【感想・ネタバレ】蒼空時雨のレビュー

あらすじ

ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があった。 二人は自分の居場所を見つけるため、互いに秘密を打ち明け始める。まるで、雨宿りでもするかのように。巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょっと思うところがあって再読しました。

綾崎さんのデビュー作で、『花鳥風月シリーズ』の第一作目です。『好きな人が好きな人を、強がりではなく好きになれたらいい』そんな言葉から始まるお話でした。とても読みやすいのでサクサク読めます。

初めて読んだ時はまだ中学生の子供で成長して、主人公達と同い年になって当時よりも刺さる言葉が沢山ありました。成長してないと思っていたのが、実はきちんと成長していたようで心が痛いです。
子供の頃は純粋に「好き!」だけで行動出来たのが、大人になると恋愛とはまたちょっと違うんですよね。なんでだろう。

決して夢物語ではなく、登場人物たちに甘く優しいだけではない。その塩梅がとても大好きです。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

"吐息雪色"を読んで、気になったので
まさかの後ろから前に戻って読むことに・・・

いくつかの短編で、色んな人からの視点で紡いであって
全てのストーリーは、最後の一話で集結する形で
ホンワカした中にも、ちょっと切なさがある感じ

最初はちょっと微妙かなって思ったけど、今回も先に進むにつれて引き込まれた
伏線、徐々に明らかになる人間関係、そして物語の展開がそうさせてるのかな

今回もそれぞれのキャラがよかったけど
夏音と零央のキャラが全く読めない
特に夏音
夏音のストーリーはちょっと"P.S. I love you"を思い起こしてしまったけど、これはこれで結構好き
ただ、人前と語り手の時とで喋り方が違うのがちょっとねー
人前のは作ってるとは言え、違いすぎて違和感取れないし、同じキャラだと思えなくなってしまった
あと、結構主要なはずの朱利目線が少なすぎて、心情が読み取れず、最後がまさかの形で収まった・・・

にしも、風夏さん・・・吐息雪色の時とキャラ違くない・・・?
でも、いいキャラしてた こっちの風夏さんの方が好きかも

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2013年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読です。

綾崎隼の作品は、一度で二度も三度もおいしい話ですが、どういう話だったか書き出すのが大変です(._.)
時系列が行ったり来たり…。

3歳のとき、両親が飲酒運転で事故を起こし死亡。
犯罪者のレッテルを貼られ、小学校中学校と無視、いじめを受け、中卒で社会人に。
中学校の頃、転校生の舞原に、いじめられてロッカーに閉じ込められたのを見つけられ、舞原は怒りでいじめをした同級生を1週間入院のけがをさせた。
紗矢はその思い出に恋をし、舞原の元へ。
しかし、舞原の高校の先輩、朱利を舞原と間違え、また、朱利も舞原だと偽って、一か月生活を共にした。
朱利も一カ月生活を共にすれば好意を抱いても仕方がない。
元は舞原を訪ねて来た。
一か月経った今、大人になって振られるのは嫌で、母親が倒れたと嘘をつき、舞原が紗矢に告白するチャンスを与えた。
朱利はわざわざ嫌われるように、子供が産めないから付き合えない。と言い残して。
朱利の嘘で紗矢は振り回されたが、結局舞原ではなく、朱利と付き合うことに。

紗矢は交通事故で天涯孤独の身となったが、事故にあって亡くなった被害者の娘、夏音と文通をしていた。
夏音は、この事故で父が亡くなり、再婚をきっかけに兄ができ、その兄と恋に落ちたために紗矢の父にある意味感謝していた。
夏音の双子の妹、風夏は父が好きだった。

風夏は、夫が内緒で有給を取っていたことで浮気を疑った。
妊娠三十週のとき、全治胎盤で出血がとまらず帝王切開をしたが、子宮と子供を失った。
探偵をしている舞原に相談し、夫のパソコンを覗くと、双子の姉夏音が、大学の時、夫とスキーに行っている写真が見つかった。
風夏は、夏音と浮気してると思いこんだ。
夏音は夏音でわざとそう思わせるような口ぶりをした。
夏音の家に乗り込み、夫が夏音の家に帰ってくるといよいよ浮気の修羅場。
かと思いきや、夫は段ボールに犬を入れて帰宅した。
風夏は子供が産めない。
夫は犬を新しい家族、自分たちの子供として迎え入れるために準備をしていた。
その手助けをしていたの夏音だった。

風夏と朱利は高校の同級生で、舞原は後輩。
舞原と朱利は何かにつけて風夏に相談をしていた。
風夏の浮気騒動や、朱利の嘘話のおかげで、五人が顔を合わせる事態に。
紗矢は結婚していた時代があったために、事故を起こしたときの苗字と今の苗字が違ったが、姉の夏音は気付いた。
紗矢は謝ろうとしたが、妹の風夏は父が死んだことを今も恨んでいる。黙っておくようにと止められた。

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2016年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある雨の日の深夜、アパートの前で行き倒れていた譲原紗矢を介抱した舞原零央。
行く当てのない彼女はここに置いてほしいと懇願し、同居生活が始まる。1ヶ月が経とうとした頃、紗矢はここへ辿り着いた経緯を語りだす。
しかし、彼のほうにも彼女に話していない秘密があって。。。

今回再読したけど、とにかく紗矢の過去が壮絶で、「確かめっちゃ暗いんだよな・・・」と読むのが一番最後になってしまった。
でも改めて読んだら、他の登場人物が出てくる中盤は明るかったから昔感じた印象がちょっと変わった。
人違いから奇妙な三角関係になってしまったけど、最後は紗矢が幸せを掴んでよかった。

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2013年11月16日

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