あらすじ
辻村深月、万城目学、湊かなえ、米澤穂信――。
綺羅、星のごとく輝く人気作家たちによる、“時”をテーマにしたアンソロジー。
小学校時代に埋めたタイムカプセルがほどくこじれた関係、配置換えになった「縁結び」の神様の新たな仕事、人類には想像もつかない悠久なる物語……。
“時間”が築いたきらびやかな迷宮へ、ようこそ――。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
「タイムカプセルの八年」辻村深月
「トシ&シュン」万城目 学
「下津山縁起」米澤 穂信
「長井優介へ」湊 かなえ
壮大なスケールの「下津山縁起」、コミカルな神様コメディっぽい「トシ&シュン」
そしてタイムカプセルものの残り二編。卒業の記念に埋めるタイムカプセルを扱った二編なんですが、どちらも明るい読後感で爽やかでした。ニコ的には、ダメ教師の出てくる「タイムカプセルの八年」の方が好みでしたが。イヤ、いましたよ、このタイプのダメ先生。なんでしょう、自己陶酔型?辻村深月のダメorクソ教師の出てくる話、好きだなー。
Posted by ブクログ
読み友さんの高評価につられて、時の罠。そうそうたる大御所の時を超えたミステリー。辻村さんのお話しはダメ親父が仕事が忙しいながら息子を陰で見守るお話し。最後は父親が本気を出したところは良かった。万城目さんのトシ&シュン。2人の夢をかなえるべく神様が本気になるお話し。米澤さんは上津山と下津山の不思議なお話し。2800年頃の人間、山との関わりが秀逸。最後の湊さんのお話しが一番。3秒遅れて聴くことができる主人公。様々な不運もあり人生がうまくかみ合わない。しかし最後は一気に視界が広がった。⑤辻⑤、万⑤、米⑤、湊⑤↑
Posted by ブクログ
タイムカプセルの八年と長井優介へが好き。
特に湊かなえさんの作品の方は鳥肌がたった。
心が温かくなった。
辻村深月さんの作品では、こどもの愛し方に強く共感した。子育て中のわたしにとって糧になる物語に出会えた。
Posted by ブクログ
「時」をテーマに捻ったアンソロジー4編。
・面白かった編
「タイムカプセルの八年」
何だこの屁理屈親父は?という導入から始まって、こんなのあるあるだなぁな脇キャラに流されながら意外と矜持を見せ、”黄金期”だった小学生時代の父親たちで優しい嘘を守り、綺麗にオチをつける。流れるように起承転結のレベルが高くて「いいもん見せてもらったぜ」って気分になる。ハズレなし作家だなぁハッピーエンドっていいよなあと素直に思える良作。
・微妙だった編
「トシ&シュン」
「パーマネント神喜劇」やん!よね??と思いながら読む。再掲かいと思いきや、こちらの発表が先で後でもう1章足して「パーマネント」完成だったみたい。これだけぶつ切りでもまぁ面白いけど、前後があった方が(っていうかパーマネント先に読んじゃってるから!)絶対うさん臭さと面白さが倍増するから惜しいなぁむず痒いなぁもったいないなぁともぞもぞしながら読む。そういう意味で微妙だったけど、夢の入れ子とか使いまわしとか(作者は嫌がるかもしれないけど)森見登美彦みたいで面白いよなあと改めて思った。パーマネントまた読も!
Posted by ブクログ
【あらすじ】
・「タイムカプセルの八年」辻村深月
大学講師の孝臣には妻の温子と小学校の教諭になった幸臣という息子がいる。
幸臣が小学6年の時に親父会に参加することになった孝臣は、小松ユカリの父親や洋菓子屋の主人、沢渡などと交流をもつようになる。その時の担任が比留間先生で、彼に憧れて幸臣は小学校の先生になりたいと話すようになる。タイムカプセルを埋めるといっていた比留間は土に埋めずに学校を移ったと知った孝臣は(幸臣は後輩に知らされる)、息子達に黙ってに親父会のメンバーでタイムカプセルを探しにいき土の中に埋めた。息子が憧れていた比留間先生が埋めてくれたことにして。
親父会メンバーで時々集まることになり、幸臣は孝臣に憧れをもっていたこと、幸臣はユカリと付き合っていること等知らされる。
・「トシ&シュン」万城目学
縁結びの神様が昇進試験を受ける。
カップルの俊と瞬(どちらもシュン)の願いを叶えるため、俊は小説家、瞬は俳優として成功する夢をみせる。「カラス」「ビニール袋」「おじいさん」のキーワードがきっかけで成功していく2人のシュン。成功する2人は破局してしまうと聞かされた縁結びの神様は、それでも2人での幸せを願う。その選択をした縁結びの神様は、学問・芸能の神様の手伝いもしつつ新たなかたちの「縁結びの神」を目指すようVIP上位神に言われる。
・「下津山縁起」米澤穂信
A.D870年~A.D2873年の山の話。2205年、地球物理学博士の森島不来敗は、山には知性がある、と話す。2873年、下津山を殺害したとして訴追されていた上津山にたいする裁判で、富士山裁判長は有罪の判決を下す。検察側の阿蘇山は人類を使って下津山を殺害させたと主張し、弁護側の榛名山は荒唐無稽な主張と反論。
・「長井優介へ」湊かなえ
15年前に埋めたタイムカプセルの中の青酸カリ(国立大学生の緑川明という家庭教師にもらった)を取りに行くために小学校の同窓会に向かう長井優介。3歳上の姉の友人の弟寺田浩太とは同級生で小学生の頃は仲良くしていたが、聴力が悪いせいでリーダー格の矢部敏生にはいじめられていた。腐った牛乳をのませられて病院に運ばれた出来事をきっかけに優介の親が激怒し学校と矢部の母親に話をしたおかげで嫌がらせはなくなる。運動会の日に教室に閉じ込められてリレーに参加出来なかったのは矢部や寺田のせいだと思い込んで心を閉ざしていた優介だったが、同窓会に向かう途中再会した元同級生の島本あおいと浩太の話を聞いて勘違いだったと知る。浩太は自分の母親の作ったたこ飯で優介はお腹を崩してトイレに居たと思い込んでおり、教室に誰も居ないと思って(寺田のハチマキをとりに優介は教室に居た)鍵を閉めたのは委員長をしていた島本だったのだ。そして優介がタイムカプセルに入れたチョコレートの箱に入っていたのは青酸カリではなく砂糖で、食べ物はタイムカプセルに入れておけないという理由ですでに島本に捨てられていた。
就職もうまくいかず青酸カリで死のうとしていた優介だったが、小学生時代の誤解が解けて心が軽くなる。当時浩太が、耳が聞こえない優介に書いた謝罪の手紙や、2人で書いた漫画が入ったタイムカプセルを開けに行く。