あらすじ
岡島タエ子は東京生まれ、東京育ちの27歳。親戚の紅花農家を手伝うため、休暇をとって夜行列車で山形へと向かう。その車中、田舎を持つことに憧れた小学5年生の記憶が溢れ出す――。緻密に組まれた構成と、繊細な美術が、等身大の女性の心象風景を鮮やかに描きあげた、高畑勲監督の不朽の名作。完全新編集でシネマ・コミックに。
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Posted by ブクログ
おもひでぽろぽろのシネマコミック。
監督が宮崎駿さんじゃなく高畑勲さんということで、
ジブリの中でもかなり雰囲気の違う作品だと思う。
時代の流れやいつになっても変わらぬ大局を踏襲しているし、なによりジブリならではの作品から漂う懐かしさがもっともにじみ出ている作品だと感じていたので、
読んでみて映画のその感じが思い起こされてよかった。
現在の話と5年生の頃の話、台詞と心の声や語りの声を
コマ割りの枠線や台詞の枠線でわかりやすく示されていて映画のときの進行の仕方が感じられた。
読んで、また映画が見たくなって見ると、
思い出との対話という部分が描かれているすばらしい作品だと改めて気付かされた。
「なんで5年生のわたしをつれてきてしまったんだろう。」と自分に投げかけながらも思い返し、対話をすすめ、
整理したり、誰かと共有することでまた新たな思い出を生み、思い出は生きる自分を作り出していくという構造を示していてその過程がすごくよく描かれていると思う。
そして最後にその「5年生のわたしたち」につれられて田舎に向かっていくというシーンが素敵でとても心に残った。