あらすじ
強大な帝国・東乎瑠(ツオル)から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角(どつかく)”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!? たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かう! 解説:朝加昌良
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Posted by ブクログ
岩塩鉱で謎の病が発生し、ほとんどの人が亡くなる壊滅状態の中、生き残った奴隷のヴァンと孤児のユナ。怪我をしているところを助けられ、彼らを故郷オキに連れて行くトマと、オキにいる家族たち。一方で、岩塩鉱の病を調査し、逃げた奴隷ヴァンを追う医師ホッサルと従者マコウカン。全く架空の話ながら、世界のどこかにそんな場所がありそうな設定で、世界観が掴めてくると徐々に引き込まれた。ファンタジーは久々に読んだが、王国の統治の歴史にまつわる争いや、人々の貧富の差、また黒狼病の行方など、重めのテーマも扱っており、読み応えがありそうと感じた。タイトルの鹿は、おそらく飛鹿のことだと思うが、王とは鹿自身のことを指すのか、それとも元飛鹿乗りのヴァンが関係してくるのか、全貌がまだまだ見えないので、引き続き読み進めたい。
Posted by ブクログ
戦に負けて奴隷として囚われていたヴァン。その奴隷達の集団が、ある夜不気味な犬の群れに襲われ、数日後謎の病が発生し、ヴァンと幼子のユナ以外全員が死ぬ。ヴァンは鎖を外し、逃亡奴隷となる。
一方、その集団死亡を発見した国側の動きもある。めちゃくちゃ賢い王国の末裔のホッサルという医者を中心に描かれる。この岩塩鉱の集団死は黒狼熱という二百年以上前に故国を衰退させた病で、ものすごく恐ろしい病だ、ということが明らかになる。ホッサルはこの病を克服するすべを探すため、生き延びたと思われるヴァンを探す……というのが一巻の大まかなあらすじ。
ヴァンとホッサル、二人の主人公が今後どう接点を持ち、どう関わっていくのかはまだ読めない。この物語がどう着地するのかもわからない。人類は黒狼熱を克服できるのか?今にも内戦が起きそうな国の内情だが、そういった話の展開が行われるのか?が気になる。
ヴァンが助けたトマの村での暮らしがしっかりと描かれていて、それがよかった。飛鹿という架空の生き物についてよく想像できる描写が多く、わかりやすかった。トマたちの氏族にヴァンとユナが溶け込んでいく様子がしっかり、じっくりと書かれていてよかった。