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匿名
9巻
厄介そうな研修医が来たな〜!!!って感じでした。
どっちもどっちで面倒くさそうなカップルだな…という感想です。
苦手な人も多いかもしれません。
・わからない事は、患者本人に聞くのが一番いい。ネットを見てもそこに答えはない。
・宗教や人種に関わらず、患者の文化や背景を尊重する姿勢を持った上で、
患者と対話して理解し、出来ることをする。それが医療者としての基本姿勢。
・患者とのコミュニケ―ションはとても難しい。闘病生活では、普段穏やかな人でも心が不安定になりがち。
学んだ基本的な事を実践するのも大事だが、自分のペースではなく患者の反応を見ながら話すことはもっと大事。
Posted by ブクログ
病院薬剤師を描く9巻は短編を挟んで、少し腰を据えた中編が始まった感のある巻である。
ざっくりと内容を見てみると、
・在日イスラム教徒の患者(女性)への応対
という短編的な2話完結の物語が描かれて、残る3話分で
・病院実習に来る薬大生
・糖尿病を罹患したグルメ系の雑誌の編集長
・薬大生と旧知の妊婦(※正確にはパートナーが旧知)
といった辺りがトピックとして描かれている。
後編の展開は次巻にまたがる形で、どれくらいの規模感は現状分からないが、中編~長編の形で描かれてそうな重さのある新編である。
宗教、あるいは異国の文化の違いや言語上の問題、そこから生まれてくるトラブルといった前半の内容も興味深い。
しかし、やはり中心的なのは後半だろう。
このエピソードでは
「改めて(研修生の視線を通して)病院薬剤師の実際の仕事を分かりやすく描く」
という意図が感じられる。
この物語を通じてトピック的に現場を知ることはできるが、現場を知らない読者としてはこうしたエピソードは望ましいものがあった。
関係者からすると、少し基本的過ぎるかもしれない。だが、それが逆にありがたい。
同様の視点で見ると、糖尿病患者の飯島さんにおける齟齬は興味深い。
おそらく医療従事者の視点では
「ああ、居る居る。病気を甘く見てる患者の典型だなあ……」
ぐらいの感覚で見てしまうだろう。
ただ、この物語上の描写を見ていると、医療の素人の側からは
「本当に患者に対する説明は果たされているのか?」
という疑問点が浮かんでくる。
彼女には「一生付き合っていかないといけない病気が発覚した」という自覚が欠けているが、その自覚を促す(明確にコンテクストを定める)行動はインフォームドコンセントの範疇に思える。
作中ではあくまで薬剤師の説明が描かれているに過ぎない。
ただ、お互いが前提にしている認識に齟齬があり過ぎるのが目に付くのだ。
色々な意味で今回も興味深く読ませていただいた。
今回も星五つで評価したい。