【感想・ネタバレ】蟲師(3)のレビュー

見慣れた動植物とはまるで違う、生命の原生体に近いもの。
「蟲」と呼ばれる異形のものは、形や存在があいまいで、誰にでも見えるものではない。
そして、時に「蟲」は、ヒトと…ヒトの営みに作用する。
これは「蟲」とヒト、そしてその間に立つ者「蟲師」のお話です。

雪夜に耳を病む者が出る村(1巻)、生き神のいる島(3巻)、
天の糸を掴んで姿を消した妻(6巻)、死が伝染する里(8巻)など
数々の奇妙な現象、様々な特質を持った「蟲」と人々の様子が描かれます。
また、作品内の時代設定ははっきりとはしません。
登場人物のほとんどが和装に身を包むものの、主人公である「蟲師」のギンコは洋装です。
産業革命による機械文明とは無縁に、農業や漁業に従事する村里が広がっています。
定かではない時代設定において、摩訶不思議な「蟲」や人々の生き死にを描く『蟲師』という作品は、
どこでもない、あるいは彼岸でもあり此岸でもあるような、あいまいな世界の感覚をもたらします。
それと同時に、作品全体を取り巻く静けさ、妖しさに心惹かれてしまうのです。

幽霊や妖怪といった異形異類の存在を語る怪談や伝承に惹かれる方は、ぜひ読んでみてください。
民俗的で、幻想的な魅力漂う作品です。

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匿名

ネタバレ 購入済み

恐いけど美しい

おどろおどろしいけれども美しい蟲の世界。
もやの中で再会出来た話を見ると
言いたい事は、言えるうちに言っておかないとなと思う。
一瞬戻れないかと思ったけど、帰って来れて良かった。
謎大き主人公ギンコの黒髪時代も良い。

#切ない #エモい #深い

0
2023年10月13日

ネタバレ 購入済み

ヨキとギンコ

一般的な生き物とは違う理を持つ、生命の源流に近い『蟲』とよばれるもの。
それらを祓ったり蟲で困っている人を助けたりする医者のような仕事を生業とするギンコという男の旅の物語第三巻。

『錆の鳴く聲』
金属にとどまらず、木や人などなんにでも付くという錆に苛まれた村。そこで原因だと村人から煙たがられている口を開かない少女と、それを気にせず彼女にかかわる少年のお話。
『海境より』
数年前に駆け落ちした女性と口論になったまま船に乗った男は、女性が他の船に乗ったまま行方不明になってしまい、口論したことを後悔しながらも、彼女の持ち物が浜に流れ着いてこないかずっと待ち続けているが、やがて自分の人生を生き始めるお話。
『思い実』
天災が来た年は豊作になるがそれと引き換えに村人が1人死ぬといわれた村で生きる男の覚悟のお話。
『硯に棲む白』
蟲に関する物を集める医者の蔵を漁った子供がたまたま手に取った硯。それを使った子供たちは口々に寒いといい始めるが、それを作った女性が後悔とともに硯職人を再開するまでのお話。
『眇の魚』
行商をしていた母親と死に別れた少年ヨキが出会ったのは白髪で隻眼の女性、ぬいと出会いそこに新たな居場所を見出すが、やがて一人で旅立ちをするまでのお話。

今まで謎めいていたギンコの過去を描いたエピソードが出てきた。
記憶がないこと。その中で覚えていた言葉を自分の名前にしたことなど、ギンコのミステリアスな部分はこうやってできていたのかと思うと少し切ない。

#切ない #エモい #深い

0
2021年04月26日

ネタバレ 購入済み

アニメもいい

カラーページがとっても綺麗!!
ギンコの少年時代に驚きました。
アニメもオススメの作品ですね。
続きも読みたいです

#深い

0
2022年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この世界観、たまらないですね。
独特で不思議で不気味で神秘的でありそうでない世界。
ギンコの本名はヨキなんですね。
ギンコの過去のお話、トコヤミが怖くていい感じでした。

0
2014年03月17日

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