【感想・ネタバレ】[証言録]海軍反省会 7のレビュー

あらすじ

「海軍反省会」は、昭和初期から太平洋戦争期にかけて、海軍の中堅士官として過ごした、主に大佐、中佐クラスの士官が、海軍の歴史をそれぞれの体験に基づいて検討、反省することを目的に行われた、秘密裏の会合である。昭和55年から平成3年まで、131回がおこなわれた。本書では、その第54回から第59回までを、生々しい証言をそのままに記録している。主な内容は、開戦直前の航空軍備問題、海軍士官内の差別ともいえる機関科問題、人事制度の問題、海軍の「作戦」の問題点についての総論、情報軽視、教育に関する問題……などである。編者によれば、「海軍の教育問題についての実態が裏付けられる証言が貴重である」と、史料としての重要性もある。巻末に末国正雄「海軍の教育施策と教育施設」論文を付録として収録。

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Posted by ブクログ

 本書で当時の海軍の人事制度や、教育制度の詳細を読むにつれ、いかに無謀な戦いに突入していったのかがよくわかる。 
 しかし、詳しく知れば知るほど「国力の限界」という言葉が頭に浮かぶが、当時の幹部たちの論争を聞くとそのような観念があったようには思われない。
 本書での当時のエリートたちの討論を読むと、彼らを養成した教育には、なにか致命的な欠陥があったのではないかとの感想をもった。
 本書は、今の常識とは全く違う時代の、しかも当時の軍内の様々な様子を多角的に知ることが出来る、実に興味深い書であると思う。

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2015年01月30日

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