舞台女優を夢見る少女たちが集う歌劇学校合宿所を舞台に、
少女たちと、そしてかつて少女だった女たちの
ヒリヒリするような感情のもつれが
あくまで静かな筆致で描かれます。
美しい歌声も華麗な衣装も作中にはあまり登場しません。
登場人物はみな、完ぺきとは程遠く、
無邪気に他人を傷つけてしまいますが、
その姿はとてもリアルです。
分かりやすいキャラ設定ではなく、
その無邪気さに細やかな変化をつけることで
読者はそれぞれの登場人物を認識していきます。
誰かを傷つけた取り返しのつかない過去と向き合い、
自分なりに償う方法を現在進行形で考え続ける先生の姿には
特に圧倒されます。
名作『青い花』とのリンクも楽しめますので、
気になった方は『青い花』もお手に取ってみてくださいね。
感情タグBEST3
宗教2世の気持ち
匿名 2023年08月07日
最近問題になっている宗教2世についてもここでは触れられていました。宗教は否定するけど、家族を否定されるのは嫌だというのがよくわかりました。
Posted by ブクログ 2019年05月27日
親子の葛藤。ライバルの葛藤。
「私たちを縛り付けるものは、たいてい私たち自身だ」
そんな考えが降りることがあって、それは素敵な刻に違いないのだけれど、生活は続き葛藤は再度生じる。
ここまで時間を前後に跨ぐと、もう「ポーの一族」のような風格を帯びてくる。
そして1巻で入学してきた人物が先輩になって……...続きを読む。
ライフ・ゴーズ・オン、と言うと月並みかもしれないが、何かしら得体のしれないものがゴー・オンし続けるのだ。
それこそ「激情ーホセとカルメンー」のキスシーンのような息が止まるような詩的一瞬があっても、あとはだらだら坂や筋トレのような日々なのだろう。