【感想・ネタバレ】時をかける眼鏡 新王と謎の暗殺者のレビュー

あらすじ

過去の世界のマーキス島に呼び寄せられた、医学生の西條遊馬。元の世界に戻るその日まで、王室に仕える鷹匠クリストファーの弟子として過ごすことになった。しかし、新王ロデリックの即位式の夜、事件は起きた。招待客である外国の要人が不審な死を遂げたのだ。早急に犯人を見つけ出さなければ王室の信用にかかわる。遊馬は現代法医学の知識で真相究明に挑むが――!?

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Posted by ブクログ

またしても面白い、スッキリ終わるのが大好き。さらっと読めちゃうが、読み応えもある。このシリーズ大好き!3もすぐ読みたい。

p.172 生まれた時からずっとそうだったので、それが当たり前だと思っていました。だけど、この世界に来たをかけて、クリスさんのいう空恐ろしいの意味がわかってきたかも。ここでは、自分が何かすれば、やっただけの成果がついてくる。だけど、何もしなければ、何も起こらないでしょう?でも、僕のいた世界は違うんです。ほとんど何もしなくても、すごいことが怒っちゃうんですよ。他にも、ボタンを1つをしただけで、部屋を冷やしたり温めたりできる。いちいち火を熾したり薪をくべたりしなくても、スイッチ1つで気をつけて2丈ができる。クリック1つ…えーっと、つまり指を動かしただけで、熱々のご飯が届く。店では、すぐ食べられる状態で、魚や肉や野菜を打ってる。…そんな感じです。

ますます魔法じゃないか!

それは、本当は魔法じゃなくて、他人の苦労の賜物だったり、技術の進歩のおかげだったりするんですけど、そうした過程や裏側の事は目には見えないし、知りたいと思っても、あまりにもたくさんの人やものが関わりすぎていて、全部を把握しきれないんですよ。僕のいた世界は、ちょっと複雑になりすぎたのかもしれません。

p.244 そのままゆっくりと歩きながら、クリストファーは話を続ける。
「多分誰だって、自分1人でできる事はそんなにないんじゃないか?先生、自分の腕が届く範囲の事位だ。…こんな風にな。だが、誰かと出会って、そいつと手をつなげば、今度は2人でいっぱいに腕を伸ばした範囲の事が出来るようになる。もう1人増えれば、もっと広くなる。今みたいに1人がつけば、上にも範囲が広がる。これは、ロドリック様やフランシス様のように、気の利いた言葉言えんし、嘘もつけん。正直言って、お前をここにまねき寄せた、ジャヴィードの魔法を、好きにはなれんのだ。あれを使うのは、正しいことだとは思えない。俺たちの勝手で、お前を無理矢理ここに呼び寄せたことで、お前の人生は、悪い方にねじれてしまったかもしれないと思っている。だが、それでも、俺はお前と出会えて良かったと思う。必要だのなんだのと言う堅苦しい言葉よりも、今夜もお前と飯を食えて嬉しいと思う。…それでは足りんか?」

自分1人の力など、ちっぽけだ。だからこそ、誰かと出会い、共に新しい扉を開けることを、人は望み続ける。いろいろな人に出会い、たくさんの経験をして、自分のできることを、どんなにささやかでも、一つ一つ見つけていく。そして少しずつ、前に進んでいけば良いのだ。そう思うと、乾いた土に水が染み込むように、カチカチになっていた心が、ゆっくり解けていくのがわかる。

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

推理というにはちょっと物足りないが、遊馬が父との思い出を頼りながら、現代医学の道具に頼らず工夫と観察力で人を助け、真相を究明していく様子が興味深い。また、3兄弟を主軸にひとを思い合う気持ちがあたたかく、楽しく読めた。料理の話題もあって古代と現代のハーモニーが面白い。

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2018年10月12日

Posted by ブクログ

医学生異世界召喚ストーリーの続編。今回は戴冠式からさっそく暗殺者に狙われ、王宮で殺人事件が起きて――と、ロデリックさん前途多難そうな感じ(;^-^) と思っていたら意外なストーリー展開で、ラストはちょっとうるっと。今月発売の雑誌cobalt9月号から連載がスタート。やっとこれで雑誌の方読める!!

