あらすじ
※デジタル版には紙書籍の巻頭・巻末特集やコラムなどが収録されておりません。ご了承ください。【カバーイラストは椎名軽穂先生描きおろし!】仏教勢力を奈良に残し、平城京から平安京へ都がうつされます。平安時代は政治も文化も貴族が中心でした。なかでも藤原氏は100年ものあいだ、摂政と関白を独占する摂関政治をおこないます。文化面では遣唐使の中止もあり、根づいていた大陸文化を独自に発展させた、優美な国風文化が栄えました。かな文字の発明で自由な表現が可能になり、『源氏物語』や『枕草子』などの名作がうまれます。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一時期「光る君へ」でどハマりした平安時代
他の時代とは違ったユニークな「政治」が見られる
色んな媒体で描かれる藤原道長を見てきたけれど
ほんとに運がいいというか頭が切れるというか....
巻末に世界史がちょこっと載っているのもいいね
Posted by ブクログ
大人が読んだ感想ですが、大昔に学校で習ったはずでもすっかり忘れてることが楽しく読めます。
歴史がどうこうというより物語として面白い。人物ばかりでなく背景もしっか描かれてるので当時のイメージがわきやすいです。
絵に関しては、表紙と中身のまんがの絵が全く違うので表紙のみを見て気に入って買うと表紙詐欺的な気分になるかも。
でも、絵柄が違うだけですごく上手いまんがなのでおすすめです。
資料やコラムも充実してます。
Posted by ブクログ
4巻は平安時代その1です。
平安時代の前半は貴族が主役、後半は武士が力をつけてくる時代とすればこの巻は貴族の時代です。
1章は平安京遷都に至るまでのごたごたと、遷都後も桓武天皇を悩ませた蝦夷討伐の話。アテルイと坂上田村麻呂の友情話は涙なしでは語れませんが、学習マンガゆえここは淡々と。
2章は平安時代に登場した新しい仏教の話。要するに最澄と空海のお話です。
3章はいよいよ藤原氏がまたもや政治を牛耳る時代になったという話。平安時代の法関係のややこしい用語が出てくるのはこの章。また、受験生の神・菅原道真公のお話もここで登場します。
しかし。。。平安時代とは名ばかりでこの時代は陰謀に次ぐ陰謀でどこが平安なん?って気もしますけど・・・
4章はいよいよ摂関政治の登場です。藤原氏の絶頂期ともいえる時代。道長の時代になります。そしてこの時代は忘れちゃいけない清少納言と紫式部。作中に文化史の解説が自然に入っているので文化史や文学史が苦手な人でもわかりやすいのでは。
5章は世紀末・末法思想の浄土教が出てきます。平安時代のノストラダムスみたいな感じかな(笑)
ということは宗教史の話か?といえばそうでもなく、班田制や荘園などの経済と税金の話のほうがメインかも。タイトルに「地方政治の乱れ」とあるので、班田制も戸籍制度も崩れてきて、いかに税をとろうかを考えてもいたちごっこ・・・になるという(笑)いつの時代も脱税する人と取り立てる人の追いかけっこはあるんですよねぇ。
章立てで説明するとざっとこんな感じなんですが、後半に行けば行くほどグダグダ感のある構成が気になります。まぁ、そういう時代だから仕方ないのかなぁ。
政治史・経済史・文化史・宗教史とわけて理解するのはほぼ不可能。これでもまだまとまっているほうで、各分野史が複雑に入り組んでいるのは仕方がないと思うしかないかな、と思います。読まれる方はそのつもりで。
Posted by ブクログ
藤原氏が摂政関白で政治を掌握していった時代。皇族との親族関係ではなく、寄進系荘園で財を成し資金を蓄えたのも面白い。
土地に課税する方式へ移行したが、納税を拒む農民は貴族に助けを求め、貴族の庇護に入り、有力貴族へ土地を明け渡してしまう。有力貴族の土地となれば、さすがの受領も手を出せず、税金を回収出来ない。
この仕組みで財を成したのが藤原氏と寺社で、彼らは全国の荘園(開墾した畑)を持つことで、収益源を確保していた。今も昔も、土地持ちが不労所得で安定的に収益を確保し、地元の名士となっているのは変わらないと思うと、興味深い。
藤原氏・寺社のように農民から土地を寄進されることで財をなす一方で、農民自身が武装化して土地を守り、国司や受領に反抗し始めた。これが武士の始まりでもある。