【感想・ネタバレ】新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IXのレビュー

あらすじ

狼の化身ルティアが抱えていた心の呪縛を解き、教科書を巡るアケントでの争いに終止符を打たせたコル。目的であった聖典印刷の目処も立ち、いざ公会議に向け、コルたちは準備を始めるのだった。
全世界の聖職者が集う公会議、来るべき論戦を優位に進めるべく、一人でも多くの味方集めが重要となる。だが、その出鼻をくじくように“薄明の枢機卿”の名を騙る偽者が現れたとの報せが届く。
聖堂都市エシュタットの圧政に立ち向かう“薄明の枢機卿”の名の許に建てられた希望の街オルブルク。かねてからの謙遜が仇となり、自分が本人であると証明できないコルは決断を迫られる――。

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Posted by ブクログ

薄明の枢機卿のニセモノがいる、聖堂都市エシュタット、その圧政に立ち向かう希望の街オルブルク。
トート・コルとミューリらは、書籍商のル・ロワ、ルティア、カナンと放浪説教師ピエレとともに向かう。
王国の意をくんだエーブもやってきて、早期の武力による収束を目指す。
エーブから3日の猶予を与えられたコルは、エシュタットの成り立ち、大市の権利を手放した領主のホーベルン、銅の採掘、埋もれた財宝など、解決策を模索。
堤を切りオルブルクを水没させ、偽物を糾弾したホーベルンを先導させエシュタットに避難民として受け入れさせる。
丘の上に立つ立派な金糸入りの黒い修道服をきたコル・トート。

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2023年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前巻では学園都市アケントでの学生たちの問題を解決したコルとミューリの二人は、教会が開く公会議において、教会改革を完遂させるための準備に突き進んでいく。しかし、その二人にもたらされたのは、コルの二つ名である「薄明の枢機卿」を名乗る偽者が現れたという知らせだった。いずれは予測されるような事態ではあったが、想像していたよりも早く自分の偽物が出てきたことに動揺したコルとミューリは、急いでその偽物が現れたという街エシュタットに向かうのだった。

実際の中世でもよく偽物の聖人のエピソードがあるように、インターネットどころか写真も電話もない時代においては、身元を自分で証明するというのは結構難しい。本作でもコルとミューリは、何回もハイランドの紹介状を持って旅に出ているが、これは第三者の権威がなければ、自分たちの身元を正しく証明することができないということの表れでもある。

そして薄明の枢機卿と呼ばれる存在は、この小説世界においては正統権威へのカウンターという意味があるので、身元を証明するものがなくてもおかしくない。その隙を突いて登場してきたのが偽物というわけだ。

もちろん本物は既存権力を背景にしているのだから、偽物を倒すというだけであればそれほど難しくない。しかしこの巻で話をややこしくするのは、この偽物の「革命の救世主」は、エシュタットという街において教会に立ち向かう新たな街を作っているということなのだった。いわば革命軍が新たな街を作っており、その精神的支柱として、薄明の枢機卿が存在するという構図になっているというわけだ。

当然、そこで偽物を糾弾したとしても、受け入れられるとは限らないし、何なら正統である方が偽物であるということになってしまう。そのことを現地に行って知ったコルとミューリは、問題をどのように解決するか頭を悩ませることになる・・・というのがこの巻の流れとなる。

最終的にはいつものようにコルとミューリが新しいアイデアを思いつき、エーヴやハイランドといった彼らをバックアップする人間たちの協力を得て問題を解決するのだが、今回はそれらの仲間たちに加えて、懐かしの「傭兵団ミューリ」が登場する。
戦のようなものが起こりそうな雰囲気がある問題においては、武力の下支えが欠かせないとコルが判断して彼らを呼び寄せたのだが、そんなことを思いつくようになったのはコルが大人になった証拠だ(本人も作中で自覚している)。

最終的には、物的な損害はともかく人的な損害は出ない状態で大団円を迎えるのだが、本作でコルとミューリが取ったアイデアというのは、これまでの巻のものとは少しスケールが違っており、いよいよ物語も権力争いの様相を呈してきたということを実感させてくれる。とはいえ、あくまでライトな世界観を大切にしているこのシリーズにおいては、最終的には誰も傷つかずに物語が終わるのだろうということは確信しているので、安心して読み進めることができそうだ。

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2026年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんと言うかこれが物語の転換点なのかもしれない。

コルが「薄明の枢機卿」という名を自分には不相応と言う感情を超えて背負うことを決意する巻。
それだけにいつもよりカッコいいと思う。
いやあ彼も大人になったなあ、と言うよりも漢になった、あるいはなることから逃げなくなったんだよなあ。

ちょっといよいよ物語が壮大になってきた感があって、シリーズを香辛料の頃から追っているものとしては感慨深い。

今回の懐かしい顔はミューリ傭兵団。
口絵にあがっていたのでもっと早く出てくるのかと思っていたら登場は終盤だった。
けれどその終盤、解決の策はまさにこのシリーズらしい、彼らにしか出来ないものだった。
ただ若干ネタバレが早くてもう一騒動あるかと思ったけどそうでもなかったかな。

この先、どんどんお話が大きくなっていきそうで期待と共に不安もある。
もちろん次のお話も楽しみだ。

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2023年08月09日

Posted by ブクログ

面白かった。個人的にこういう活劇寄りのほうが好き。コルもミューリもちょっとマチュアになった感はだしてるが、まだまだなところが良い。最後の水責め戦のところと、その事後処理のところ、偽物についてもうちょいつっこんだところを読みたかった。プロットが面白かっただけに、肉が少ないようで(個人的感想)、ヴォリュームが足りず、少々モヤる。

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2023年08月12日

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