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2015年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ第2作。
非常に読みやすい作品。
前作に比べると今回は殺人の経緯が少し意外だった。

子どものことを考えて殺人をしたお父さん。
だけど最後は国に迷惑をかけないように考えているのが真面目なんだなって思いました。

あとは最後に国王がフランシスを抱きしめるシーンも
素敵でした。
引き続き読んでいきたいと思った作品です。

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2018年10月29日

Posted by ブクログ

戴冠式がいかに厳かで絢爛だったかと生活様式の違いに悩む遊馬に力を入れすぎている気がする。
メインテーマだと思われる事件の推理と解決部分が駆け足気味だったけど、作者としてはそっちはより遊馬が生活や、各々の役割、国とはどういったものかなんてことをメインなんだと考えているのなら、十分な作品あのかな。遊馬は事件外でも悩みはつきないらしい。

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2016年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代から中世欧州へ転送されたアスマ
新王即位に貢献したため鷹匠の弟子として
王の知恵袋として過ごす
王の暗殺を防いだりもする(´・ω・`)

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2021年12月18日

Posted by ブクログ

時空と時代の違う中世風の王国に飛ばされた西條遊馬は、王室の鷹匠の弟子として使えることになるが、誰もが知らないいろいろな知恵を持っていると思われて、ロデリック新王、フランシス宰相(ロデリックの異母弟)、ヴィクトリア姫王子(ロデリックの異母弟)たちに頼られることになる。新王の宴会の料理のアイデアを出したり、不審な殺人の謎を得意の医学の知識で探ったりする。その中で、遊馬は自分なりに様々なことを学んでいく。王国の人々ともつながりを深めていく。こうなると、もとの世界に戻るのが辛くなっていってしまうかもしれないなあ。

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2021年10月26日

Posted by ブクログ

まさかのシリーズものでした!
前作を知らないのに、読んでしまったw

タイトルに興味が湧いて読み始めましたが、面白かったです! あれよあれよという間に読み終わってしまうのですが、遊馬くん…医大生には思えぬ幼さですよ。いや、そんなモノか? 

医療の知識がない世界での、医大生的な気付きとか心情の変化が楽しい一冊。なんか勝手に上から目線(むしろ親目線?)で読んで応援しちゃうww

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2021年10月18日

Posted by ブクログ

違う世界に飛ばされた主人公が医学生の知識で、事件を解明する話。とはいっても学生なので、治療、手術なんてやったことないので、ひたすら知識と記憶を頼りに奮闘します。
ある意味JINより過酷です。
今回はロデリックが王座に収まり、パーティを開いたところ殺人事件が発生。
平和なこっちとは本当に世界が違います

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2019年07月26日

Posted by ブクログ

即位式の夜に起きた招待客である外国の要人の不審な死の真相。遊馬と師匠になったクリストファーと三兄弟のやり取りが、殊更な特別さはないのに妙に魅力的で、過去のマーキス島の世界に引き込まれる。芋やパンの素朴な食事も良い。現代法医学の知識と死が絡むけれど殺伐とはせず、ちょっと暢気なくらいの柔らかいシリーズ。

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2018年10月09日

Posted by ブクログ

ついに新王が即位した夜、上から落ちてきたのは
他国の要人だった。

序盤、料理の相談までされています。
めでたい事があった状態なので、全編通して
やたらに料理がでてきたような。

無事に済んでよかった、と話は進んでいくので
一体どこで何が起こるのかと思ったら…。
王様って大変だな、というのがよく分かる内容です。
鎧ひとつとっても、そこまで考えられているのか、と。

今とは違うので、命の価値も身分も、なのですが
王族、という身分に生まれた者がどうするのか
何をするのか、を考えさせられてしまいました。
しかし前回も思ったのですが、姫王子ひ引き続き(?)
犠牲公という制度、すごいです。

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2017年01月26日

Posted by ブクログ

検死が犯人逮捕に全く生かされないのは相変わらず、どちらかと
言うと現代の医学知識を生かして中世での謎解き!ってコンセプトが
邪魔になってる気がする

今回は、医療器具の使えない状況で、身の回りの物を使い
医療行為をする辺りが「天才外科医 鳩村周五郎」っぽい

「仁」寄りになってしまうけど、未だこっちの方が、アスマの
能力を生かせるんじゃないかな?

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2016年06月29日

Posted by ブクログ

2作目、飛行機乗ってる間に続けて読みました。
みんなの距離が近くなっていい感じ。

タイムスリップがこの過去の時代の人の意思っていうのは主人公が受け入れられるのになんとまぁ強力なチケットだろうか。

2016.5.4

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2016年05月04日

Posted by ブクログ

 そうか、前作はシリーズ1作目だから後半が駆け足なのではなく、この作家さんの傾向として事件を後半に起こしたいのね!とやっと理解する。他の作品もそうなのかな。
 あの時代に関して割と現実的な描写なのだが、闇や臭いを感じないので、逆にそこに違和感を感じてしまう。
 リアルとファンタジーの境界がいまいち分からない。

 ああでもやはり2作目だけあって、キャラクターが元気で読んでいて面白い。

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2015年09月17日

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