あらすじ
兄の悲劇を知ったオルバは、その元凶である自軍の将軍・オーバリーへの復讐の念を新たにする。そのオルバが泣くのを目撃してしまったビリーナは接し方を思いあぐね、また帝都からは“皇太子ギル・メフィウス”の正体について疑念を持つイネーリが来訪する。 そんな中、ついに復讐へと動きはじめるオルバ。一方、ビリーナの故国・ガーベラへ隣国エンデの公子・エリック率いる軍勢が進発。開戦まで一刻を争う事態となっていた。オルバは“皇太子ギル”として、そして“オルバ自身”として決断を迫られるが──。
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Posted by ブクログ
当初の目的を果たし、いろいろなことにひとまず決着のついた四巻だった。第一部完!といった感じだろうか。
あらすじ的には、兄の死を確かめたオルバはついに復讐を果たすことを決意する。
しかし、ただ憎しみに駆られ、すべてを投げ出して復讐を果たすだけでは、彼が憎む貴族と本質的に変わらない。
自分が一体どうすべきなのか思い悩むオルバ。
復讐を果たし、その上で「皇太子」としての自分を支えてくれた者達への義理も果たす。あえて困難な道を選ぶことで自らを奮い立たせ、危うい道を渡りながらも突き進むオルバ。
復讐を果たし、胸にむなしさが去来するも、オルバは未だ休むことを自らが許さない。
皇太子として、最後の義理を果たすため、同盟国ガーベラの窮地へと駆けつける。
とかまあそんな感じ。
相変わらず面白いが、相変わらず甘味が足りない。
面白いんだけど、これじゃあ「歴史小説をライトノベル的に読みやすくしただけ」なんだよねぇ。
そこに甘味が加わってこそのライトノベルでしょ!と思ってしまうわけなんだが、どこまで行っても可愛い気のあるドキドキがやってこない。 (;´д`)
とは言え、4巻まですべて★5をつけることになるとは思わなかった。
内容的には本当に面白い。これでもう少し甘味があれば・・・あんなラノベやこんなラノベに出てくる萌えイベントが絡んでれば、ひょっとしたら「最も好きなラノベ三強」を初めて崩すタイトルになったかもしれない、とすら思う。
まあ、甘味がないから無理なんだけどね。
ぶっちゃけ、メインヒロインのビリーナはいいキャラだとは思うけど、主人公とほとんど絡まないし。
てか主人公、誰とも絡まないわけだけど・・・。
敵役のイネーリは今巻で主人公と完全に決裂しちゃった感があるし。
微妙にイネーリデレルートも残しておいてほしかったけど、普通に敵役にしかならないよね、これじゃ。
せっかくエスメナが会いに来てるのにろくにイベントを起こさずに挨拶だけで済ませるし。( ゚д゚)
ホゥ・ランとか思わせぶりな様子も見せるけど、主人公と絡んでないし。( ゚д゚)
アリスとか、未だにひっぱってるけど明るい未来がまったく見えてこないし。( ゚д゚)
いい加減にしろよオルバ。( ゚д゚)
電撃文庫だからこそ、ここまでオトコクサク、甘味のない戦記物語になったんだろうし、萌え萌えしてないからこそ面白いんだとは思うんだけど。
もしこのお話がMF文庫から出版されてたら、もうすこしビリーナやイネーリも可愛らしく描かれたんだろうなぁ、ちょっとそんな展開も見てみたかったなぁと、そんな考えがいついつまでも付きまとうのでございます。(´・ω・`:)