あらすじ
トムの死後、大聖堂再建を引き継いだ息子のアルフレッドだが、大聖堂が崩壊してしまう。そこへ、ヨーロッパを放浪して修行中だったトムの弟子のジャックが帰還し、大聖堂に新たな光が……波瀾万丈の大ロマン小説、感動のフィナーレ! 巻末には養老猛司による「解説」付き。
スパイ小説「針の眼」など、スパイ・冒険小説で知られるベストセラー作家フォレットですが、この長大な大ロマンである「大聖堂」は彼が10年以上の構想を練って世に送り出した、もうひとつの代表作です。約50年かけて大聖堂の修復にあたる職人トムやその息子をはじめ、幾多の魅力的な人物が織り成す壮大な物語に、あたかも目の前に壮麗な大聖堂が出来上がっていくような気がするでしょう。
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Posted by ブクログ
読書の醍醐味!違う時代の人々の人生にどっぷりと浸かることが出来た。中巻で幸せになってほしいと願ったアリエナは幸も不幸もあり波乱万丈。フィリップもジャックもジョナサンも登場人物皆それぞれに幸不幸があり、物語の奥行が素晴らしかった。老人になったとき、苦い悔悟の味を噛みしめ、これまでの人生がすべて虚しかったと知る(P615)哀しみを持たぬよう、結果はどうであれ今を精一杯生きようと思えた作品だった。ケン・フォレットは読破する。養老孟子のあとがきはいまいち。
Posted by ブクログ
この物語の悪党は何といってもウィリアム。女性を暴行しないと満足感を得る変態で、1人の女性をしつこく追い掛け回しなんとか絶望させてやろうとする。しかしそのウィリアムが歳を取り、たかが1人の女性を貶めたい欲望に狂って人生を棒に振ったのでは?と自問自答する。これは最大の復讐だなと思った。
全体のストーリーは、大聖堂を建立することに人生をかける修道院長と大工が、支配や暴力に屈しそうになりながらも立ち向かうというもの。最後に、もう立ち上がれないのでは?という絶望から道が開ける場面が圧巻。読後は、自分が人生の終わりに何を想うのかと考えざるを得ない。
Posted by ブクログ
3巻、一気に読んでしまった。
まず、ネタ(題材)が面白い。
中世12世紀のヨーロッパ、「大聖堂の建築」を中心に話が展開していく。時代背景といい、今まで自分の中では馴染みがなかった「大聖堂」といい、好奇心を非常にかきたてられる。
そして人物描写やストーリー展開も素晴らしい。
個性的な登場人物の人物描写がとても良い。個人的には苦手な翻訳小説。なぜなら名前からキャラクターのイメージができないから。。。でもこの『大聖堂』の登場人物はそれぞれが個性的に描かれていて魅力的。
ストーリーも何十年にわたる物語とは思えない展開の見事さ。あきることなく最後まで読み切ってしまった。
ケン・フォレット、他の作品も興味深い。しばらくどっぷり浸ってみようかと思います。