【感想・ネタバレ】[証言録]海軍反省会 9のレビュー

あらすじ

『[証言録]海軍反省会』の第9巻。第69回から第92回までのうち、録音記録の残る8回分を収録する。本巻は、録音記録が欠落した回が最も多くなっている時期に当たっており、会の議論進行が追いかけにくい感は否めないが、そんな中でも貴重な議論が多く含まれている。まずは、各巻で必ず触れられる「真珠湾攻撃」「山本五十六」に関する論議。今回は、第二撃問題についての源田実氏の証言の虚実が語られるが、常にこの反省会に登場するこの二つの議題は、大日本帝国海軍における根本問題を含んでいるのではないかということが、極めて強く感じられてくる。その他に、黛治夫氏が初めて語る、「命中率3倍の根拠」。ミッドウェー海戦、雷爆装転換問題。豊田隈雄氏による、「戦争裁判における海軍の駆け引き」など、読みどころ満載である。

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Posted by ブクログ

9巻目ともなるとほとんどの発言者のキャラや傾向もわかってくる。確かにそれぞれが優秀だったのだろうが、発言を聴くと先の戦いを「反省」している様には思えない。また、「戦犯裁判」では戦闘員以外を相当殺していることを示唆する発言も数多くある。
長いこれまでの論議を聞いていると、彼らの過ちは、軍学校で一般教養を学ばなかったことによる偏った人格形成にあるのではないかとも思った。
まさに「戦争は軍人だけに任せるにはあまりに重大である」だ。

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2016年10月21日

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