あらすじ
裏世界での夜を越すという目標を達成して、さらに深部への探検が可能になった空魚と鳥子。日常と非日常を往復しながら、ふたりの怪異まみれの日々は続いていく。新年早々に開催され、空魚の記憶から消え去った混沌の新宿ラブホ女子会。明らかになる鳥子の大学生活と知られざる内面。裏世界の館で暮らす謎の老婦人。そして、行方不明の男・肋戸の痕跡を追うふたりの前に再び出現する八尺様――人気爆発のシリーズ第5巻!
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Posted by ブクログ
シリーズ第5弾!
今作はラブホ女子会から!
女の子5人でラブホへ行って、やはりそこでも不可思議現象
獅子舞もどきが現れて、無意識裸で踊ってしまう
怖い云々よりも、覚醒した後の羞恥心が大変そう…
あと、ラブホ女子会色々食べててちょっと楽しそうに…思ったり笑
続いてが、中間領域と言うなの鏡の世界へ
つんつんな鳥子ちゃんに翻弄される空魚ちゃん
そんな中空魚ちゃんだけ中間領域へ〜
表世界との繋がりは、窓越し、そして鏡越しに映る鳥子ちゃん
そして不思議源現象を通して鳥子ちゃんから見た空魚ちゃん自身を知る
人から見た自分自身ってだいぶ恥ずかしい気がする
続いては不思議なお家、マヨイガ
突如現れた立派な家は、めちゃくちゃ豪華
そこに住む婦人と犬
普通に良いな、この家…って思ってしまう怖い怖い
恐怖の合間のホンワカな時間の物語
最後は初期に出会った八尺様
初期よりもボロボロで、ボロボロだからこそ絶対見た目は恐ろしいだろう
過去に出会った男性と、その奥様を名乗る女性
女性は本物か、それとも偽物か……
そして裏世界で出会った少女は次の巻で出るだろうか?楽しみ〜!
Posted by ブクログ
ラブホ女子会にチャレンジするコミュ障主人公が楽しめる5巻である。
箸休めのような一章だが、冒頭から飛ばしていて、大変楽しい巻になっている。
章立ては以下の通りだ。
ファイル16 ポンティアナック・ホテル
ファイル17 斜め鏡に過去を視る
ファイル18 マヨイガにふたりきり
ファイル19 八尺様リバイバル
ネットロアという路線からはだいぶズレてきているが、怪異は全般に充実してもいる。
東南アジア圏の怪異(ポンティアナック)や遠野物語に収録された古典的怪異(マヨイガ)などが描かれている巻である。
一冊として見ると、非常にバランスの良い巻である。
後半にはピクニック要素も強く、裏世界を十分に満喫できる内容になっている。
マヨイガに住む外館とハナ、八尺様に取り込まれた先で見つけた少女など、出会った相手が多いのも特徴的である。
中でも外館の伝授で「裏世界に生息する動物の見つけ方」を知ったのは、世界観設計的にも面白いところだ。
荒涼した架空世界ではなく、そこには息づく生命もいるのだというのは、また裏世界を知るうえで一つ大きなファクターになりそうだ。
一方で前半部は二人(空魚&鳥子)の関係に大きくメスを入れる内容が描かれている。
この巻は4巻と合わせて前後編のような、ワンセットのニュアンスがあるかもしれない。
このワンセットによって百合SFとしての体裁は整えられたと見ていいだろう。
少し先走れば、次巻(6巻)で劇場版形式が採られたのも、ここで一つひと段落したからもあったのだろうと思われるところだ。
というわけで、バランス良く楽しませていただいた一冊だった。
本領というべき「裏世界ピクニック」も充実していて、文句なしに星五つで評価したい巻である。
向き合う感情
本当にすごくいい、お二人さんの感情が光を見ったような感じですっっっ笑
今回空魚ちゃんは鳥子の目の中の自分を見て、やっと鳥子の感情を避けることが出来なくなった。なんか自分のこころまでぱあっとスッキリしました。
続きを楽しみしてます!
鳥子の想いの大きさよ
表紙の鳥子の目線の先が空魚なのがもうすでに最高。
「斜め鏡に過去を視る」は必見。鳥子めちゃめちゃ空魚のこと好きじゃん!?ってなる。
Posted by ブクログ
今回の話はバリエーション豊かで、短編集っぽさが強く出ていたように思う。
裏世界に侵入したとき、或いはそれに属するものと邂逅したときの、ひりつくような緊張感は健在で、ホラーをあまり嗜まない身としても(或いはだからこそ)十分に楽しめた。
SF的なアプローチで裏世界の事象を解き明かす面白さは、今回は少し抑えめな気がする。二人の関係性も前回大きく進展した分、これまでのように、最後に解像度が一段階高まって終わるという感じでもなく、終わり方としては少し弱いように感じた。二編目以外は、正直今後回収される要素が多いように感じて、しこりのようなものが残ったので、星4をつけた。
とはいえ、決してつまらなかった訳ではない。鳥子の気持ちに確信を抱きながらも、踏み込む決断ができない空魚は焦れったいが、そういう葛藤をこそ読みたかった。追い打ちをかけるように、本作らしい手法で、鳥子の自分に対する感情の大きさに気づかされるのも良かった。勿論、気味が悪いながらも、どこか心惹かれる裏世界の情景描写は良かったばかりか、ますます磨きがかかっているように思えた。
余談だが、前回くらいから、古い怪談に起源を持つモチーフが取り込まれているのは、なにか意図があるのだろうか。