あらすじ
いざ、決戦の時――! 「あやかし課」は祇園祭を守り切れるのか!? 祇園祭の山鉾略奪を企む、京都信奉会の船越。さらに彼は、「あやかし課」のエースにして、信奉会の教祖・神崎武則の実の息子である坂本塔太郎の命も狙っていた。祇園祭を守るため、古賀大達あやかし課隊員は、八坂神社の祭神の力を借り、ある作戦を決行することに。そしてついに、警察の威信をかけた全面対決の火蓋が切られ……。シリーズ累計22万部突破! 第七回京都本大賞受賞の大人気あやかし警察小説、待望の第7弾! 文庫オリジナル。
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Posted by ブクログ
祇園祭を守るための、まさに大決戦。
これまでで一番規模の大きな闘いに、読むこちら側もかなりの緊張感と緊迫感を持って挑んだ心地。
最初は優勢、後に逆転され、また逆転し返し、そのまた……を繰り返す一進一退。
ページを捲る手に本当に汗をかいていたところにある人物の登場。
本気の絶望感を覚えて鳥肌が立った。
あの時、まさに現場の隊員とシンクロしていたと思う。
そこからよくぞ、よくぞ。
これで敵側も暫くは体制の立て直しを余儀なくされ、暫しの猶予はできただろう。
ただ、こちら側の被害も甚大。
特に塔太郎の犠牲っぷりが……あの場面は本当に息が詰まった。
本体を相手にしていないのに、これだけの犠牲。
最終決戦が今から怖い、本当に怖い。
本気で身をぼろぼろにしてまで闘った塔太郎に、最後に救いのエピソードが。
塔太郎、解放の瞬間。
そこに立ち会ったのが大ちゃんだったのは、もう必然だっただろう。
今回活躍した総代くんには非常に気の毒だが、二人の間にあるのはもう恋を超越したものになりつつある。
この二人の絆、想いの強さは、きっと最終決戦のときの助けにもなると思う。
助けというか、支柱というか。
自分の中にブレずに立ち続ける柱。
この二人の間に割って入るのは、もう無理だと思う……まさるもいるしね。
その辺りの決着もどうなるのか、引き続き楽しみなシリーズだ。