【感想・ネタバレ】翔ぶが如く(一)のレビュー

あらすじ

司馬遼太郎畢生の大長編!
西郷隆盛と大久保利通。ともに薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、幼い時分から机を並べ、水魚の交わりを結んだ二人は、長じて明治維新の立役者となった。しかし維新とともに出発した新政府は内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発。西郷は自ら主唱した“征韓論”をめぐって大久保と鋭く対立する。それはやがて国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく――。西郷と大久保、この二人の傑人を中心軸に、幕末維新から西南戦争までの激動を不世出の作家が全十巻で縦横に活写する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

秀作。
司馬遼太郎、流石。その中でも長編大作。面白い。
若い頃は、大久保を尊敬していたが、歳を重ねて西郷が好きになってきた。
綿密な調査、凄い。
さすがに長い。
今の日本にも引き継がれている政治家の隠蔽、庶民を騙す手口。政府は信用ならない。計画性なんて無いと疑ってみる。
日本人は、野蛮だと、つい150年前の出来事。忘れてはならない。

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2018年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

~全巻通してのレビューです~

主人公の西郷隆盛が捉えどころのない茫漠たる人物として描かれているので、読後の感想も何を書こうかといった感じで難しいですね。
西郷は征韓論を言ってた頃はわりとはっきりした人物像でしたが、西南戦争が起こってからは戦闘指揮をするわけでもなく神輿に乗ってるだけでしたから。
馬先生ももっとはっきりした人物が浮かび上がってくる見込みをもって描かれたのではないでしょうか。

もう一人の主人公ともいうべき大久保利通は一貫して冷徹で寡黙な人物として描かれてます。
台湾出兵後の清との交渉では、大久保の粘り強さと決断力炸裂で面白かったですね。

あとは、やはり最後城山で薩軍が戦死する場面が良かったかな。
テロリスト桐野や狂人のような辺見はずっと見てきてお腹いっぱいに感じてたので、やっと終わるかと。

読んで爽快感が得られる本ではないので、評価はなかなか難しい作品かと思います。
でも、この日本という国を理解するうえでは、読むに欠かせない作品かと思いました。

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2021年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

p.194-195
かれは一方では自分のつくった明治政府を愛さざるをえない立場にあり、一方では没落士族への際限ない同情に身をもだえさせなければならない。矛盾であった。

矛盾を抱えたまま、西郷隆盛はどのような道を歩んで行くのか…。残り9巻。ゆっくり楽しんでいこうと思います。

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2020年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

明治維新後の日本政府を様々な視点から書いた歴史小説。歴史小説というか歴史資料と言っても差し支えない程、詳細に説明している。
第一巻では主に、それぞれの観点からみた「征韓論」について述べている。征韓論は国を滅ぼす危険性を持つという考えや、士族のやり場のないエネルギーの矛先となり日本を活気づけるという考えなど様々なものがあった。
この時代に列強国へ赴き、自国の遅れと向き合い未来の日本のために事を為そうとした人がいた。その一方で、幕末の革命の熱気に当てられ続け、先の時代を見据える事が出来ていない者たちにも焦点を当てていた。今日、もしかすると自分は後者なのかもしれない。未だに学生時代を引きずり前に進めていないのかもしれない。これを期に先の時代に目を向けられる大久保や川路、岩倉のようになりたいとかんじた。

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2025年01月26日

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