あらすじ
皆、誰かを思っている、それは愛の物語――
出身家・白羊公一族の没落により都を離れ、ヤエトの統べる黒狼公家の領地に身を寄せた尚書官・タナーギン。ヤエトの邸でタナーギンと邂逅した皇妹・ラキニーは、その態度に胡乱な気配を感じ、スーリヤに彼の身辺に侍るよう申し付ける。男はヤエトや皇妹に金の無心をし、不思議な香りに包まれた自宅で隠れるようにして暮らす。飄々としながらも、何がしかの意志を感じさせる彼の行動の目的とは…!?都の大乱の影に存在した一つの物語を中心に、様々なキャラクターの想いを描き出す、5編のストーリー。ことき先生のカラー口絵&挿絵入り!
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Posted by ブクログ
出身家・白羊公一族の没落により都を離れ、ヤエトの統べる黒狼公家の領地に身を寄せた尚書官・タナーギン。ヤエトの邸でタナーギンと邂逅した皇妹・ラキニーは、その態度に胡乱な気配を感じ、スーリヤに彼の身辺に侍るよう申し付ける。男はヤエトや皇妹に金の無心をし、不思議な香りに包まれた家で隠れるようにして暮らす。飄々としながらも、何がしかの意志を感じさせる彼の行動の目的とは・・・!?都の大乱の陰に存在したひとつの物語を中心に、様々な人物の想いを描き出す、5編のストーリー。
ヤエトはほとんど登場しないサブキャラたちの短編集。本編で見えなかった感情や見方が分かってファンなら垂涎ものです。書き下ろしの花冠の話は泣けた・・・スーリヤの成長も皇妹の思いも、やるせなさも、タナーギンの心情も切なくて、単なる脇役だったタナーギンのことが好きになってしまった。ヤエトがきっとまた肩を落としてしまう(自分に非はなくてもそうしてしまう人だろう)。ルシルがセルクのことをヤエト以上に思い出していてぐっときた。セルクの蒔いた種も確実に芽吹いているんだな。