あらすじ
大国ブラーゼンで人質としての日々を過ごす小国の王女ティアリス。
身分の低い母を持つ彼女は、祖国でもブラーゼンでも冷遇されていた。
だがある日、ブラーゼンの第四王子セヴィオスに出会う。
似た境遇の二人は惹かれあい、愛しあうようになるのだが、
セヴィオスの愛はやがて排他的な狂愛に変わっていく。
彼の異常な愛に気づかず、王となった彼のために身を引こうとするティアリスは、
静かに微笑む彼に強引に組み敷かれ、何度も欲望を注がれて……。
一途で歪な聖なる王×薄幸の王女、常軌を逸した献身愛!
感情タグBEST3
善と悪を考えさせられる作品
個人的に大好きな作品になりました。
何が善で何が悪か。。。深く考えさせられる物語。
結局は誰の主観かって事なんですよね。ヒーローとヒロインの幸せの為には全てが正しかったと思います。
ヒロインとヒーローが出会わなければきっと2人とも生きていなかったんじゃないかなぁ。ヒーローがいたからヒロインは救われ幸せになれた。逆にヒロインが居たからヒーローは感情を手に入れ成長し、ヒロインを守る為に強くなった。それが歪んだ執着と愛情からだとしても。
凄く仄暗く狂気を感じる作品でしたが凄く面白かったです。読み終わった後、モヤモヤ感も無く私的にはスッキリした最後でした。
救いのあるエンディング
心の奥に閉じ込めてしまって、自分でも気づかなかった憎しみを抱えた少女と、唯一とも言えるその少女への過保護な愛のためだけに王になった青年の話。
その結果、極端な粛清があったりするけれども、大まかには国がよくなって、大多数の人が幸せになったように描かれていて、二人の関係は歪んでいるにも関わらず、結果的には救いがある終わりになっていると思います。
無垢なヒロインが、狡猾に、性的に調教されて、溺れていく様子が素敵でした。
一気に読みました
好きな作家さん買いでした!
ヒーローもヒロインも歪んでいて、始めはどうなるかと思いましたが、最後までまとまっていて、よかったです。歪んでるからこそ、お互いうまくいったのかな…また、この作家さんの他の作品も読みたいです。
作者買い
健気なヒロインは好きです。
王女でありながら母親が庶民と言う理由で使用人にまで蔑まれてひっそりと暮らすティアリス。子供ながら全てを諦めて不遇な状況を黙って受け入れている。
大国ブラーゼンに人質として差し出され、冷遇されながら日々を過ごしいたが、ブラーゼンの第4王子セヴィオスと出会い毎日が変わっていく。
セヴィオスはとても優秀だが、他人にも自分にも興味や関心がなく人として大切な感情が欠けていた。でも、ティアリスと過ごす内に色々な感情や欲望を待つようになり、ティアリスを傷付ける全てのものから守る為に聖王になる決意をする。
賢王として知られる一方で、ティアリスに対して悪意や蔑みを向ける者には容赦なく処罰をするセヴィオスは狂王としても人々から恐れられる王となっていく。
全てはティアリスを守る為に。
狭い世界だけど、ティアリスの為に作られた優しい箱庭で一生守られていくのも幸せかな。
セヴィオスの世界もティアリスなのだから。
Posted by ブクログ
表紙のイラストとタイトルが一致しないと思いつつ、読み始めました。
最初は穏やかに話が進んでいきましたが、だんだんと血なまぐさい方向へ。
ソーニャ文庫らしい展開が待っていました。
結局、結論としてはヒロインとヒーローは似たもの同士。
境遇が似てるだけではなく、他の部分も。
面白いです
初め自分の意思を持たないヒロインに好き嫌い分かれるでしょうが
読んでいくと
庶子の出で蔑まれ、冷遇されることに傷つきながらもそれを諦め受け入れて流されていたヒロインが後半で、実はヒーロー以上に自分の中に今までの運命に怒りや憎しみを持っていたことを認め
自分の狂気を受け入れる代わりに
初めて一人の意思を持った女性として
強い決意で狂王とも恐れられるヒーローと共に生きていこうと選択するのがよかった
好きな作家さん買い。常に登場人物の感情描写が詳しく書かれ、最後まで一気に読ませるさすがの安定感!ヒーローの歪みはあるものの、ヒロインの存在が彼に人生の目的を持たせている。お互いの一途さがよい。ソーニャだが、ちゃんとハッピーエンド。アオイさんのイラストも好き。