あらすじ
ウーバーを見出して1000万円を100億円にしたカリスマ投資家、その率直すぎる教え
「ジェイソン・カラカニスは、エンジェル投資ゲームをハックして勝ち残ったトップゲーマーのひとりであり、彼にはこれを書く資格が十分にある。真摯で身も蓋もないゲーム攻略法であるが、よくぞここまで書ききったと称賛したい」――孫泰蔵(日本語版序文より)
著者のジェイソン・カラカニスは、設立10年で会社評価額が7兆円を超えたデカコーン、ウーバーの最初期に投資した人物。ほかにも多くのスタートアップに投資して巨額のリターンを得ており、シリコンバレーで大きな成果を出しているトップクラスのエンジェル投資家である。
◆エンジェル投資家とは
誰も実現性を信じないプロジェクト、最初期の非公開企業に投資する人のこと。投資相手の起業家は実績が少ない、もしくはゼロだ。一般的な投資に比べてリスクが高く、それだけ期待するリターンも大きい。
スタートアップの創業者が絶体絶命になったとき、天使よろしく窮地から救い出す役割から名づけられた。
◆ジェイソン・カラカニスの教えの例
◎「どのプロダクトが成功しそうか」など私には絶対に予測できない。だから「どの人間が成功しそうか?」を判断する努力をしなければならない。
◎人生は短い。ひどいはめられ方をしても、そいつを人生から永久に厄介払いできた小さな代償だと思え。
◎ウソで始まった関係は必ず涙で終わる。妄想なら受け入れていいが、ウソには絶対に近づくな。など
◆スタートアップ投資の基礎知識とノウハウが満載
◎ピッチミーティングで何をすべきか
◎創業者に尋ねるべき4つの質問
◎10億ドルの創業者を見つけるには など
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
印象に残った記載のメモ。将来的にエンジェル投資家になるような目があるようであれば、借りるのではなく是非購入したい本。
・エンジェル投資家は世界をよりよくする伝道師であること
・エンジェル投資家は創業者に大きくものを考えてもらうための盾になること
・エンジェル投資家とは、プロダクトやビジネスモデルに投資するのではなく人に投資するということ
・エンジェル投資家は自分の使命を熟知し、苦しいときに逃げ出さない創業者を支援し続けること
・エンジェル投資家は常に脱学習し続けなければならないこと
・それぞれの投資についてディールメモを残す
・ビタミンか、鎮痛剤か
Posted by ブクログ
エンジェル投資家の考え方、リアルについて、記載された本。個性やその世界観が表れており、面白いとともに、関連した業務を行なっていると大変参考になって良い。
<メモ>
・エンジェル投資家が探しているのは、ワイルドカード。優れた創業者はほぼ全員が頑固で熱狂的なワイルドカード。つまり自分のビジョンを追うことに懸命で他人の感情などには全く注意を払わない人種。
・投資家への重要な4つの質問
1この創業者はなぜこのビジネスを選んだのか
2この創業者はどこまで本気なのか
3この創業者がこのビジネスで成功するチャンスはどのくらいか。人生ではどうか
4成功した時の収益や私へのリターンはどのくらいか
・有能な創業者であるかどうかを図る質問
1競合について教えてください。
2どうやって利益を出しますか。
3顧客にはいくら請求しますか。
4平均的な顧客はいくら使いますか。
5このビジネスが失敗する理由のトップ3を聞かせてください。
→有能な経営者は簡潔に明確に答えられる。曖昧に冗長に的外れな回答、能天気な回答する人は失敗する。
・人は自分に嘘をつき、投資家に嘘をつき、世界に嘘をつくが、事実に関わる嘘(フェイスブックやグーグルのような)と高遠な目標(妄想ともいう)との間には違いがある。全てがうまくいけば後者はうまくいく。
・投資家に月次報告を送らないスタートアップは廃業に追い込まれる。最新状況を投資家に知らせることは創業者にとって絶対条件。
・再投資すべきかのシンプルな指標
売上を上げているならばその後の売上が予測できるはず。ブリッジ資金を提供する場合、その金で何を提供できるか、創業者と率直な会話を行うべき。ゴールと新しい資金でスタートアップがどう変わるのかをプレゼンさせるべき。多くの創業者は機能のデスマーチと呼ばれる状態、すなわち機能を追加すれば現状を打破できると信じている。ほか救世主探し、パートナーパレードなどの症状がある。
・
Posted by ブクログ
VCとエンジェル投資家はほぼ同じだと思っていたのですが、まったくちがうものだと本書を通じて理解した。
本書を読んで、エンジェル投資家という職業を理解し、また自信でもできる可能性を感じた。
一方でこれから起業を目指す人にも、おすすめしたい一冊。
Posted by ブクログ
(シリコンバレーにおける)起業についての本は多く存在するが、本書はエンジェル投資家の視点で語られているという点でそれらとは一線を画している。
エンジェル投資で「稼げる」理由、エンジェル投資家として成功するための心構え、成功する創業者の見抜き方、投資〜利益確定までのプロセス、という順で本書は構成されており、どの箇所も著者の具体的な経験に裏打ちされた著者なりの見解/エピソードで(かつ、著者らしい歯に衣着せぬ物言いで)埋め尽くされている。
著者の主張の多くは実際にエンジェル投資家を目指す(可能性のある)読者を想定したものだが、そうでなくても日常の仕事で役立つような考え方もあった(機会損失、シンジケートによる小口参加、原子ビジネスとビット・ビジネスにおけるスケーリングの速さの違い、経験則の誤り、質問の仕方/掘り下げ方/指示の仕方/断り方、負けた時の対応、マスコミとの関係等)。
また、(シリコンバレーにおける)起業エコシステムやスタートアップ企業の資金調達について詳しくない読者がその概要を掴むにも良いかもしれない。ちょうどHBOのドラマ「シリコンバレー」を視聴しているタイミングだったため、スタートアップ企業の生活への理解を深めることができた。