あらすじ
ある夜、逢坂柚希は幼馴染の紗雪と共に、重大な罪を犯そうとしていた舞原星乃叶を止める。助けられた星乃叶は紗雪の家で居候を始め、やがて、導かれるように柚希に惹かれていった。それから一年。星乃叶が地元へと帰ることになり、次の彗星を必ず一緒に見ようと、固い約束を交わして三人は別れる。遠く離れてしまった初恋の星乃叶と、ずっと傍にいてくれた幼馴染の紗雪。しかし、二人には、決して柚希に明かすことが出来ない哀しい秘密があって……。『蒼空時雨』の著者が描く、狂おしいまでのすれ違いに彩られた、「星」の青春恋愛ミステリー。
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Posted by ブクログ
圧倒的な好き。小6?かな。の時に初めて見て、綾崎さんを応援するキッカケになった1冊です。
こんなに綺麗な表現をする人いるのか!って何も知らなかった私でもわかる素敵なお話。
これからも大切な宝物です。
恋愛もろくにしたことない子供だった私が、とても泣いて「そんなに強く人を想うことは、私にもいつかできるかな」ってワクワクしたのですが、今でも時折読んで当時の気持ちを思い出します。
大人になって「そんなことできるかなぁ」って思ってしまう気持ちもある反面、変わらず当時の気持ちに戻してくれる当たりさすがです。
何が言いたいかと言うと、読んで欲しい!!!それに尽きます。笑
Posted by ブクログ
前半での主人公の恋愛模様から中盤での複線回収。そして終盤できちんとヒロインの想いが叶うという流れ。
あまりにも起承転結がきれいにできていて物語の世界観にはまってしまった。
紗雪の主人公に対する想いがひたすらに一途で彼女を応援せずにはいられない作品。幕間での彼女の考えには感情移入せざるを得ないだろう。
Posted by ブクログ
逢坂柚希と美蔵紗雪は幼馴染。
ある日、罪を犯そうとしていた舞原星乃叶を止め、家庭の事情から彼女は紗雪の家で居候を始める。美蔵家によく出入りしていた柚希に惹かれ始め、付き合い始める星乃叶。2人を見守る紗雪と星乃叶に好意を寄せる琉生との4人で交流するようになる。
やがて星乃叶が県外へ引越しすることになり、柚希は小学生~高校までの間は文通で連絡を取り合うことに。
いつの間にかアメリカへ行ってしまった星乃叶を訪ねようと、大学生の彼が旅立つ数日前、琉生と紗雪が長年抱えていた秘密を知る。
花鳥風月シリーズでは、一番ミステリー部分でびっくりしたかな。
普段感情を露にしない紗雪の想いが誰よりも強烈で、星乃叶を守るために必死で叫ぶ場面は涙が。
自分の幸せよりも、自分の好きな人の幸せを一番に考えることが出来るのは本当にすごい事だと思う。
そしてそんな紗雪を想って、ずっとフォローし続けてきた琉生はイイ男だ。
紗雪が望んでいた形ではないにせよ、最後は3人で暮らせるようになってよかった。
花鳥風月シリーズの中では一番好きな作品。
Posted by ブクログ
昨年の夏ごろに1と3作目を読み、シリーズを通して読んでみたいなと思った。遠くへ行ってしまった恋人への一途な思いと、幼馴染としてその男性のそばにずっといながら、男性の恋人に関する秘密を守り通すためにずっと嘘をつき続ける。切なさ満開の展開。最後にはそれぞれのキャラに「救い」があり、読んでいて一安心。一言で物語を例えるなら「切ない!」という言葉に尽きる。感想はこんなところです。
Posted by ブクログ
再読です。
結婚して、子どももいますが、今でも学生時代の淡い恋は思い出します。
結婚してからは学生時代の想い人には会っていませんが、ちょっと作中の子達と同じで、私の学生時代の恋も叶わぬ恋でした。(ただの既婚者)
思い思われ三人が一生一緒に過ごす。羨ましいなあと思いました。事故で退化した星乃叶は不幸であるけれど、幸せ。
紗雪は、転校生の星乃叶が三日も学校を休んだので、担任からプリントを届けるように任される。
紗雪は、同級生でお隣さんの柚希が、星乃叶に気があることを知っている。
だから柚希も連れて星乃叶の家に行った。
そうすると、星乃叶が家を燃やそうとしてるとこだった。
星乃叶は継母に虐待されていた。
父は事業が失敗して働き詰め。
虐待を知らない。
紗雪の提案と、両親の良心的な計らいで星乃叶も紗雪の家で過ごすことに。
紗雪は友達がいなかった。
唯一無二の友達ができた。
中学に上がると、父親の仕事で新潟に転勤になった。
しかし、新潟に行った矢先、継母と出くわして逃げた時階段から転げ落ち、植物状態に。
紗雪は目覚めると信じて柚希には内緒にして、紗雪が星乃叶のふりをした。
六年つき続けた嘘も、終わりを迎える。
星乃叶の父が末期ガンに。
今月で星乃叶の延命治療を止めることに。
柚希は、紗雪と共謀して嘘をついていた琉生に連れられ病院へ。
そこで星乃叶が六年も植物状態だったと知る。
そして奇跡が起きて星乃叶は目覚めた。
記憶を失って、幼児化した星乃叶。
それでも柚希は星乃叶と生きるといい、父親が死ぬ前に婚姻届の欄にサインを求めた。
だが、父は受け入れなかった。
星乃叶と生きるのは、別に結婚しなくてもいい。
君を思ってくれている人と結婚してもいいじゃないか。
そうして、柚希は紗雪と結婚し、星乃叶を娘として二人で一生をともに過ごした。
Posted by ブクログ
今まで読んだ小説の中で、一番切なかったかもしれない
幼なじみ3人の恋模様
三角関係と言うには複雑すぎて、でも他になんて言えばいいのかも分からない
柚希も紗雪も本当に強いな
好きな人の幸せをただ祈り、自分の気持ちを殺して行動し続けた紗雪
一途に恋人を想い続け、変わってしまった恋人にあってもなお、その愛を失うことなく、側に居ると決心した柚希
どちらの愛の形もそれぞれにとっては究極の形なのかも
先に『吐息雪色』読んでるから、星乃叶が話せるまでになるって分かってても、その先はもちろん読めなかった
だから、本当に終盤にきて、気付いてしまった
『吐息雪色』で星乃叶が両親と遊園地に行ったっていう台詞
あれは、紗雪と柚希を指してるって気付いた時の衝撃が、星乃叶が柚希をパパと呼んだ時の切なさが凄まじかった
それでも、恋人が娘に変わっても、形を変えて愛し続けた柚希がすごい
柚希と星乃叶のことを思うと悲しいけど
後の柚希と紗雪のことを思うとよかったなとも思える
でも決してハッピーエンドとは言い切れない
愛と命の重さが・・・
自分はメイン4人のどの立場になっても、彼らと同じ様には出来ないと思う
小説の中の、架空の人物だと分かっていても
それぞれの愛の形・深さはあまりにも大きく、あまりにも深いなって思った
とにかく、切ない でもそれだけじゃない
だからこんなにも引き込まれてしまったのかも
この切なさから当分抜けられそうにない・・・