕をつのらせ密通、不義は源氏に露見する。それぞれの苦しみを抱えた男女が織りなす圧巻の心理ドラマ。第6巻は、若菜 上・若菜 下を収録。
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Posted by ブクログ
波乱の帖。
源氏の兄の朱雀院の娘である女三宮が、源氏の元に嫁いできた(こんなプレイボーイの弟に愛娘を託すなんて…)。晩年になって夫が新しい妻を迎えたことに紫の上は動転し(そりゃそうよね)、どんどん身体を壊していく。源氏は幼妻である女三宮に満足できずにいる(周囲の人はだいたいそうなると思ってたと思うよ)。
一方、かねてから女三宮に好意を寄せていた柏木は、仕方なく彼女の姉の女二宮と結婚している(かわいそうな姉…)。でも、ついに恋心を抑えきれなくなってストーカー行為の末、女三宮に子どもを宿してしまう(犯罪者!!!)。
もちろん子どもは源氏との子、ということになっているのだが、源氏も薄々事実に気づく(っていうか、昔同じようなこと、あなたもしたでしょ?)。柏木はなんてバカなことをしたのだろうと後悔し、こちらも身体を壊していく(本当にバカな男!!)。
と、突っ込みどころ満載のエキサイティングな一冊に仕上がっている。
源氏物語はこんなに長いのに、きちんと伏線が張られており、そこが物語に重厚感を出している。また、紫の上の感情の起伏の様子は現代の女性にも通じるところがあると思った。