あらすじ
散歩に出かけたり、DVDを何度も見たり、仕事に没頭したり、いつものようにごはんを作ったり。実感を真っ直ぐに確かめながらの日々は続きます。『日々ごはん』(1)~(12)の続きは、『帰ってきた日々ごはん』として2015年発売。
<ある日の日記より>
私が電車を乗り継いで出掛け、暗くなって駅につき、買い物をたっぷりしてタクシーもなかなかつかまらなく、バスも混んでいて、やっと家にたどり着いた時。
うちの中にはスイセイがいて、鍵を開けてくれたり、お腹をすかしてごはんを待っていたり。ごはんが終わって、畳の部屋でだらだらとテレビを見ながら今日あったことを話したり。使い込んだ毛布みたいな匂いのするスイセイが、ちょっと頭のボケた調子(ずっと家にいたから)でいてくれることが、なんと自分を助けてくれることよ。そして、簡単なものでも、夜ごはんをしつらえ、いつものようにあと片づけをして、まっさらな台所に戻す。道具や器は、何年も何十年もそこにあり続ける。目に見える物たちが育む単調な繰り返しの、なんと確実なことよ。
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Posted by ブクログ
大好きなシリーズの最終巻。
終わってしまって寂しい。
でも、このシリーズは読み終えたものでも、たまに読み返したくなるので、その時はゆっくりじっくり読み返してみようと思う。
Posted by ブクログ
高山なおみさんが料理をされる方というのは知っていますが、
レシピを見たこはなく、どんな方かも知らないまま、なんとなく手に取りました。
よくある「素敵な生活をする素敵な私」エッセイかしら、と思ったのですが、そういったものとは一線を画していてとても素敵な文章でした。
自分の好きな仕事をし、マイペースで生活する…という点では「素敵生活本」と一緒なんだけど、何が違うのか?といえば、恐らくは高山さん自身のこだわりが、仕事仲間、ご近所さん、そして旦那さんという身近な人に対する愛情を上回っていないからだと思いました。
大人愛ですねぇ。
料理をする人なのに、コンビニやスーパーのお惣菜がリアルな割合で混ざっていたり、しばしば二日酔いで寝て過ごしてしまったりといったことがさらっと綴られているのも気持ちいいです。
自分の経験を、過不足なく素直に消化できるように年を重ねたいものです。
この12巻で終わりらしい日々ごはんシリーズですが、さかのぼって読んでみようかなと思います。
Posted by ブクログ
読み終わってしまうのが寂しくなるシリーズ最終巻。
また1巻から順番に読み返そう。
高山さんのトークイベントに参加したときに本づくりについて「誠実に作ろうと思うとそんなにたくさんは作れない」とお話されたのがとても印象に残っていて、高山さんや編集者の方々の誠実な思いが本の形になって、いま手元にあるんだ・・・と実感した。
また違う形で日々のことを書かれた文章を読める日を心待ちにしよう。
Posted by ブクログ
日々ごはんシリーズ最終巻。日記をやめて、新しいことに力を注ごうという一歩を、寂しいけれど応援したい。(高山さんがこの決意を書かれたのは、2008年のことだけど)
全巻通して、私もがんばろうとじんわり思えた日記シリーズでした。
49歳になっても、いろいろなことを始めたり、馴染みのことを大事にしたりと、一歩先の人生の過ごし方を見せていただき、希望とやる気を分けてもらった。高山さんの言葉にたくさんたくさん、励まされました。
Posted by ブクログ
この12巻をもって2008年に一旦終了となった日々ごはん。
とはいえ著者は今も書き続け、料理をし続けている。
著作を読むにつけ、動物的な感覚を大切に生きている人だなぁという気がする。
Posted by ブクログ
線の細い美人だなのにちっともニコニコしていなくて、でも料理が終わると表情がほころんだりして、テレビの人にしては変わっているな、というのが高山さんをはじめて料理番組で拝見したときの印象。「日々ごはん」を読むようになって、その人柄や感じ方、表現者としての凄さを感じるにつけ、テレビの印象がじわっと蘇ってきた。
「日々ごはん」もついに最終巻。これからもこの人のエネルギーに触れたり、文章を読んだりする機会ができるだけたくさんありますように。