あらすじ
ある地方都市に“新婚夫婦”として引っ越してきた、桂一と晃。新しい生活を始めたふたりは、睦まじく穏やかな日常を送っていた。しかしふたりの陰には、大きな「秘密」があって――。とある“夫婦”と、ふたりをとりまくオムニバス・ストーリー。
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ゆったりとしたテンポで綴られる、ふたりの秘めた恋と暮らし。
絵本の編集者の桂一と、保育士の晃。
一見新婚夫婦のようなふたりだが、実は…。
彼らと、彼らをとりまく人々にスポットを当てたオムニバスシリーズですが、
続けて読んでいくとふたりの秘密が少しずつ明らかになっていきます。
映画のようなゆったりとした間と絶妙なコマづかい、
話者の関係性を巧みに切り取ったセリフ回しで
細やかに心情が伝わってくるので、
高価なお菓子のように少しずつ味わいたくなります。
美しいイラスト(表紙の色づかいも見どころ…!)、
桂一の愛すべきヘタレぶり、しっかり者の晃がふと見せる弱さ…
オススメポイントをあげたらきりがありません!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
新人の初コミックス、かな。本屋でジャケ買いだったんだけど、大当たり(ジャケ買いで外れを引かなくなったのは、年の功)。互いに依存しあう兄妹を、恋愛以上に恋愛的に描く達観したストーリーが心地よい。思いがけずいいマンガに出会うことができて幸せな気分。
繊細な描写で読者の心を掴む
一気に何巻も読み終わった。最初から物語の終わりが大体知ってるのに、何故かまだドキドキします。主人公たちはいっぱい葛藤して、最後でもこういう選択したので、「あっ、この二人はやっぱ恋をしてたよね、してしまいましたよね」と納得してるところもあります。とにかく二人を応援したい。兄妹ものにあまり拒否しない方にはぜひ読んでほしい。
Posted by ブクログ
雰囲気がいい、を極めたような作品。大して練られたストーリーでもないし、深くまで掘られた心情描写や宝石のような台詞や、見事なテーマがあるわけでもない。けれどそれなりに切実で、何より美しくて、丁寧にきらきらしたカットを積み重ねてゆくだけで、これほどにも胸が苦しくなるまばゆさが宿る。技術を越えたエモーションがあるのだ。才能のある漫画家だ。/(『オゲハ』に続き)これも絶対デビュー作なんて嘘だろ!と思って調べたらナント『ひだまりが聴こえる』の文乃ゆきの別名義だとか! 何なのCOMIC it、BL作家にNL(ノンケラブ)書かせる雑誌なの……? これは雑談ですが、何で名前を変えさせるんだろう……時代錯誤……。確かに同じ欠点(短所ではなく)は感じるけれど、『ひだまり~』よりも、いいです。
Posted by ブクログ
COMIC it連載作品を読むのは初めてかも知れません。とある秘密を抱えた「新婚夫婦」のお話で、彼らの「現在」と、そこに至るまでの中学・高校・大学時代の出来事が、主要な登場人物たちのそれぞれの視点で語られていくお話です。
いかにもBLジャンルも描いている作家さんらしく、人間の心の機微を描くことを重視した作品で、人物の表情やセリフはもちろん、床に落ちたモノや窓の外の雨なんかが仄めかしや比喩的表現として活用されているのがいいかんじ。久しぶりに買ったその日に繰り返し読みをしてしまいました。
ヒリヒリ
ちょっとだけ"普通"からはみ出しちゃった人たちの、表は静かな、奥にマグマを抱えているようなお話。
このタイトルで、幸せな方向にいくのかどうか...?
雰囲気好き
この何とも言えない雰囲気が好みです。穏やかで、でもどこか張り詰めていて、危うく壊れそうで、でも確かな温もりがある雰囲気。
晃ちゃんの成長過程で生まれた兄への気持ち。次は兄のターンかな。
Posted by ブクログ
表紙とタイトルにやられて衝動買い。これは当たり!晃と桂一の親密のようでもどかしい距離感は切なく、それでもドロドロしてないところがいい。ほんのりした甘さを味わってから、仄かに苦味があとからついてくる感じ。
珠希の話も、結構好きだった。
Posted by ブクログ
淡い水彩のような表紙に惹かれ、同時に帯に驚いて買ってしまいました。
最近個人的にフィクションで兄妹愛を目にすることが増えていたのもあり、少し興味がありました。
ヘタレな兄の圭一と、圭一の世話を焼くことが生き甲斐になっている妹の晃。
新婚として地方都市に越して来た2人の話から始まり、晃が兄への想いを自覚した学生時代の振り返りが続きます。
切ない。どうやったって報われないとわかっているのもそうですが、圭一に彼女が出来てもどうにもできないアキの苦しさが痛いくらい伝わってきます。
ドロドロしそうな題材ですが、爽やかに展開されて行くのも好印象。
茜田さんの画力と細かな心理描写に唸りますね。
今後を見守りたい一作です。
Posted by ブクログ
夫婦が引っ越してきた…実は兄妹?から始まって時系列遡る系。どうやって両思い(夫婦)になっていくのか楽しみ。兄妹なんだけど、センセーショナルに騒ぎたててなくて、秘めたる感じで良い。ちなみに、プラトニックなのかどうかは謎。
近親ものに辟易してて避けてたのがもったいない。メイン主人公CPとサブ主人公CP?いるんですが、なんともうひとつの“禁断”をぶっこんできた。なんとイケメン好青年が…ありがとうございます土下座。
兄妹で恋愛感情が芽生えたらどうするのが一番いいんだろう? 胸の奥にそっとしまうのが大人なんでしょうね。でも、…。
ゆっくり話が進んでいきます。各々が幸せになってほしいと思いますが、そうはならないんでしょうね。
新刊が待ち遠しいです。
Posted by ブクログ
兄妹恋愛ものだけれど、切なさが程よい。
雰囲気がとても優しくてふたりのバランスも愛しくて、まわりの友達もとてもいい。
ハラハラのない切なさで結末までが楽しみ。
Posted by ブクログ
思ったより淡々とすぎる中で描かれる微妙な感情の揺れ動き。
全体的に切ない空気感が漂う。
個人的には桂一の魅力が全くわからず。どうして晃は
この人が好きになったのだろうと思ってしまう。