【感想・ネタバレ】功名が辻(四)のレビュー

あらすじ

関ケ原決戦――徳川方についた伊右衛門は、この華々しい戦でも前線へ投入されたわけではない。勝ち負けさえわからぬほど遠くにあって銃声と馬蹄の轟きを聞いていた。しかし、戦後の行賞ではなんと土佐二十四万石が……。そこには長曽我部の旧臣たちの烈しい抵抗が燃えさかっていた。戦国痛快物語完結篇。

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ネタバレ

関ケ原決戦―徳川方についた伊右衛門は、この華々しい戦でも前線へ投入されたわけではない。勝ち負けさえわからぬほど遠くにあって銃声と馬蹄の轟きを聞いていた。しかし、戦後の行賞ではなんと土佐二十四万石が…。そこには長曽我部の旧臣たちの烈しい抵抗が燃えさかっていた。戦国痛快物語完結篇。

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2013年11月16日

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ネタバレ

関ヶ原の合戦を前に徳川家康に城や領地を差し出す伊右衛門。関ヶ原の合戦では前線へ投入されず、勝ち負けすら分からないほど遠くにあって銃声と馬蹄の轟を聞いているだけだったにも関わらず、恩賞は土佐一国二十四万石。しかしそこには長宗我部の旧臣たちの激しい抵抗が…。

関ヶ原までは伊右衛門も千代も可愛らしい感じで良かったが、土佐を手にした伊右衛門の変わり方が…。

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2025年11月08日

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ネタバレ

胸が締め付けられる結末

種崎事件のあとの千代と一豊の話は、仲直りの様子が見えず、そこであとがきに入る。
千代の気持ちを考えると切なさや悲しさが襲ってくる。

途中までの功名を立ててるときは明るく楽しい話だったが、巧妙を立てて、一国一城の主となった四巻は千代と一豊の心が離れていく、いや、根底では繋がってるが、意見が分かれていく、そういう話になって、心苦しかった。

それでも、千代は一豊を、一豊は千代を、愛し続けていた、それは変わらなかったと思う。

長編と言いつつも、新聞の連載だったからこその、尻切れトンボのような語り口が、かえって、余韻を残す作品。

時代が経っても風化しない、いつでも読みたい本の一つであることに間違いはない。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

完結編。
しかし、この夫婦、最後は幸せだったのだろうか。
分不相応にも二十四万石の大名となり、しかも長曾我部の旧臣たちは山内一豊を認めようしない。
ヒステリックなくらい力で弾圧しようとする一豊と、懐柔策を提言する千代。
ふたりの思いは最後まですれ違う。

千代は後悔した。
身に余る褒賞を受け、上手く抵抗を抑える術を持たない夫を見て、鼻白む。
自分の提言を聞く耳すら持たなくなった夫を見て、こんなはずでは…と思う。

この二人には、どうも夫婦の間にある機微が欠けているような気がした。
千代が夫を操作する姿は、過保護な教育ママが息子を操っているように見える。
微塵も尊敬とかないよね。

築城に関しても、本職を差し置いて意見を言うのだけど、直接言うのではなく、伊右衛門の弟に入れ知恵をする小賢しさ。
「女の身で築城のことにまで口を出すなどとはいかがわしうございますから、康豊殿のお考えとして殿に申しあげなさい」だってさ。

しかし折々に顔をのぞかせる司馬遼太郎らしい目線。

「いつの時代、いつの場合でも、人間の十中八九は定見もなく風次第で動く、というのが正直なところ、浮世の姿でござるよ」

「人々の暮らしに希望をもたせる、というのが国主の政治のかなめどころではありませぬか」

何百年たっても、人の世とは変わらぬものよの。

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2021年04月27日

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